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山口周 / PHPビジネス新書 (15件のレビュー)
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かな
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・個人を偶像化すると、どうしても変容してしまう ・人言中心主義vs生命中心主義 ・仕事はバーチャル、私生活をフィジカルにする生き方 ・知識だけでは伝わらないことも、すきまをうめることで途端に伝わることがある ・与えられていることに気付くこと ・人生とは不確実なもので、努力が必ず報われるとは限らないし、予測できないこともたくさんある。だからこそ面白いし、他人を受け入れ、自分が受け入れられる余地もある。そんな価値観に身を投じることができたら、生きやすい世界になるのではないか。
投稿日:2023.12.08
Ronnio
山口周氏の著作の中で初めて読んだ。 7人の各専門家との対談をまとめたもので、機能不全または暴走とも呼べる現代の資本主義社会をどのように捉えていくかというテーマが通底している。 本書の目的・方向性は要約…すると「時代の先を読めない現代における指針、ヒントを得る」となるが、これはそれぞれ専門の異なる人らとの対談を集めて説明するためにやむなく取ってつけたように感じる。 本書にチラホラ登場する「教養」というキーワードもやや流行りに乗っているような雰囲気がある。 とはいえ、本書の内容自体は重厚だ。 各人の研究・実践のテーマそれぞれはまさに現代社会の課題を解決するための糸口であるし、非常に期待できる。 本来であれば各人の主となる著作を読むべきだが、核心のみを素早く掴み取りたいのであれば本書は有益だと思う。 経済成長一辺倒の資本主義・新自由主義経済が続いてきて行き詰っている現代において、例えば脱成長、例えばアナーキズム、例えば非合理的な偶然性、例えば都市から離れ自然に立ち返ること、例えばBI、のように一歩引いた視点で働き方・生き方を見つめ直せば、解決、とまではいわずとも改善のヒントは見つかる。 社会制度も、大衆の意識も、染み付いた習慣も一昼夜で変わることはない。 しかし個人単位で思考を変え、行き詰った常識を刷新して行動のベクトルを変えれば、まずは心持が変わり、次いで習慣が変わり、人づきあいが変わり、所属が変わり、生活が変わっていく。 これが静かながら広範囲な潮流となれば、社会は新しい形へと変わっていくはずだ。 希望はゼロではない。続きを読む
投稿日:2023.05.25
yosh
対談を通して、色々な分野の人たちの価値観に触れることの出来る本だった。本の中で出てくる人たちは、今の日本という国の中にいながら、一歩外に出てこの国あるいは人間社会を見ているようなそんな気がした。近すぎ…ず離れ過ぎずに、「今」を見ている人たちの話には多くの気づきがあった。続きを読む
投稿日:2022.07.30
k
各領域のスペシャリストと山口周との対談集。彼らの専門性や価値観・世界観はまったく違っているが、根底にあるこだわりには同じものがある。 そのこだわりこそが表題にもある「思考のコンパス」たりえるのだろう。…VUCAの時代を生き抜いていくためにはある種の指針を貫くものが必要になる。 興味深いトピックも複数あった。特に「自然は人工のものより圧倒的にビット数が多い」(北野唯我)「贈与間の時制のズレがエモーショナルを生む」(近内悠太)「カオスな環境に身を置くことで自分の課題と指針が見つかる」(高橋祥子)という話は面白かった。 なによりこれらの専門家と話を合わせて内容を深掘りできる山口周の知見の広さがすごいと再認識させられた。続きを読む
投稿日:2022.05.10
rafmon
7名の教養人とのインタビュー形式の対談。その中でそれぞれの主張に対して、山口周が独自の視点をぶつけながら切り込んでいく。対談で思考が補強されていくプロセスが面白い。 以下、著書に書いてある事ではなく…、そこにインスピレーションを受けた自分自身の考え。昔でいう書き込み、みたいなものだが、自ら対談に加わりたくなるような興味あるインタビュー。 都市とは所詮、自然と対比すればバーチャルな存在でしかない。ならば、テレワークは、そもそもバーチャルな空間であった都市からの変化とも言える。オンライン対談での通訳機能や自動要約機能も出てくれば、やはり世の動きは不可逆的だろうと共感した。一方で、山口周の考えは、人間そのものがバーチャルではなく、自然物であるという考えが欠落させているように感じた。完全合理的には動かず、テレワークのみで仕事はやはり成立しない。その過不足が、自然である人間の要素か。 贈与による貸し借りが人生の保険になるというタンザニアの話。貨幣経済を介さぬ所に、贈与の必然性があるのだから、脱資本主義のヒント足り得るのは必然。物々交換の効率化を求めて生まれた貨幣について、インターネットにより、機能代替が起こるだろうか。物々交換が自動処理されれば、貨幣は要らない。続きを読む
投稿日:2022.03.23
kkc06173
個人的にビジョナリストと思っている著者の対談本。 コロナ禍で、今までずーっと通勤するからどこそこに住む、という当たり前になっていたことが変わり、毎日会社に行かなくて良く、どこに住んでも構わないという、働き手の制約条件が大きく緩んで、自分の意思で選択しなければならない時代になりました。これは、個人として、どう生きたいかを自分で決めないといけない、という社会になってくるとのことで、自分にとって大切なものは何か、どのような人生を送りたいのかを考えるツール、これをコンパスと表現し、読者に提供したいとのことです。 対談者との掛け合いがある分、いつもよりは頷けるところが個人的には少ない印象でした。 気になった点 ・養老孟司:人間社会というのは全部じゃありません。たかだか半分(昆虫が趣味で、それが自分の中でバランスを保っているという意図)。 ・小川さやか:ルールを適度に無視して、自分たちで考え何かをしている状態は、交通だけでなく、社会の隅々にあり、本来その上に秩序ができているはずです。そのことを忘れて、細かいルールをつくって制度化しようとすると、一つの制度をつくるとまた別の制度を作らなければならなくなるのが現実ではないでしょうか。 ・広井良典:時代が人をつくり価値観をつくる。いまや完全に人口減少に転じましたから、再び行動パターンも変わってくると思います。昭和のやり方では、もはや成り立たない。まさにターニングポイントに置かれています。(略)70~80代の人々は昭和的な価値観の中で生き、若い世代はまったく別の価値観の中で生きている。その変化のスピードの速さが難点ですが、ここを乗り切ればポジティブな未来が開けてくるのではないでしょうか。 明るい未来に対応できる自分にならなあかんな、と思いつつ閉じました。
投稿日:2022.02.28
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