【感想】奇想と微笑~太宰治傑作選~

森見登美彦 / 光文社文庫
(51件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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ブクログレビュー

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  • しろベビ

    しろベビ

    「畜犬談」が面白すぎて声に出して笑った。他、「黄村先生言行録」の、太宰治の心の中でされるツッコミが面白い。
    星野源とか朝井リョウのくだらないエッセイが好きな人は、きっと好きになると思う。

    森見登美彦は最後に「走れメロス」をもってきてくれてたけど、私はやっぱり好きじゃない。
    中学生の頃読んだ時と印象が変わったことと言えば、最後はちゃんとオチつけてるなあ、と思ったくらい。
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    投稿日:2023.05.03

  • がんちゃん

    がんちゃん

    太宰治を少し違った角度から焦点を合わせた作品。

    「黄村先生言行録」「満願」「女の決闘」「走れメロス」など

    30年ぶりに読んだ走れメロスは突っ込みどころが多かった。メロスは自分勝手極まりない、勝手に妹の結婚式の日取りを決めるし、走って帰る時もわざわざバーベキューかなんかしてるところを横切るし、王様はいい王様になった感じやけどそれま惨たらしいことしているのにとも思う。
    ただこの短さと時代設定になんとなくうやむやにされてしまう。
    つまり、恥ずかしいけど感動する。
    この作品はまたタイトル勝ちなところがある。
    倒置法的に動詞を前に持ってきて主人公の名前を持ってくるのは「桐島部活やめるってよ」くらいまで時代を降りてこなければなかなかない。
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    投稿日:2023.03.27

  • ありちゃん

    ありちゃん

    森見さんの、太宰治傑作集。
    太宰治は中学の時に読んだ「走れメロス」と「人間失格」ぐらいしか馴染みがなかったので、印象がかなり変わった。
    特に気に入ったのは「畜犬談」、読み終わった後に太宰治のことがちょっと好きになっているから、ずるいと思う。
    最初の「失敗園」→「カチカチ山」→「貨幣」ぐらいまで「これは森見さんが書いたのでは?」と思ってしまうぐらい、文体もその雰囲気もよく似ていた。
    読みやすいもので読者を釣って、「ロマネスク」あたりで太宰治の世界に引き摺り込んで、「黄村先生言行録」あたりから深い沼に沈まされる感じ。
    100年程前の文章だから、読み難い所もあるし、時代錯誤で「ん?」と思う所もあったけど、それも踏まえて当時の様子や景色が見られて面白かった。
    最後に「走れメロス」を持ってきたのもよかった。
    濃い太宰治汁を発散させる、跳ねるような文体は見ていて気持ちが良い、フィナーレにふさわしい。
    ただ、私も森見さんと同じでこの「正義!」っていう感じがどうしても恥ずかしく感じてしまう。
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    投稿日:2022.07.31

  • 米山

    米山

    自虐的な太宰の文章のリズムがとても心地よかった。太宰の作品は暗いものばかりだと思っていたが考えを改めた。どの作品も面白かったが、ロマネスクと畜犬談、親友交歓は特に面白かった。女の決闘なども、なるほどなあとか思いながら楽しく読める、本当に読者に向けた解説文だと思った。続きを読む

    投稿日:2022.06.02

  • たなたな

    たなたな

    太宰治の印象が変わる一冊。
    作者も編集後記で述べているが、自殺やらなにやらでネガティブで暗い印象を抱かれがちな太宰(がち、と書いたが、世間の人たちはそうではないのかも知らん)は、こんなにもユニークで、リズミカルで、面白い作品を書いているということを、この本を通じて感じることができる。そして、太宰治の、人間観察眼と、それをありありと言葉にして描き出して読み手にぶっ刺してくる表現力の凄さに感嘆する。
    森見氏の編集後記と本編とを代わる代わるに読むと、さらに味わえるのかな?とも思った。
    お気に入り?という言葉を使うのは、少し違うが、特に印象に残ったのは「親友交歓」。うへー、こんなやつ来よったらたまらんたまらん、と、もう読みながら顔をしかめたくなるような内容からの、痛烈なラスト一行。
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    投稿日:2021.02.08

  • bowwow1

    bowwow1

    このレビューはネタバレを含みます

    太宰治って、読んでると胃もたれしちゃう感じがあってなかなか好きになれない…となんとなく買ったものの手をつけられずにいた本。
    やっぱり読み終わる頃にはぐったり、胃の中が重たくなっていました。でも、本書の解説まで読んだところで、胃もたれする理由がわかったような気がしました。
    太宰さんがその過剰なほどのサービス精神でもって描き出す人間の自意識の臭さが、あまりにも卑近で強烈に共感できてしまうから、そのコッテコテの自意識のど真ん中にリズミカルな文章でどんどん押し流されてしまうから、だからこんなにぐったりしてしまうのかもしれません。
    面白かったけど、もうお腹いっぱい、しばらく太宰治作品はいいや〜という気持ちです。

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    投稿日:2020.08.15

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