【感想】月と日の后

冲方丁 / PHP研究所
(51件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
10
17
14
2
0

ブクログレビュー

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  • run

    run

    このレビューはネタバレを含みます

    NHKの大河ドラマの少し後のお話だった。道長の娘である藤原彰子の事はぜんぜん知らなかったので、平安時代の貴族の暮らしや政治の進め方、天皇との関係などと合わせて興味深く読んだ。権力争いに巻き込まれる彰子ら貴族の娘達。
    彰子は、わずか12歳で一条天皇に嫁ぐが、既に子を成している定子がいるのになぜ自分がここにいるのかと悩み、孤立無援の状態が2年ほど続く。政治の事はほとんど知らずに嫁いだため、周りで何が起きているのか把握できず、漢詩もわからないため、男たちの話している内容がわからない。彰子は誰に聞いたらいろいろな疑問が解けるのか考える。そして父の姉で、一条天皇の母である詮子ならば、と思い当たる。
    彰子が紫式部に漢詩を教えてもらうようになった時の二人の会話がよかった。ぼんやりを装っていた紫式部の本性を引き出す彰子。どうして漢詩を学びたいのか、本心でぶつかる事の大切さがよくわかる場面。
    それにしても、病や火事、怨みにより次々と人が亡くなる。平安時代に長生きの人もいるけれど、あっさり急死する人も多かったと感じた。
    淡々と大変なことを成し遂げて行く彰子の生涯、悔いなしだったろうと思う。怨まないよう怨まれないよう、すごい気を使う人だった。
    大河ドラマは彰子が主役の方が良かったのでは
    (´∀`)

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    投稿日:2024.05.02

  • ころも

    ころも

    淡々と話は進むのに主人公の心の動きがわかりやすく、楽しめた。心の動きというか、心に積み重なっていく想いを読むことが出来た感じ。
    この時代のお話はだれの視点で進むかで全く違う物語になりそうで面白い。
    だ、大河ドラマ真っ最中に読んだので、最初から最後まで実資が某お笑い芸人で再生されてしまって、笑うとこじゃないのに意味もなく笑えてしまった。破壊力すごい。続きを読む

    投稿日:2024.04.28

  • demukatsu

    demukatsu

    450ページ近い長編だが、とても面白く読めました。今年の大河ドラマと重なる題材で、エピローグ的な感覚で興味深かったです。親子、叔父叔母、従兄弟、従姉妹、兄弟姉妹、登場人物が錯綜して、家系図なくして理解不能。はじめはなんとなく間延びした展開が途中主人公の藤原彰子が国母となる事を決意してからの話の流れが面白く、あとは一気に読みました。平安時代の貴族の複雑な絡みがなかなかスリリングでした。彰子の入内から亡くなるまでの心の成長に感じ入って読み進めました。続きを読む

    投稿日:2024.04.10

  • ひとみ

    ひとみ

    このレビューはネタバレを含みます

    藤原道長の娘であり、今年の大河ドラマの主人公・紫式部が仕えた主人、藤原彰子が主人公の本作。
    入内してから亡くなるまで約80年間の人生を描いた、まるで伝記のような小説。ボリューム感満載だけど、ページをめくる手が止まらない。

    入内してしばらくまではつまらないかなと正直思っていたけれど、おばの藤原詮子から一族間の恨み辛みを聞かされてから一気に面白くなった。
    一条天皇の力になりたいからと紫式部から漢文を習い、一条天皇亡き後は国母として、宮中になるべく怨みが生まれぬよう多方面に渡り気を配る姿は、現代のビジネスマンにとって十分示唆に富むものだと思った。

    歴史の授業でもっと彰子のことを取り上げてもいいくらいなのに…ボリュームがあるので読み終えるまでなかなか時間はかかったが、また何度でも読み返したい1冊。ここ数年読んだ本の中でトップ3に入るくらい好きな作品。

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    投稿日:2024.03.31

  • オーエン

    オーエン

    幼くして一条天皇に嫁いだ、藤原道長の娘、彰子の物語。何もわからず、権力争いの駒のひとつとして天皇の妻となるも、次第に自分の立場に意味を見出す。天下泰平の為に、争い事が起こらぬように、決しておごらず、周りを見る力があることが、上に立つものに必要なのだと感じさせる良書。
    道長一族の栄枯盛衰も悲しくも、人の心は我が身勝手では幸せは続かないという教訓にも思える。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.20

  • toradesukantia55

    toradesukantia55

    藤原彰子の物語。
    父道長の姉、詮子の怨み。
    夫、一条天皇の仁政、
    父道長の野心と母倫子の思い。
    亡き定子の息子、敦康親王への思い。
    国母となり、敦成親王(後一条天皇)と敦良親王(後朱雀天皇)を支える。
    紫式部も女房として仕えた。
    糖尿病を発症した道長の最後は悲惨に描かれ、
    彰子は慎重かつ思慮深い賢后として描いている。
    娘を入内させて皇后に立てることが
    「我が世」への近道となった時代である。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.19

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