【感想】増補 日本古代文学入門

三浦佑之 / 角川ソフィア文庫
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 重度積読症

    重度積読症

     今から1300年ほど昔でも、人間の心情や行動は現代とそれほど違わないのではないかと、古代の文学を読んできた著者は言う。
     本書では、そうした観点から、記紀や風土記、万葉集、日本霊異記等の興味深いと思われる箇所を紹介していく。
     第1章の異界論では、黄泉の国でのイザナキとイザナミのやり取り、不老不死を求めての常世の国訪問、浦島子物語などが紹介される。
     以下、男と女を巡る純愛やスキャンダラスな物語、エロ、グロ的な話、親子の断絶、さらには有間皇子、大津皇子、称徳天皇と道鏡の関係などの政治史的事件を巡る物語等々が紹介される。

     関係箇所の訳文、そして著者の考察が分かりやすく示されているので、興味を持って読み進めることができるし、当時の時代状況や人々の考え方についても有意義な知識を得ることができる。

     なお、本書文庫版では、3.11そしてコロナを受けて、第5章として「揺らぐ列島、疲弊する人びと」が増補され、地震や疫病の発生、当時の困窮する人びとの苦しみなどについても紹介がされている。
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    投稿日:2023.07.26

  • miuras

    miuras

    以前だした『日本古代文学入門』の増補版です。ちょっと斜めから、古代文学を考えてみようとした本です。「異界を旅する」「女と男/男と女」「エロ・グロ・ナンセンス」「スクープされた事件」という4つの章に「揺らぐ列島、疲弊する人びと」という第5章を加えてソフィア文庫に入れてもらいました。まっとうな学者はあまり取りあげないような話もありますし、変な話もあって古代の多彩さ、豊かさがわかっていただけると思います。そして一方で、古代というのは恐ろしい世界でもあるのです(当然なのですが)。続きを読む

    投稿日:2023.01.05

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