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斎藤美奈子 / 紀伊國屋書店 (20件のレビュー)
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NDC 019 「「ベストセラー」以上「古典」未満 読書界の懐メロ=中古典を一刀両断! 一世を風靡した本には、古典に昇格するものもあれば、忘れ去られてしまうものもある──人気文芸評論家が、ひと昔前のベ…ストセラー48点を俎上にのせ、現在の視点から判定する。」 住井すゑ『橋のない川』 水平社運動に向かった少年たちの物語 丸山眞男『日本の思想』 憲法が破壊される時代への警告 中根千枝『タテ社会の人間関係』 どこが名著かわからない 庄司薫『赤頭巾ちゃん気をつけて』 東大受験生の明るい屈折 土居健郎『「甘え」の構造』 幼児的依存を体現した書 山崎朋子『サンダカン八番娼館』 ルポライターとからゆきさん 小松左京『日本沈没』 天変地異の大盤振る舞い 鎌田慧『自動車絶望工場』 大企業を敵に回した果敢なルポ 片岡義男『スローなブギにしてくれ』 疾走するハードボイルド 山口百恵『蒼い時』 伝説のアイドルの「闘い」の書 浅田彰『構造と力』 ポストモダンって何だったの? ホイチョイ・プロダクション『見栄講座』 うわべで勝負の最強レジャーガイド 渡辺淳一『ひとひらの雪』 不倫にのめった中年男の夢と無恥 村上春樹『ノルウェイの森』 過剰な「性愛と死」があなたを癒す etc……続きを読む
投稿日:2023.11.20
snow222
[図書館] 読了:2022/9/19 昔ほど抱腹絶倒って感じじゃなくなっちゃった…原発とか政治色が強くなってきたからかなぁ…
投稿日:2022.09.19
debuipipi
60年代からのベストセラーを読み直し. 「されどわれらが日々」「二十歳の原点」「ルンルン買っておうちに帰ろう」「なんとなくクリスタル」など懐かしの本が並ぶ.私は無神経なのですぐ男性視点でいろいろなこと…を語ってしまうので,著者の女性視点が新鮮.「青葉繁れる」なんていうのはもうこの時代に生きられない小説なんだな.続きを読む
投稿日:2022.08.29
わっさん
本書で取り上げられた著作で読んだことのあるのは、高野悦子「ニ十歳の原点」・片岡義男「スローなブギにしてくれ」・森村誠一「悪魔の飽食」・村上春樹「ノルウェイの森」・吉本ばなな「キッチン」。その他読んだ事…は無いが、名前は知っている著作は多かった。 以下、引用 ●中古典とは中途半端に古いベストセラー(中略)小説、エッセイ、ノンフィクション、評論など、本の種類は雑多である。ただ、48冊を年代順にたどっていくと、繰り返し登場してくる「お決まりのジャンル」がいくつかあることに気がつくはずだ。 ●若者たちの生態を映す青春小説 ●「自立の時代」の女性エッセイ ●反省モードから生まれた社会派ノンフィクション ●懲りずに湧いてくる日本人論 ●中古典をいまも読む価値はある?(中略)中古典の時代と現在は、地続きのようで、隔たりも大きい。特に異なるのは経済状況だ。バブル崩壊後、日本経済は長い低迷の時代に入り、デフレ不況が続いて雇用が悪化。「一億総中流社会」は「格差社会」にとって代わった。冷戦が終結し、世界情勢も東アジア情勢も変わった国内政治も二転三転し、2012年末には改憲を悲願とする第二次安倍晋三政権が発足。長期政権の下で政治への信頼は低下し、民主主義の危機まで叫ばれている。20世紀に比べれば人権意識が上がった反面、負の歴史を封印する動きが加速し、インターネットの普及で、出版界も苦境に立たされている。続きを読む
投稿日:2022.03.05
shu1rev
ベストセラーとは、その時代を残酷なまでにうつし出すものだな、と思った。著者の言う古典になる前の中古典。時間的にまだそこまで遠くないというだけに、おぼろげながらでも、その時代と切り離して考えることができ…ないのだ。昭和って、俺子どもだったけど、覚えてることあるものなぁ。 遠藤周作の『わたしが・棄てた・女』とか、井上ひさしの『青葉繁れる』とか、その他の作品も、昭和の青春ものって、女性蔑視が激しく、しかもそこでとられる行動が、女性を下にみているという認識がない。それだけにたちが悪く、かつ今からみると阿呆にみえる。そのあたり、斎藤氏の筆致は相当に手厳しい。意外なことに俺の高校時代、「フランス書院かよ」と友だちとゲラゲラ笑いながら読んだ「ノルウェーの森」についてはポルノ的な描写は多いとしつつも、女性蔑視とはしてなかった。 『桃尻娘』『窓際のトットちゃん」『兎の眼」など、タイトルだけは知ってるし、持ってる本もあるけど、読んでない。いずれ読んでみないといけないな、と思えたね。 レビュー本として、実際に手に取ってみようと思える本もあり、文章が面白いだけでなく、実用的な本でもあったな。続きを読む
投稿日:2022.02.20
イケダケンジ
この世のすべての本を1人で読むことはできない。 だから、読むべき本はしっかり選ばないといけない。 とはいえ、有名な古典を読むべし!といわれても、もうすっかり価値のない本だってあるはずだ。そこをしっかり…評価してくれる本書は貴重なガイドだ。以前、福田和也氏が書いた「作家の値うち」のような。 著者のいう「中古典」とは、「古典未満の中途半端に古いベストセラー」とのこと。その射程はいかほどだろうか。客観的な価値としての名作度と、主観的な使える度の二つの指標で紹介していく。 未読で気になったのは「橋のない川」「日本沈没」「自動車絶望工場」「スローなブギにしてくれ」「悪魔の飽食」あたりかな。 青春小説をばっさりやってしまう手際も見事だ。「若くして死んだ女を生き残った男が回想する」という日本文学が伝統的に採用してきた物語のパターン(p49)などと。野菊の墓、風立ちぬ、セカチュー、そして「ノルウェイの森」・・・。読まなくていい本が分かるのも、本書の素晴らしいところだ。時間を無駄にせずにすむ。続きを読む
投稿日:2021.10.19
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