【感想】拒食症・過食症を対人関係療法で治す

水島広子 / 紀伊國屋書店
(18件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
8
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2
1
0

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  • くぼ

    くぼ

    ★気持ちを表現するということ
    →直接的に言い方を考える
    ・問題は仕事を続けるかやめるかではない
    「母が働いているということよりそのものより、いつも疲れているから相談ができない、忙しいから私の話を聞いてくれない、ということの方がずっと寂しかった」母親の生き甲斐である仕事までやめさせてしまったら、罪悪感がさらに強まる。
    ・過食は対人コミニケーションからくる
    ・わがままと言わない
    ・生まれつき決まっている四つの因子
    遺伝的な影響を強く受ける→冒険好き、心配性、人情家、ねばり強さ
    環境的な影響を強く受ける→自尊心、協調性、精神性
    ・自尊心を決めるポイント
    1 存在そのものを肯定されるか
    2 努力を正当に評価されるか
    3 自分なりの試行錯誤が許されているか
    4 自分の意見を表現することが尊重されているか(わがままとはい言わない)
    ・冒険好きは刺激を好むため、アルコール依存症、性的逸脱にある
    ・冒険家は自由に行動したいのにそれにブレーキをかけられるのもストレス
    ・過食はストレスの高さを示すものであると同時に、現在何とかバランスを取るための自己防衛本能
    ・対人関係は「相手への期待」と「コミニケーション」で成り立っている
    ・問題のあるコミニケーション
    ★あいまいで間接的な非言語的コミニケーション
    不必要に間接的な言語的コミニケーション
    自分の言いたいことは伝わったという思い込み
    自分が理解したという思い込み
    沈黙
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    投稿日:2024.05.11

  • shion

    shion

    摂食障害と診断されて1年。主治医の先生からの勧めで読んだ1冊。病気についての理解とその支援のあり方が書いてある1冊だった。この本を読んで私は初めて対人関係療法という言葉を聞いた。治すことが難しいと言われる複雑な病気。それの解決策の1つとして言われてることを初めて知り、私の知らないところでもたくさんの方法があるんだなと思った。私はこの本を読んで対人関係療法などの心理療法を研究したいと思った。今まで臨床だけできたらいいと思っていたがこの本は臨床だけでなく研究への興味を持たせてくれる1冊であった。この病気をちゃんと克服していつかは支援者側に立つことを夢見て頑張ろうと思える1冊。出会えてよかった。続きを読む

    投稿日:2024.03.05

  • chika.

    chika.

    摂食障害の治療においては対人関係を築き直すことが土台にあると強く思った。患者本人も認識していないモヤモヤを解きほぐし安心感を抱かせることが一番の治療である。「摂食障害のあの人たち」というように患者さんをどこかの奇人のように捉えた記述ではなく、一人一人の患者さんの苦しみを尊重し常に患者さんが一番辛いのだという考えを揺らがせない水島先生には心を動かされた。続きを読む

    投稿日:2023.03.03

  • ignacio

    ignacio

    困っていることは摂食障害そのものではなかったのですが、摂食障害になってももおかしくない不安定な状態で模索しているときに、何か説得力のある解説を見つけた気がしました。元通りになる、のではなくて、元通りでは苦しかったのだから病気をきっかけにもっと生きやすく成長できることを目指すのは、気持ちが明るくなります。続きを読む

    投稿日:2022.07.29

  • れさん

    れさん

    摂食障害の本は学術的なものも多くて、
    なかなか事実や何がどう起きてるか、治療法について詳しく書いてる本に出会えなかったけど、これは本当にわかりやすかった!
    私が何も考えずいつもしてる「食事」が、こんな風に誰かを苦しめることもあるんだと思った。。
    重要な他者との関係性、性格の詳細、ジェンダーによる問題、いろんなことが複雑にからまりあってるからこの領域は治療も長期になるんだな、、、
    続きを読む

    投稿日:2022.05.29

  • こくん

    こくん

    ・過食症(恐らく他の依存症も)の原因は、「身近な重要な他者との対人コミニュケーションの問題」である

    ・なので、重要な他者との対人コミニュケーションを改善し対人ストレスを改善する事で、依存症は改善でき

    ・つまりは愛着障害や複雑性PTSDから併発される症状である。
    なので、対人関係療法をする事で、複雑性PTSDの諸症状のいくつかは、依存症以外のも多少和らぐと予想される。

    ・方法としては、重要な他者に
    ・症状を秘密にせず、打ち明け、説明して、治療の協力を頼む
    ・良くないコミニュケーション方法に気付き、それをやめる
    (明確で直接的な言葉で表現しない。無視、不機嫌、依存行為など間接的な方法でストレスを受けてる事を伝えたり、対処する。伝わってると思い込む。)
    ・自分の思っている事、伝えたい事に気付き、それをなるべく直接的でそのまま伝わる言い方で、相手に伝える。難しい場合は、LINEや手紙などで。





    ・逆に、症状だけ見てたり、症状だけを抑えようとしても原因はそのままなので当然治らない。
    無理して抑えても、再発するか、他の依存症になるだけ。

    ・なので、依存行為はストレスへのコーピングであり、必要なものである事を認識し、それをする事を自分に許可する。
    行為をする事や自分を恥ずかしい、駄目だ、などと思わない事が大事。

    ・継続的で習慣的な対人ストレス(を感じる生き方、伝え方、関係、言えない状態)がなくなれば、当然症状は良くなっていく。

    ・依存行為は一度身についた対処法なので、たまに再発しても気にしない。それが起きたり、連続してる原因となるストレスはどこにあるのか?を考えて、そこに対処する。

    ・依存症になりやすい遺伝的な性格特性は、「冒険好き」(アクセル)で、「心配性」(ブレーキ)の人である。

    ・依存症は、アクセルを踏みたいのに、心配な事やストレスのせいでブレーキが強くかかっていることによって、刺激的な行為でそれを補うために行っていると考えられる。

    ・なので、ブレーキよりもややアクセル優位な状態にしてあげる事で治療できる。

    ・それには、必要なとことは、
    対人での心配事(言えない事、抑えてる事)のストレスを解消する。
    思っている事を言ったり、したりできるようにする。
    不安でできない事に対しては認知行動療法などで事前に予測と対処を練ってから試す事で、慣れていく。
    上手くいけば対人関係の挑戦自体が、良い刺激になって冒険心が満たされる。
    それ以外のやってみたい事などにも心配性である事を理解してサポートしつつもとにかくやって、そこで健康で楽しい刺激を得る。

    ・自分の性格特性を理解して、長所と弱点を理解して、上手く活用したりサポートしていく事が大事。
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    投稿日:2021.10.03

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