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樋口美沙緒, 街子マドカ / 花丸文庫 (2件のレビュー)
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komopy
3年ぶりのムシシリーズ第9弾。 今回はシリーズ5作目『愛の本能に従え!』で主人公たちを悩ませる、悪い上級生だったハイクラスの黄辺と志波がメインです。 黄辺の初恋で、叶わなかった恋の相手で、身体の関係だ…けあった志波と六年ぶりに再会するところから話が始まっていて、いわゆる再会もの。愛するとは何か?愛とは何か?という根本的な問いを投げかけられました。 わかっているようでわからないのが愛… その普遍的なテーマを、センセらしさ(ムシらしさ?)あふれる筆致で描き切っていて、すごく心に響くものがありました。…すごくよかった。 志波はとても身勝手で残酷な性格なのかなと最初思ったんだけど、実はデリケートで優しさもある男なんだなと読んでいる途中で気がつきました。 ただちょっと自分に対して厳格で、愛というもののカタチを決めつけ過ぎてるのかな~と思ったり。 対する黄辺は、器用に生きてるけど内面は不器用のかたまり。愛もうまく表現することができないから悪い方に考えがちで色々抱えこむタイプ。 簡単に言えばこじらせてる同士…でも、そこからお互いに本音を言い合って相手の心を見つめなおす、その過程がすごく良かったし胸がいっぱいになりました。 大人になった二人だからできたことなんだなと思いました。 黄辺の一途で切ない気持ちが最後の最後に報われて本当によかったです。愛の形はそれぞれだと思えたし、二人がそれで幸せならばそれが正解、確かな「愛」なんだなとも思いました。 いい作品読めて幸せでした!続きを読む
投稿日:2021.08.31
hitsujimaru
「愛」ってなんだろう。「幸せ」ってなんだろう。樋口先生がライフワークのように突きつけてくるテーマだと思う。 ふわふわして甘いもの。を、フィクション世界(特にBLだし)に求めて癒されたくて本読んでると、…どすん!とカウンターくらう感じ。 初めが辛くても、最後は甘…とかない。 最後まで志波さんは「自分は愛することが出来ない人間」だと思ってるし、黄辺さんに「愛してる」とか言わない。 志波さんは愛せないと言うけど、じゃあ彼にとって愛の定義ってなんだろう。って思うと、黄辺さんの思いとか行動なんじゃないかなって思う。 所謂頭で理解する「愛とは」とは別に、体感として。 でも、黄辺さん以外にも志波さんを愛してる人はいたはず。お兄さんとか、大和さんとか、娘さんの存在とか、あるいは友人たち。 だけど志波さんが自分が持ち得ない愛する、ということ、の定義を黄辺さんに見いだす、って言うこと自体が、志波さんが黄辺さんを愛してるってことじゃないのかなって思う。 自分の定義の枠から外れてるから「これは違う」って、志波さんは思うかもしれないけど。 そもそも、樋口先生が必ずしもひとがひとを「愛す」ことが絶対ではないんじゃない?って問いかけてる気がする。 彼らには彼らのかたちがある。 だけど同時に、誰しもが「愛の循環の中にいる」とも伝えてくれてる気がする。 自分はそこに入れてない、孤独だ。と感じる事があっても。親切や誠実さ、すれ違いざまの気遣いであっても、それも愛じゃない?って。 苦しみながら、黄辺さんは、志波さんを愛してる自分を受け入れた。愛することはハッピーなことばかりではなく、むしろ罪悪感や絶望を感じ何度も突き落とされるかもしれなくても。それすら受け入れてしまった。 その、もがく様をつぶさに見させてもらって、この人すごいな、って思う。(語彙(..)) 志波さんは、黄辺さんを「一番きれいなもの」だと思ってる。それは言い換えれば愛なんじゃないかなあ。 大切だし、でも怒らせたり傷つけたりして黄辺さんの感情を揺らしてみたくなったり。世界中を巡っていても黄辺さんのことを思い出したり。 全てに置いて退屈そうで生きる気力を失ってたような志波さんが、最後には生き生き輝いた瞳をしている。そんな瞳をさせることが出来る黄辺さん。 所謂ラブラブじゃなくても。未だに理解不能な感じでも。生きててよかった、ここが自分の居場所だ、って思えるところを見つけられて良かったなあって思う。続きを読む
投稿日:2021.07.06
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