【感想】チョウはなぜ飛ぶか

日高敏隆 / 岩波少年文庫
(8件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • まく

    まく

    アゲハチョウはなぜその様に飛ぶのか?という疑問から始まった研究。観察、考察、実験、失敗を繰り返し新たな疑問がまた湧いてくる。その過程をこの本ではユーモアを交えて非常にわかりやすく書かれていて、探究心を持ち続ける大切さを教わることができた。

    巻末のエッセイも素晴らしくて日高先生の言葉に感銘を受けたので子供の頃にこんな本に出会えてたらよかったのにと思った。
    舘野鴻さんの後書きでは面白くて大好きな『うんこ虫を追え』(たくさんのふしぎ)の制作途中であると書かれていたのも楽しく読んだ。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.25

  • mizino

    mizino

    動物行動学の本でありながら、どこかミステリのようなワクワク感を伴う本。解説の舘野鴻さんも言う通り、日高先生を主人公とする物語が、内側に展開していく。そして、謎解きを楽しみにしていると、まさかの結末を迎える。それこそが、生物研究のリアリティなのだろう。また、表題作とエッセイのコントラストも良い。45歳の著者と、75歳を過ぎた著者の視点の違いと変わらないところが、寄り添っているように見えた。虫好きの人は勿論、生物の授業がつまらない人にお勧めしたい。ただし、研究の為とはいえ蝶を殺す描写が非常に多いので、注意。続きを読む

    投稿日:2023.12.17

  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    「小学生のころ、ぼくはおもしろいことに気がついた。どうしてアゲハは同じ道を飛ぶんだろう? 少年はやがて研究者となりチョウの行動のふしぎを解きあかしていく。なぞを追って、世界を知るのはたのしい。動物行動学者が夢中で調べて見たこと感じたことを、失敗談もまじえて子どもたちに語る。【装画・解説=舘野鴻】」続きを読む

    投稿日:2023.05.10

  • daifukuomochi

    daifukuomochi

    題名から飛び方とか仕組みの本なのかなと思って読んだが想像とはちょっと違ってた
    チョウ道のことは知らなかったのでおもしろかった
    うちにもベランダにレモンの木があって、数年前から春にアゲハの芋虫がつくようになったのだけど、屏より背の低いレモンの木にどうやって気がつくんだろう?ととても疑問だったので、そういうチョウ道から見えたか若葉の匂いがしたのかなと読んでてすこし納得できた続きを読む

    投稿日:2023.01.24

  • mario3

    mario3

    このレビューはネタバレを含みます

    今年はあまり岩波少年文庫を読んでないな、と反省し、ちょっと気になっていたこの本を借りてきた。

    動物学者である日高氏による、モンシロチョウとアゲハチョウの飛びかた、メスの見つけ方、卵をうみつける植物の決め方など。
    虫は目がいいんだなあと驚いた。

    もとは70年代に出された本らしい。
    そこに短いエッセイ二編を加えて新たに岩波少年文庫から出されたもの。

    チョウのメスを表す「彼女は」という言い回し、愛情があって良いなと思う。
    チョウの羽をむしったり、○したり、はあるけど、まあそれはもちろん実験のため。

    ネタバレ?なのかもしれないが、いろんな仮説をたててチョウの行動を実験していくが、最後まで読んでも真相はわからない、というスタイルなので、昨今の科学番組やマンガに慣れた身としては新鮮だった。
    エッセイは教育、科学、言語への学び、戦争のなかの学生生活の思い出など。
    著者の学術的好奇心に感心。
    子供のときから、チョウが同じ場所から現れ、同じところしか飛ばないことに気づいていたのも素晴らしい観察力。
    昔の東京は世田谷でも田舎だなーー。

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    投稿日:2022.10.24

  • デビ丸

    デビ丸

    学ぶことは、本来楽しいものである。ということを生き生きと語ってくれる本。
    小中高のつまらない授業とは全く違う、本物の実験が学べます!

    必ず答えがある学校の実験とは異なり、何度も何度も失敗と発見を繰り返しながらも、答えに辿り着かないまま終わる本の中の実験には衝撃を受けました。

    チョウには決まった道があるのではないか?という1つの仮説が多岐にわたる実験と、思いもよらぬ発見を生み出していく様は、人間の知りたいという気持ちにどれだけのエネルギーが込められているかということをまざまざと感じさせてくれます。

    時に学校に反発しながらも、学ぶことの楽しさを見失わず、自学を続けた著者。
    その姿を倣って、自分も知りたいという気持ちを見つけ、育んでいきたいと切に思います。
    続きを読む

    投稿日:2021.02.16

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