【感想】音のない世界と音のある世界をつなぐ ユニバーサルデザインで世界をかえたい!

松森果林 / 岩波ジュニア新書
(10件のレビュー)

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  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

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    刊行日2014/06/20
    「10代で失聴した著者は,周囲の無理解や偏見に悩みながらも,健聴者と共に生きる社会をユニバーサルデザインのコンサルティングを通じて模索してきた.生活用品から公共施設,さらには情報のUD化まで幅広く手がけるのは,誰もが暮らしやすい社会にしたいとの一念から.UDの今を知るだけでなく,理解を深めるのに最適の一冊.」

    松森果林(まつもり・かりん)
    1975年,東京都生まれ.ユニバーサルデザインコンサルタント.小学4年で右耳を失聴,中学から高校にかけて左耳の聴力も失う.筑波技術短期大学デザイン学科卒業.在学中にTDLのバリアフリー研究をしたことがきっかけで「ユニバーサルデザイン」が人生のテーマとなる.オリエンタルランドなどを経て独立.NHK・Eテレ「ワンポイント手話」出演,「ろうを生きる難聴を生きる」司会.「井戸端手話の会」主宰.著書に『星の音が聴こえますか』(筑摩書房),『誰でも手話リンガル』(明治書院),共著に『〝音〟を見たことありますか?』(小学館),『ゆうことカリンのバリアフリー・コミュニケーション』などがある.


    はじめに
    プロローグ ここは手話カフェです

    第1章 静かな大惨事―音のない世界から
    震災から見えたこと/障害者の死亡率/「今,何が起こっているの? どうしたらいいの?」/「危険」が聞こえない,ということ/「生字幕」に対応したテレビ局/テレビの字幕とは/だれに対しての手話通訳か?/停電は聴覚障害者のコミュニケーション手段を奪う/「コミュニケーション障害」と「情報障害」/そのとき被災地の聞こえない子どもたちは/佐々木主磨君の体験/千葉優美さんの体験/三條万里さんの体験/三人の体験から考える/だれもが安心して暮らせるユニバーサルな社会とは

    第2章 音のない世界から見た社会
    「音のある世界」と「音のない世界」/情報は目から入ってくる/「?」を「!」に/聴覚障害とは?/聴覚障害の種類/聴覚障害の表記のいろいろ/聴覚障害の程度/身体障害者福祉法における聴覚障害者/コミュニケーション手段/音を教えてくれる聴導犬/情報保障とは? コラム・手話通訳になるためには

    第3章 ユニバーサルデザインで世界をかえたい
    「普通」って何? 自分らしさって何?/少しずつ聞こえなくなる/11歳の決心/皆と同じように/聞こえるかどうかテスト/やっぱり「聞こえない」/聞こえないことは外見ではわからない/何でも話せるたった一人の友だち/そして全ての音が消えた/目標が見つかる/「自分らしさ」をつくりあげていく/ユニバーサルデザインとの出会い

    第4章「聞こえない」と「聞こえる」をつなげていく
    「共用品ネット」で広がる世界/新しい体験/ママたちの井戸端会議が「井戸端手話の会」へ/気が付けば医師の上にも十数年/子どもたちにも広がるユニバーサルデザイン思考/手話通訳がつなげてくれる二つの世界/講演で「伝える」/書いて「伝える」/本が私に伝えてくれたこと/「うれしい」「楽しい」「面白い」が原動力

    第5章「私だからできる」を仕事に
    「聞こえないこと」が強み/当事者の実体験を提案する/ワサビの臭いで火災を知らせる!/羽田空港新国際ターミナルのユニバーサルデザインにかかわる/広いスペースとわかりやすいアクセス,そして見やすいサイン/トイレいろいろ/世界初のステップレス搭乗橋/情報を視覚で得る人のために/フライトインフォメーションボード/トイレのフラッシュライト/エレベータの聴覚ボタン/筆談ボード・コミュニケーション支援ボード/頼もしいコンシェルジュ/テレビ電話による手話対応サービス/違いを乗り越える/CMにも字幕を!/あきらめずに発信を続ける/「できない理由」ではなく「できる方法」を見つける/ついに国が動き出した/日常のアクシデントをチャンスに変える/一〇〇回ダメでも一〇一回目はうまくいくかも!/ユニバーサルデザインを広げていくために/仕事を助けてくれるツール/テレビ出演でつながる/疲れたら休もう

    主要参考文献・資料
    おわりに
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    投稿日:2023.03.12

  • m.okuda

    m.okuda

    「周りの人といかに折り合いをつけながら、生きていくのか。」
    障がい者、健常者問わず、常に課題となることだが、
    この本にはその解決のヒントがあるように思った。

    私は昔から、
    「お年寄りと子供(または弱い立場にある人)にやさしい社会は 全ての人にとって 生きやすい社会だ」と考えているが、
    この本を読んで、改めてその考えは間違っていなかったと感じた。
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    投稿日:2022.08.28

  • 百子

    百子

    聴覚障害の人の不便さを初めて知った。
    気にしてないと分からないことだらけだなー。自分の鈍感さにも反省。
    音声案内のみでは情報から取り残されてしまうし、まして震災時・災害時は命に関わる。
    「CMに字幕を」、「聞こえなくても東京ディズニーランドを10倍楽しむ方法」、他にも会議、電話通訳。聴覚障害者のニーズがあるのにこれだけ取りこぼしていたのか。
    著者の言う通り、音が聴こえないだけで不便を感じる世の中であってはならない。

    出来ない理由を考えるのではなく、出来る方法を考える大切さを強く感じた。
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    投稿日:2020.07.26

  • モリケン

    モリケン

    「自分にとっての「当たり前」が、相手のそれと同じとは限らないということです。あなたの「当たり前」と、相手の「当たり前」は違うかもしれないのです。」

    投稿日:2018.06.01

  • skoichi

    skoichi

    言われてみたら当たり前だけど気づいていないことがとても多いと再認識させられました。すごく分かりやすくて感心の連続。

    投稿日:2015.05.31

  • candra

    candra

    羽田空港国際ターミナルのユニバーサルデザインについて。ガラス張りの透明なエレベーターはただお洒落なだけではなく、聴覚障害者にとっては、音声情報がない中でエレベーター外の情報を入手できる手段となる。さらに、縦縞のデザインフィルムを貼ることで、弱視の人が誤って壁にぶつかることも防止している。続きを読む

    投稿日:2015.05.02

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