【感想】ひとつむぎの手(新潮文庫)

知念実希人 / 新潮文庫
(99件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
38
47
9
2
0

ブクログレビュー

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  • なえーん

    なえーん

    平良先生のような実直な生き方の人でも、赤石教授のような権威や実力がある人でも、人は必ず得られるものと失うものの両方が存在するのだということに気付かされた。自分にとって必ず得たいもの、絶対に失いたくないものはなんだろうと、考えるきっかけになった。

    とてもリアルにテンポよく話が進むので、感情移入しやすく、小児病棟でのやりとりや、平良先生の家族の話では、電車で読みながら涙が出そうだった(というかたぶん出てた。笑)

    若い頃、大学病院の医局秘書をしていたが、正直医局の外(実際の病棟業務)のことは殆ど知らなかったので、自分のやっていた雑務も、患者さんの命に繋がっていたのだと今さら気づき、その重さに感動したような、肝が冷やされたような、、、(笑)

    とにかく面白かったです!
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    投稿日:2024.04.12

  • Kaori

    Kaori

    大学病院ってこうだったよな、と懐かしく思いながら読んだ。
    昔ながらの悪しき風習が渦巻く大学病院。
    その中でも真面目に、素直に、純粋な意識を持って努力する人がいる。
    現実では難しいかもしれないが、努力する人が報われる場面には安堵した。続きを読む

    投稿日:2024.03.10

  • きじお

    きじお

    面白かった。

    真面目に頑張ってれば、見てる人はしっかり見てるしそのうち報われるよね。
    終わり方も良かったし、諏訪野が登場しているのも良かった。
    祈りのカルテで研修医立ったのに立派になったなぁ。

    投稿日:2024.03.08

  • sam

    sam

    9年目の心臓外科医が主人公。大学病院で激務をこなす毎日だが、魅力的な出向先をエサに研修医3人の指導を引き受ける羽目になる。
    研修医それぞれとの関係に苦労している最中、病院に怪文書が送られてくる。さらにその犯人探しを依頼されつつ、心臓外科医、ひいては医師としてどうあるべきかに気づいていく。

    主人公がとても不遇で気の毒になる。主人公自身の人間的に未熟なところもあるが、そこにつけ込まれたりで、身動きが取れない。
    とは言え、損得を考えずに患者に真摯に向き合うことを貫き、そしてそれが人徳や人望につながっていくのは多少救われる。が、大学病院としては評価されないのはなんともやるせ無い。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.08

  • ぴろりきん

    ぴろりきん

    知念さんの作品の中ではミステリー要素は少なく医療要素がかなり多い印象。(他作品全部読んだわけではないが。)専門用語が多いので若干想像が追いつかない内容もあったとは思う。
    それでも主人公の平良先生をはじめ研修医3人のストーリーがとても魅力的で、最後の方は感動した。

    肥後は最後までクズだった。
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    投稿日:2024.02.22

  • ますたぁ

    ますたぁ

    心臓外科医になりたい中堅医師の岐路の物語

    以下、公式のあらすじ
    --------------------
    大学病院で過酷な勤務に耐えている平良祐介は、医局の最高権力者・赤石教授に、三人の研修医の指導を指示される。彼らを入局させれば、念願の心臓外科医への道が開けるが、失敗すれば…。さらに、赤石が論文データを捏造したと告発する怪文書が出回り、祐介は「犯人探し」を命じられる。個性的な研修医達の指導をし、告発の真相を探るなか、怪文書が巻き起こした騒動は、やがて予想もしなかった事態へと発展していく―。
    --------------------

    医療、ヒューマンドラマ、ミステリ要素それぞれのバランスがいい
    素人にも分かりやすい医療知識レベル、医療の中でも特殊な事情、医療業界の世間とのズレ
    「こんなお医者さんがいたらいいな」という理想的な姿
    そして怪文書の犯人とその意図のミステリ

    医療ものの小説だと、海堂尊や夏川草介なんかを読んでいるけど
    知念さんは想定する読者を幅広い層にわかりやすく、とっつきやすく向けて書いている気がする

    ミステリ要素として
    教授の不正論文を告発する怪文書の犯人は誰か?
    怪文書の内容は真実か?
    差出人の目的は何か?

    物語の本筋として、平良先生の出向先はどうなる?
    研修医三人を入局させられるのか?
    最初に作ってしまった壁をどう崩すのか?
    それぞれの抱える目標や事情とは?
    怪文書の犯人を突き止められるのか?

    平良先生の人となり
    肝心なところで震えてしまう手
    中指の節の事情
    何故心臓外科医になりたいのか?


    大学病院というところは難儀なところですよねぇ
    臨床、研究、教育と、どれか一つは相反する要素を全て満たさなければいけないという矛盾
    そのために犠牲になるのは医局の中堅どころというね
    さらに、心臓外科は技術の一極集中が起きやすい分野という事情


    研修医三人の翻意
    男たちは自分の目標とする姿の上位を平良先生に感じて好意的な態度になるのは簡単すぎだろと思いつつもまぁ納得

    でも、宇佐美さんは危ういと思う
    平良先生の指導を受けて自分の過去に向き合い乗り越えたかのようになっているけど
    本当に過去と一線を引けたのか怪しいものを感じる


    本筋としては、読者目線では平良先生が心臓外科医として大成して欲しいと願いつつ読んだわけだけど
    結局はああいう結末で
    本人としては色々と思うところがあるのではなかろうか?
    赤石教授の本音と意図はわかるけど、読者としてはどうしても主人公を応援しちゃいますよねー
    まぁ、医療全体や患者目線で言えば全体最適な配置なのでしょうけど
    続きを読む

    投稿日:2024.02.05

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