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ジョン・コナリー, 田内志文 / 東京創元社 (15件のレビュー)
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総合評価:
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さんちゃん
お気に入りの1冊になった。 タイトルのキャクストン私設図書館のシリーズが2つと失われたものたちの本のスピンオフが1つ、裂かれた地図書というシリーズが5つ入っている。 キャクストン私設図書館は本の登場…人物たちが暮らす施設。 物語に対して誰しもが「この本の結末がもっと〇〇なものだったらいいのに」、「この本のこの部分はもっとこうした方が素敵なのに」みたいに思ったことが少なからずあると思うんだけど、ジョン・コナリーにも同じようにそういう感情があったんだろうなと思う。 物語に対する愛が伝わってくるしもし世界のどこかにこんな場所が本当にあったらと想像すると楽しくなる。 読んでいてなんとなくどんよりした天気の風景や埃っぽい部屋が浮かんでくるけど雰囲気は明るいと思う。 一方裂かれた地図書はかなりダークだし少しホラーも入っている。グロ苦手な人は要注意かもしれない。 この物語は「分からないということを楽しむ」というのが好きな人(少なくとも苦手ではない人)は楽しいけど、そうではない人にとっては読んでて苦しいだろうなとも思った。 結局どういうことは私もよく分からなかったけど次は何が起こるんだろうというワクワクや真相に1歩ずつ近づいているかもしれないという高揚感があり読んでて楽しかった(こういう好奇心旺盛な人はきっとあの世界では危険通り越して悲惨な目に遭うと思うけど) あんまり詳しくないけどクトゥルフ神話みたいな要素も感じた。そういうジャンルのものやオカルト系の話が好きな人にとてもおすすめ。 失われたものたちの本のスピンオフは、これもまたグロ注意だけどあの登場人物のちょっと意外な一面というか発言が見れて楽しく読めた。続きを読む
投稿日:2024.03.04
アガサ
「失われたものたちの本」から入った私にとって、「裂かれた地図書」はダークファンタジーの面白さを確固たるものにしてくれた。 本にまつわるお話ばかりなので本好きにはたまらない一冊だった。 あとがきの「本と…いうものを一つの宇宙として捉えるコナリーだからこそ」という言葉の通り、本の持ついろんな特性を味わえる本だった。続きを読む
投稿日:2023.12.17
文音こずむ@『はじめての』文芸部1期生
この言い方は好きでは無いが、本好きにぜひ読んで欲しい中短編集。ホームズのように登場人物が実在化して図書館に住む、そんな図書館が日本にあるのなら、誰が住むだろう?そして裂かれた地図書、この話が比喩だとし…たら……続きを読む
投稿日:2023.11.08
unicorned
これは4編の話からできており、その内の1つ「裂かれた地図書―五つの断片」が異常に長く且つ読みにくい。 これがなければ通常の評価星4つにするところだが。 この本を読む方は「裂かれた・・・」を飛ばして…読むことをお勧めします。続きを読む
投稿日:2023.09.06
白いヤギと黒いヤギ
「失われたものたちの本」の著者による中編を集めたのが本書。タイトルの"キャクストン私設図書館"を舞台とした2編で他の作品がサンドイッチ状に挟み込まれている構成。内容はいずれも不条理でダーク。何が真実で…何が虚構なのか分からない混沌とした世界が描かれる。今風の"分かりやすさ"を求めるなら無駄です。「アンナ•カレーニナ」や「シャーロック•ホームズ」にも精通しているといいのでしょうが、どちらも私好みではないんだよなぁ。よって⭐︎二つとしました。続きを読む
投稿日:2023.08.29
shu1rev
本好きに贈る作品集とあるけど、本好きじゃなかったら、ちょっと楽しみが減っちゃうかなぁ。俺自身、一時小説から離れていた時期があって、そういうときに本書を読んでいたら、「他に読むべき本があるんじゃないか…」と思って、やめていたかもしれない。この本を読んで、何かの役に立つというわけじゃない。読後、かしこくなるわけでもないだろう。ただ、読んでいる最中、楽しかったんだよね。なんか、物語に浸りきる喜びを味わった気がする。 キャクストン私設図書館という図書館にまつわる中編2つに、他の話が挟まれている形になっている。 本の大部分を占める『裂かれた地図書ー五つの断片』というのは、たぶんいわゆるクトゥルー神話の系譜に入る物語だろうね。時代も微妙にずれることもあったけど、裂かれた地図書をめぐる5つの物語が続いていく。本によって、世界が再構成されるというホラーというか、オカルトチックな本。こういうド直球のホラーの、しかも海外翻訳ってあんまり読んでなかったし、そもそもクトゥルー神話の関係ってほとんど読んでなかったんだけど、それでも引き込まれた。続きが気になって、読んで行ってしまうんだよね。読み終えて、どうこうという話じゃないんだけどさ。なんか、本に魅入られるということ自体が、この物語の魅力なのかもしれない。 キャクストン私設図書館というのは、本の中の人物たちが闊歩する図書館の話だ。どこかユーモラスで、また読みたくなる。 ジョン・コナリーの本ってあまり翻訳されていないようだけど、こういう系統のものをもう少し読んでみたいな。続きを読む
投稿日:2023.08.19
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