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阿部直美 / 岩波書店 (19件のレビュー)
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lacky
もともと著者夫妻の「おべんとうの時間」のファンで、こちらのエッセイも素敵に違いないと思って手に取った。 幼少期〜おべんとうの連載が軌道に乗るまでの著者の半生が語られている。両親の話、留学の話、夫と娘…の話、、どれも淡々と語られているけど、すごく刺激的で、なぜか心に刺さりまくった。そして、決して飾らず、すべて「いい話」にきてしまわない姿勢が、より私に感情移入させてくれた。読めてよかった。 ・想像以上にアグレッシブな生き方で素敵だった。家庭環境や生い立ちを言い訳にせずに、留学に、転職に、今の仕事に…と自分の手でチャンスを掴みにいっているのがかっこいい。 ・留学による収穫がなんと大きいことか、、それも現地で受け身にならず、ちゃんと、もがいた結果だとも思う。 ・そのときは未解決のまま終わっていても、時間が経てば自然に理解して、受け止められることもあるんだな。キムとお互いに思いをぶつけ合っても、その後の生活は完全修復とは行かず距離のありまま。数年後、お互いきっと色々経験して大人になって、「愛してる」と言い合えたシーンが良かった。 ・めかじきだけの茶色いお弁当も、当人たちが満足してれば、きっと「いいお弁当」 ・カバーにある著者のお写真が素敵。旦那さまの撮影だろうか。自分のいいことも悪いことも全部受け止めたような清々しさのようなものを感じる表情。こんな雰囲気の大人になりたい。 ・親からもらったものしか、自分の子どもに与えられないんじゃないか、自分の子どもを幸せにできるのかなと不安になることがあるけど、勇気をもらえた。続きを読む
投稿日:2024.05.12
音羽
弁当は良くも悪くも家庭やその時その人を表していると思う。私も学生時代学校に馴染めなくて、母の作ってくれた弁当をトイレで食べたことがある。しばらくは弁当が受け付けなくなり、少しトラウマになっている。今で…は旦那に弁当を作る側になったけど、彼はどんな気持ちで弁当を食べているのか気になってきた。お昼の時間が苦痛な方に。続きを読む
投稿日:2024.04.24
masamikita
泣いたー。 最後の「父の弁当」のところで、号泣。 「父の弁当」といっても、お父さんが作ってくれた弁当のことではないので、ぜひ読んでみてほしい。 文章も読みやすく、感情を文にするのが巧みな方だと思います…。他の著書も読みたいです。続きを読む
投稿日:2023.10.30
吉川
お弁当関係の子供の時の微笑ましいエピソードだと思って読んでみたら、もっと凄いエピソードが盛りだくさんで、逆に予想を裏切りられました。 文章もとても読みやすくて、興味深い語り口。 この方のエッセイを…もっと読んでみたいと思いました。きっとご本人も素敵な方なんだろうな〜と想像したりして。続きを読む
投稿日:2023.07.09
沿岸部
「手作りは愛情」「お弁当箱には愛がつまっている」という安易でのんきな方向に行かないところが信頼できた。 自分の境遇や気持ちと似た部分が多くて(下で引用した部分はわたしの実感と全く同じ)、トラウマ再放送…で読んでいて苦しかった。苦しいけどもなんだか泣けた。 "あの父と母のもとに生まれたから、今の私がいる。(p.230)" といえるところにまでわたしはまだ到達できていないが、いろいろ経て年齢も重ねてだいぶ近づいてきている。これを読んでいろいろ思い出して、考えさせられて、また少し何かわかりそうな気がした。読めてよかった。 ---------------------------------------- "家の中で自分が怒鳴られる分には我慢できても、人を怒鳴りつける姿を見るのは忍びなかった。 その娘だと見られることが、耐えられない。 家から一歩出て家族で行動している限り、私はいつだって連帯責任を負わされている気分だった。油断できない。地雷はどこにあるのか、見当がつかない。"(p.102) "いつも、家族のことばかり考えていた。何をやるにも、家族が絡んでいた。 家族なんてくそくらえと一九歳で家を出た私は、家族というものに心底うんざりしていたのに、いつだって電話が鳴り、その本の細い糸を切ることができなかった。断ち切れたらどんなに楽になるだろうと思っても、ぎりぎりのところで踏みとどまってきた。"(p.194) "父は死にかけていても父であり、母はどんな状況にあっても母なのだった。"(p.209) 続きを読む
投稿日:2022.09.27
ひゃっほう
ANA派なので何度も読んだことがある「おべんとうの時間」。 その連載を書いている著者の子供時代から現在に至るまでの軌跡が記されたエッセイ。 見映えのよくないお弁当を持たされ、それが恥ずかしくてたま…らない上に、あまり好きではない自分の家庭環境を思い出さざるを得ない、そんなお弁当の時間が嫌いだった中学時代。 著者の根っこには、どんなに大人になっても、その時代のあらゆる記憶があって、家族と食卓、というものが自然と自身の人生のテーマみたいになっていたのだと思います。 とは言え、家族とはかくあるべき、とか家庭料理やお弁当はこうあるべき、とかそういうお説教じみた結論に帰するのではなく、 ただ淡々と彼女が思ったこと、感じたことが書かれているのも個人的にはとてもよかったです。 大きな事件やハプニングがあるわけではないのに、引き込まれるように読めてしまうのは、読み手である私との共通点を感じたから。 恐らく多くの読者が、自分と重なる部分を見つけるのではないでしょうか。 それくらい、良い意味でごく普通の一般市民の感覚で書かれた一冊です。 この本を読み終わって思うのは、自分と家族との関係性。 あれこれと思いを巡らせています。 2021年28冊目。続きを読む
投稿日:2022.09.02
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