【感想】中高生のための「かたづけ」の本

杉田明子, 佐藤剛史 / 岩波ジュニア新書
(9件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 某社会科教員

    某社会科教員

    〇新書で「学校生活」を読む⑯

    杉田明子・佐藤剛史『中高生のための「かたづけ」の本』(岩波ジュニア新書、2017〔第6刷〕)

    ・分 野:「学校生活」×「家庭科」
    ・目 次:
     はじめに
     序 章 「かたづけ力」を練習する前に
     第1章 「かたづけ力」をつける
     第2章 かたづけの方法Q&A――よくある事例から学ぶ
     第3章 「かたづけ」ってなんだろう
     終 章 社会に出ても役立つかたづけのチカラ
     付 録 親子でかたづけ上手になろう!
     あとがき1(佐藤剛史)
     あとがき2(杉田明子)

    ・総 評
     本書は、中高生を対象に“かたづけ力”を高めるための心構えや手順を解説した本です。著者の杉田さんは「収納デザイナー」として、これまで多くの個人・企業に指導を行ってきた実績のある人物です。
     中学生になり、授業で使う教材やプリントが毎日のように配られ、さらには部活動で使う道具、あるいは趣味で買った物など……小学生の時と比べて、整理しなければならないモノが大量に増え、整理整頓に悩む生徒も多いでしょう。そんな悩める中高生に対して、著者は「出す→分ける→選ぶ→収める」という4ステップの「かたづけ術」を提案します。この本を読んで面白いなと思った点を、以下の3点にまとめます。

    【POINT①】ステップ1・2:「出す」・「分ける」
     かたづけは「何をどれだけ持っているかを知ること」から始まります。まずは「本棚1つ」でも「引き出し1つ」でも、かたづける!と決めた場所に入っているモノを全て出します。その上で「これ以上分け切れないというところ」まで種類別に分類します。そうすることで、自分が「何をどれだけ持っているか」を一目で把握できます。重要なのは、このステップでは「いらない」と思ったモノを“捨てない”ということです。まずは「いらないモノ」として分類することで、自分に不必要なモノがどれだけのスペースを占めていたのか、また、自分は何が捨てられないのかといった“クセ”を知ることができると著者は指摘します。

    【POINT②】ステップ3:「選ぶ」
     こうして、自分が「何をどれだけ持っているか」を認識できたら、次は「①好きなモノ/②生活に必要なモノ/③手放せるモノ/④迷うモノ」を“選ぶ”作業です。ここで重要なのは「不要なモノ」ではなく「自分の人生に本当に必要なモノ」を選ぶという意識です。かたづけの練習を繰り返す中で、自分が“本当に必要なモノ”の線引きを明確にしていくことが大事だと言います。また「④迷うモノ」については判断を保留し、種類ごとにまとめておきます。そうして「迷いのモノ」の総量を“見える”ようにした上で、自分の納得のいく答え(残す/捨てる)が出るまで“待つ”ことも大事だと著者は指摘します。

    【POINT③】ステップ4:「収める」
     自分にとって必要なモノを選べたら、最後は「収める」作業です。ここで重要なのは、お試しの時間=仮収納の時間を設けることです。その際に「分類を崩さない」「動線を考えて便利な場所に」を意識することが大事です。必要なモノだけで生活しているはずなのに部屋が乱れるとしたら、それは収納場所か収納用品に問題があります。分類を崩していなければ、気軽に収納場所や収納用品を変えることができます。しばらく生活して「散らからない!」という実感が得られたところで、収納場所を正式に決めれば、収納用品もモノ・場所に合わせた形で買うことができると著者は指摘します。

     著者が繰り返し主張しているのは、“かたづけ力”とは「不要なモノを捨てる力」ではなく「必要なモノを選ぶ力」だという点です。そのために、自分の持っているモノの量を把握(=“見える化”)し、自分が使えるスペースと相談しながら「必要/不必要」のラインについて「自分の納得のいく答え」を探していくことが必要です。こうした“かたづけ力”が身に着くまでには「早い人で二カ月、平均して六カ月ほど」かかるとも著者は指摘していますが、そうして得た力は、まさに“一生モノ”のスキルと言えます。
     小難しい話はさておき、まずは年末の大掃除を「出す→分ける→選ぶ→収める」の4ステップを意識して取り組んでみてはどうでしょうか?
    (1466字)
    続きを読む

    投稿日:2022.12.23

  • 梅

    子どものために図書館から借りました。どこまで読んだかはわかりませんが、以前より机回りがきれいに片付けられています。

    投稿日:2022.10.04

  • さおり

    さおり

    なぜ片付けをしなければならないか、の説明が長い。
    イラストの担当している人がさが美の卒業生でびっくり!

    投稿日:2018.11.25

  • ちゃいこv

    ちゃいこv

    物を捨てるだけじゃなくて、考える事
    同じことを繰り返さないように

    著者の経歴が空港の荷物関係のお仕事とのこと
    なかなか意外なお仕事です
    そこで得られたスキルが生かされていて
    深いところで参考になると思います

    自分は、中高生ではないけれども
    著者の伝えたいことを自分に生かしたいと思いました
    続きを読む

    投稿日:2018.08.27

  • 日高管内図書館振興協議会

    日高管内図書館振興協議会

    「かたづけ」なんかしくても生活に支障がないから大丈夫。確かにその通りかもしれません。この本は「かたづけ」をすると何がどうなるのか。そんな疑問に一つ一つ丁寧に答えてくれています。「かたづけ」をすることでスキルアップでき、人生が豊かになるのなら、試してみたくなりませんか。続きを読む

    投稿日:2016.04.15

  • pupapupa

    pupapupa

    大人にも十分役に立ちます。

    そこら変にある「断捨離」や「人生がときめく」本よりも、わかりやすいです。

    子ども向けだけあって、オールマイティーな感じ。

    とりあえず、はじめよう!という気持ちになりました。続きを読む

    投稿日:2014.08.06

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