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小野善康 / 岩波ブックレット (1件のレビュー)
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ヒギリ
福島第一原発事故以来語られるようになった電力の問題は、 ・多少高くても安全なエネルギーが必要だ ・多少危なくても経済的なエネルギーが必要だ の、二項対立になっているけれど、実はエネルギー転換は必ずしも…負担ではないのですよ、という話。 支払う人がいれば、受け取る人がいる。 環境への負担が少ないエネルギーに切り替えるための「経済的負担」は、新たな雇用を創出するものになる。 ゆえに日本経済全体への負担にはならない。 完全雇用の状態だったら人材の取り合いになるけれど、人余りの現状では雇用創出はプラスになるし、雇用が増えれば消費も増える。 誰が払って誰が受け取るかの問題だから、うちの売上という点では損得がある。 それで政治的なかけひきになってしまうが、日本経済と言う視点で見れば好況への起爆剤にもなる。 ということらしい。 あんまり理解できていない気がするんだけど、単純に、「公共事業で雇用創出っていうなら再生可能エネルギーに投入したっていいじゃない。どうせ必要なんだし」ってことなら感覚的にとても納得できる。 ただどうも根拠として出される理論が(そもそも理論が根拠になるのかわからないんだけど)理論先行のように感じてしまう。 でもシュミレーションはあくまでシュミレーションだから、細かいところはそんなに重要じゃない。 現在は点で未来は放射状に広がっているから、設定がほんの少しずれれば結果は様変わりしてしまう。 しかも要素を絞ってあるから、現実とはもちろん違う。 そんなことは承知の上で見るならば、少なくとも資金を投入した分だけの潤いはあるよねということはわかる。 この本はブックレットだから紙幅が足りないこともあって、議論するには薄い。 でもこの視点の議論はもっとあってほしい。 ・電力会社はどうしても必要だから、どうしたって国民の負担で購う必要がある。(税金を投入しなくても電気料金の値上げという形で負担がかかる) 感情論の東電叩きで払いきれない債務(責任)を負わせることは国民の利益にならない。 どうせ資金を入れなきゃいけないのだから、クリーンなエネルギーへの投入に使えばいい。 ・政府の方針や政策はそれを出すだけでも効果がある。 政策なら利益や発展を見込めるから企業が集まる。政府からの直接援助を狙えなくても利益はありそうだから人が集まる。活気が合って発展している分野のものは目に付くから、そこに疎い人も気がつけば手に取りやすくなっている。 実態はなくても流行らせて流行る「今年の流行色」みたいなものか。続きを読む
投稿日:2013.03.26
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