【感想】ベルリン1919 赤い水兵(下)

クラウス・コルドン, 酒寄進一 / 岩波少年文庫
(7件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • シマクマ君

    シマクマ君

     ドイツと一般的に呼んでいますが、正式にはドイツ連邦共和国(Bundesrepublik Deutschland)という名称で、1990年に統一ドイツとして出発した新しい国なのですね。
     その新しい国の少年たちにクラウス・コルドンは「歴史」を学ぶことを世にかけているかのようです。
     ドイツ100年の近代史が1919年の悲劇で始まるこの物語が、少年だったヘルムート・ゲープハルト君の目を通して描かれていることがすばらしいと思いました。彼が伝えたいのは、あらゆる社会において「自由とは常に異なる考えを持つ自由です」というローザ・ルクセンブルグのことばの普遍性だと思いました。
     ブログでもクドクド書きました。できれば覗いてみてください。​
     https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202111040000/
    続きを読む

    投稿日:2022.03.14

  • Mariko

    Mariko

    だんだんと不気味さを増していく国内情勢。ヘレの周りでも友達や教師、そして両親の様子が変わっていく様子が描かれこちらまで不安にさせる。幼い妹と弟の世話をしながら翻弄されるヘレが本当に可哀想で、革命にかまける両親には怒りの感情を覚える。次回は主人公が変わるらしいので、楽しみ。続きを読む

    投稿日:2021.08.31

  • S.K.

    S.K.

    まだ読んでいる途中。
    ヘレたちが待ち望んだ革命は中途半端に終わり、エーベルトという日和見主義者に奪われてしまう。
    革命のリーダーは、自分たちが何を求めているのかはっきりわかっていなかった。
    一旦芽生えた希望が潰えた時、それに抗って再び立ち上がることができるのだろうか。続きを読む

    投稿日:2021.08.30

  • ogaway

    ogaway

    このレビューはネタバレを含みます

    何ヶ所、号泣したかなあ・・・

    1919年、ドイツ。戦争を終わらせるため、水兵が蜂起したことをきっかけに起こったドイツ革命。それらに命をかけたベルリン市民の闘いを軸に、貧しくも誇り高い主人公ヘレの一家と隣人たちが、世界を、生活を、未来を良くしようと挑む命がけの日々。

    大きな時代のうねりをしっかりと描きながら、登場人物それぞれの心の動き、その背景にあるものを蔑ろにしない。とりわけ、主人公ヘレ目線での、家族や友人そして社会に対する心情の描写が素晴らしく、何度も息が止まりそうに切なくなった。

    革命がなくても、戦争が終わっても、食うや食わずの苦しい生活の中で、家族や隣人たちと心を寄せ合い、ユーモアを忘れずに暮らすヘレたちの姿に励まされ、その深い人間愛に胸を射抜かれまくりでした。

    一ヶ所には到底しぼれないのだけれど・・・
    そんな毎日の中でのクリスマス。大切な人へのせいいっぱいの気持ちを贈り合う場面では、彼らの生活や激動の数週間を思うとこみ上げるものが。ラスト近くの送別の場面も、もう泣くに任せるしかない。という状態でした。

    こんなすばらしい物語の感想なんてまとめられない!そして、これまで知らないで生きてきたわたしのばか!今読むことができて本当に良かった・・・

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    投稿日:2020.11.29

  • ad03yoshinari

    ad03yoshinari

    第一次世界大戦が終わった20世紀のベルリンを主人公である子どもの目線から見る事が出来る一冊(下)。当時の大人たちをみて、子どもたちはどのように自分の考えを形成していく過程を見る事が出来る。ベルリン1919赤い水兵(上)に引き続き、読みたい作品である。続きを読む

    投稿日:2020.11.26

  • shinjif

    shinjif

    「ベルリンは晴れているか」の作者深緑野分さん推薦の クラウス・コルドン 「ベルリン1919 赤い水平」は、第一次大戦で敗色濃厚となったドイツ帝国の1918年11月から19年のベルリンを舞台にした小説。
    戦争に疲弊した状況を打破しようと水兵が蜂起し、ドイツ革命が起きる。しかし帝国の転覆と同時に主導権争いが起き、当初は優勢と思われていたドイツ共産党の前身スパルタクス団は劣勢に。そして帝政時に権力を握っていた政治家たちが力を取り戻し、ベルリンは激しあり市街戦へと突入していく。これは今から見ると敗戦国ドイツが混迷の中でナチスの台頭を許す、その一瞬前、それとは別の道を歩めたかもしれないベルリンの混沌を貧しい労働者の家庭に生まれたヘレ(ヘルムート・ゲープハルト)という少年の目線から描き出している。
    岩波少年文庫で、「中学生以上」となっているが、いや、中学生がこれ読んでも理解はしきれないだろうと思う。でも、読み切ることができれば強い印象も持つだろう。そして、もっと後に読み返した時に印象を新たにするだろう、そんな作品。
    続きを読む

    投稿日:2020.03.15

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