【感想】上流階級 富久丸百貨店外商部 III

高殿円 / 小学館文庫
(63件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
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24
10
1
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ブクログレビュー

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  • ひるあんどん

    ひるあんどん

    静緒が狙っていた家をよりによってお客様に買われてしまうとは・・・。豪快に買い物をして素敵に飾り立てられた様を見てしまったら諦めというか納得感。桝家と静緒の関係て羨ましい。家に誰かがいる安心感、本音で話ができてお互いの悩みに親身になって、でも一定の距離をちゃんと保って相手を気遣える、お互い同居生活を続けたい気持ちわかる。ここで偽装結婚だと興醒めだけど養子縁組と桝家が言い出したのには思わず噴き出してしまいました。続きを読む

    投稿日:2024.04.19

  • はるパパ@ファミコンしようぜ

    はるパパ@ファミコンしようぜ

    加速度的に面白さを増していく上流シリーズ3作目。
    はじめは高殿円さんのキャラ作りに対して、うさんくさそうな目を向けていたけど今や昔。もう好きが止められなくなっている。

    主人公は営業成績を上げるという日常を送るかたわら、結婚、終活、ジェンダーレス、LGBTQなど幅広い人生テーマを取り上げている。それは嫌味のない最高級ボロネーゼを完成させているガンジな感じ。
    その中でもジェンダー問題では、田嶋陽子氏をはじめとしたアレルギー全開の人が多い中で本作の主張が腹に落ちる。

    ──何事も特権的であってはならない


    ははぁ、そういうことなのか。ニュアンスの問題だけど女性蔑視ではなく男性優位。もちろん負の歴史を認識した上でだけど、少なくとも今の自分の気持ちにピッタリ寄り添ってくれる表現。
    この一言でマイノリティ疲れが癒えた。

    バブルの恩恵にギリ与れずに、上の顔色を窺うようになった′70世代。圧迫面接デフォルトの就職氷河期をくぐり抜けて、特権なんてものは何もないと思ってた。それでも配慮すべき余地がまだあった。

    お互いを認める世界。
    それはただ、「居ていい」という無意識なんだと思う。
    それ以外は、なにも押し付けられていない。
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    投稿日:2024.04.17

  • きなこもちこ

    きなこもちこ

    静緒さんの成長ぶりがすごいのと、桝家くんとのコンビネーションがいい!カップルとかではないけど
    こんな関係性に憧れます。

    投稿日:2024.04.17

  • なえまる

    なえまる

    333ページ
    720円
    10月31日〜11月4日

    富久丸百貨店の外商員として働く鮫島静緒。美容整形に興味があり静緒に試させる女性資産家、息子の中学受験に巻き込む元CA主婦、「強い」宝石を集めるイラストレーターの訴訟事件。引っ越しを考える静緒に、ヘッドハンティングの話も。同居する桝家との関係も落ち着きを見せる。

    外商員としてやり手になってきた静緒の成長がみられた。桝家との関係も落ち着いてきて、このまま同居を続ければいいのにと思ってしまう。訴訟事件の腹立たしいことや、中学受験の大変さなど、今回の話も楽しませてもらった。ドラマ化すればいいのにと思っていたら、どうやら竹内結子さん主演でされていたらしい。続きがあれば早く読んでみたい。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.25

  • 史織

    史織

    1,2作目のハードカバーの装丁がとても好きだったのですが残念ながら3作目からは文庫本オンリーに。実写化もきっともう続きが見られない(竹内結子さん主演....)のが残念です。

    3作目からはすごく「令和」っぽいお話になってくる。
    これまでは既存の、いわゆる芦屋に昔から住んでいる元華族みたいな上流階級を相手に、新人外商の静緒が奮闘していく成長期のようなお話だったけれど、3作目では静緒ももうベテランで、「自分の顧客」ができている。そしてそれは、人気イラストレーターだったり、「新しいリッチな人々」で。

    おぼっちゃまの中学受験に付き合うお話と、縁談をまとめてもらえた大奥様がお招きくださるくだりが特に好きで何度も読み返しているシーン。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.12

  • nyan0620

    nyan0620

    三作目。上流階級の顧客のため走り回っている姿はあいかわらずだけど、いろいろとスケールアップ。巻頭で主人公・静緒が自分の仕事を語る言葉も、ずいぶん変わってきました。最初の頃、どこかで会ったことのありそうな人だった静緒は、彼女の顧客たちと同じように、広い世の中にはこんな人もいるかも、になっていき、今や、私から見れば上流階級の一員かも。ただし、久々に会った母親の変化に老いの兆しを感じあわてるのは、身の回りによくある話かな。

    静緒の新たな顧客として、SNS等で好きなイラストを挙げているうち大ブレークしたフリーのイラストレーターさんが登場します。徐々に、彼女は、彼女の作品を使ってイベント等を展開している会社からロィアリティの点で不当な扱いを受けてると感じるようになっていきます。そして、静緒の助けも借りて、超一流の弁護士に依頼して戦う覚悟を固めていきます。

    作中で、桝家の言葉として、ちゃんと怒らないと、いつまでもこれでいいんだってなる、ある程度経済力のある人がぶん殴った方がいい、そういう会社ってたいてい他の下請けフリーランスを搾取している、ショーや撮影の現場はパワハラでなりたっている、って書かれています。

    この作品の陰のテーマの一つは、搾取なのかも。各人の能力や労力や成果物に見合う対価が、払われているのか。そう考えると、今の世の中も、そこらじゅうに搾取が転がっていますね。百貨店のような大会社に雇用されている人も、例外ではなく・・・。

    かのイラストレーターさんは、しんどいと言いながら、堂々と戦いに挑みますが、その戦いは、結局のところ、札束での殴り合いに挑むってことでもあるから、彼女の清々しさをよしとし、応援したいと思う一方、先立つもののない身としてわずかな苦みを感じました。

    少し変わった味わいだけど、なかなかによいお仕事小説です。
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    投稿日:2024.02.04

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