【感想】ダンジョンの中のひと 1

双見酔 / webアクション
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • yoshimitaka

    yoshimitaka

    絶妙なダンジョン運営レポート漫画。

    ファンタジー世界の定番、ダンジョン。
    只の穴ぼこではなく、階層として区分けされ、モンスターが徘徊し、罠が仕掛けられた踏破すべき様式美としての迷宮。
    当然、自然に生えてくるものではない以上(「生えてくるのもある」らしい描写がありますが)、運営とメンテナンスが必要であることは想像に難くない。
    本作品は、そんな「セカイの一端」を影から支えるダンジョン管理者達の日々にスポットを当てた良書である―

    無限に沸いてくるモンスターや宝物、踏破したはずなのに再び仕掛けられている罠。
    そういうRPGのお約束を「そういうものだから」という様式美で終わらせず、真面目に説得力を持って描写するのが物語の基本になっています。
    主人公・クレイはダンジョンを踏破する探索者の立場で物語が始まり、色々あって「ダンジョン側」に転職(?)するという段取りを踏むことで、外部からきた何も知らない主人公が謎に満ちたダンジョンの秘密を知っていく、という筋書きがとてもスムーズに描かれているのが上手いなぁ、と。

    …こうして書き殴ってみると、探索者が探索する対象側に鞍替え、って結構、その…あれ?

    で。
    この「…あれ? んん…?」という戸惑いのような落差が作品全体の面白さなのです。
    シンプルかつ可愛い絵柄でガチの戦闘シーン。
    日常会話のように流される世界の裏事情、命の軽さ。
    萌え的発言するのは髭のおっちゃん。

    サクッというと、あっさりやんわりと描写される突き放した内容が楽しい。

    読者が「いやいや待て待て待て」とツッコミ入れたくなるところをそのままスルー。
    クレイが時にツッコミを入れたりもしますが、基本流されますし(状況が状況だけに)、そもそもクレイからしてズレている(セカイの中の常識からも)わけなので、オールボケ状態です。
    しかしそのボケこそがセカイの常識として矛盾せず、ダンジョンを魅力的に彩っているという絶妙さ。
    「あぁなるほどなー」と納得しながらダンジョン運営の面白さを楽しむことができます(すでに洗脳)。

    見方を変えると、「高い実力を持つクレイがダンジョン裏方で無双する」作品でもあり、爽快感もなかなか。
    ワーカーホリック気味のクレイは強さを求める傾向があり、戦術・戦闘中の思考が効率的かつ妥当性に富んでいます。なので戦闘の駆け引きも楽しい。この辺、手練手管を駆使する(せざるを得ない)シーフという職を選択しているのが上手さだと思います。
    …というか、そもそもソロでモンスターを蹴散らしつつダンジョン踏破する時点で、(一般的な)シーフじゃないんですよねぇ…(苦笑)

    管理者であるベルはなるほど過積載。
    最強キャラでありながら適度にポンコツ。そしてコミュ障気味。和む。そもそも可愛い。
    戦闘シーンが短いわりに見所いっぱいというか燃えるので是非活躍してほしいですねぇ(ラスボスだってば)。

    他、同僚(!)モンスターも個性豊かで面白い。
    雇われ者の悲哀があったり、実力と評価で葛藤があったり…まるで人間社会の縮図、と言いたいところなんですが、色々福利厚生や環境を考えるとかなりホワイトな職場なんですよねぇ、アントムルグのダンジョン(苦笑)

    クレイがザコモンスターになって(扮して…ちょっと違うか)冒険者と戦うエピソードが色々「ズレ」てて面白いですね。
    人がモンスターになること、戦闘の妙、冒険者との接し方…いやいやそれ以前に、っていう色んなところが「普通じゃない」。
    あとこれ、しょっちゅうやってたら大問題では(笑)

    クレイの目標、ダンジョンの最終到達地点などが定められているので、恐らく大まかなシナリオは決められているものだと思います。
    これからもキレのいい展開、物語を期待してます。


    あと、「氷狼の牙」頑張れ。普通に共感持てるスタンダードなパーティなので応援してます(華がないけど(笑))。
    続きを読む

    投稿日:2021.04.17

  • Hダンプ

    Hダンプ

    また、注目すべき新シリーズが始まった。ファンタジー世界で視点を変えて進めるのはよくあるパターンだけど、少しずつ感触が普通なので、そのギャップで、くすぐられてしまうね。

    投稿日:2021.02.27

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