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池澤夏樹 / 集英社単行本 (8件のレビュー)
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キじばと。。
人間と自然との関係について著者が自由に語ったエッセイです。 本書のテーマの一つとして、人間と自然の「尺度」ということがあげられるのではないかと思います。著者は本書の冒頭で、人間にリンゴを分け与えよう…とするオランウータンの話を紹介しています。また、原ひろ子の『ヘヤー・インディアンとその世界』を読んで、狩猟とは動物と人間との知恵比べだとみなす考え方にもっとも動かされたと著者は告白しています。これらの例に見られるのは、人間が動物の知能を一方的に測定するのではなく、人間と動物が共通の「尺度」を持っているという発想であるように思います。 さらに本書の後半では、人間が文明を獲得することができたのは、人間の身体が火を扱うのに適切な大きさだったことによるというおもしろい説が紹介され、自然のスケールについての叙述が続きます。 自然のかけがえのなさを人間の尺度によって測ることで自然環境の保護を訴えるのではなく、人間と自然の共通の「尺度」を見いだしていくことで、私たち人間が自然の中に立っているというセンスを取り戻していくことにつながるというのが、もしかしたら著者の考えなのかもしれないという気がします。続きを読む
投稿日:2014.11.30
茶屋文庫
スティルライフを読んで感銘を受けた後に手に取り、その後ずっと池澤夏樹が一番好きな作家であり続けることになった、決定的な本。 池澤さんの軸となる自然と人間との距離を冷静に見る姿勢にものすごく惹かれた。 …単行本で読んだかれこれ20数年前。続きを読む
投稿日:2013.12.02
sibainusan
池澤夏樹の自然論。書かれたのは随分前だけど今持って古さは感じない。 ありがちなセンチメントに基づく自然礼賛ではなく、池澤夏樹らしい理系っぽい切り口で、とてもバランスよく感じた。
投稿日:2013.04.21
taku
このレビューはネタバレを含みます
自然と人間の関係について書いたエッセイ。 アイヌの民話などで見られる狩りに置ける動物と人間の意思疎通は面白いと思いますね。 これと似たお話しは熊谷達也さんの「邂逅の森」で私は読みました。 池澤さんの本はエッセイもあるが私は小説の方が断然好きだな。 そちらの方が伝えたいことを直感的に理解できる気がする。
投稿日:2012.08.14
uosuke
ヒトと自然の正しい関わり方ってなんだろう。基本的にヒトはヒトの事しか考えられないし、僕(あなた)は僕(あなた)の事しか考えられないのかも。 ヒトの目線から見たら自然はヒトのエゴを受け止めてくれている…みたいだけど、それもいつまでもつのやら。続きを読む
投稿日:2011.10.18
ちょ
自然と人に関するエッセイ。 ヒトがまだ動物の1つであったころに思いをはせつつ、ロマンを失わない感が素敵だ。 狩猟民族と農耕民族の意識の切り替わりなどはすごい。 この作家さんは視点の引き出しが多いんだろうな。
投稿日:2011.04.03
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