【感想】青鬼 沈黙の映画館

noprops, 黒田研二, 鈴羅木かりん / PHPジュニアノベル
(1件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • もんがらかわはぎ@読書垢 児童書ホラー強化中

    もんがらかわはぎ@読書垢 児童書ホラー強化中

    このレビューはネタバレを含みます

    天文台のイベントが中止になって落ち込むひろし。普段は見せないような落胆ぶりに、どうにか元気付けようと映画に誘う。しかし、多くの人で賑わう映画館にも魔の手が忍び寄っていた。タケル達に今だかつて無い恐怖が襲いかかった。

    ***

    PHPジュニアノベル青鬼第7弾。既に出ている巻の中で最新刊。黒幕の卑劣な罠を何度も何度も潜り抜け夜の水族館から脱出したタケル達。脅威を何度も乗り越え、たくましくなっていく彼らであったが、依然続く青鬼の襲来におびえていた。そんななか、天文台のイベント中止に落ち込むひろしを誘い今注目の映画を見に行くことに。有名なお笑いコンビが来るとあって大盛り上がりの映画館を訪れるひろし達であったが、そこで予想外の事態が巻き起こってしまった。 こちらの作品がこのジュニアノベル版の青鬼で一番好き。登場人物に対して出た被害の悲惨さたるやはこの作品がぶっちぎりの一番だが、今までの経験を経て成長したタケル達の姿を見ることができる。作者さんのよると現在8作品目を執筆中とのことでまだこのシリーズは続いていきそうだが、クライマックスに向かっているのかな?
    青鬼の正体や真の黒幕に関してさらに言及があったわけではないため真相解明に進展があったわけでは無いが、タケル達のはぐくんできた友情の集大成を見れたと思う。今までも自分たちのできることを一生懸命やり遂げる彼らであったが、今まで以上にやり遂げようとしていた。友人を助けるために必死に頑張る姿を見て、私の中ではもう大盛り上がり。中でも、ひろしの成長ぶりが素晴らしく感動した。最後の難関をクリアするために、協力し合ったシーンは非常に素敵だった。ほかにも、卓郎とたけしが喧嘩したり(100%卓郎が悪いと思うけど)、ペットショップで売れ残ったシーズー犬の今後を考えなくては行けなかったりと、別の意味でハラハラするシーンがあり、とてもボリュームのある一冊だった。それにしても、黒幕ももはやなりふり構っていられないのか、やりたい放題。一般人にも人的被害が出たりして、だんだんと騒動が大きくなってきている。卓郎たちに直接怪我をさせたり、凶悪なゲームをひろしに強制したりと凶暴性が増している様子。自分はうまくコントロールしている選ばれた存在だと、思い込んでいるようだがはたから見ると首をかしげる。
    しかし、黒幕は何度ひろし達にやられても全然へこたれない。強いぞ。いろんな意味で。回を追うごとに小学生相手にそこまでやるか!?と驚愕しっぱなし。最初は自分の友達を助けるためにやっていた行動が、目的がすり替わってからは非常に自己中心的になってしまい残念。もはや友達のことなど頭にないのかもしれない。共感できる部分が全く消失してしまい、完全なる悪役に堕ちてしまった黒幕が、元に戻る未来はあるのだろうか?

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    投稿日:2021.03.25

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