【感想】北条政子

永井路子 / 文春文庫
(25件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • なつこ

    なつこ

    愛する者のためにただの女で、妻で、母で、祖母でたまたま御台所だった。うまく歯車が噛み合わない。時代に翻弄されてしまったね。

    投稿日:2023.07.29

  • yuko-romarin

    yuko-romarin

    政子は女としても妻としてもまずまず幸せだったのではと思う。大恋愛の末結婚し、夫は浮気はするも夫婦仲はいい。
    ただ、全ての子どもに先立たれ、母としては悲惨としか言いようがない。
    しかし政子が政治の表舞台に顔を出すのは夫も子ども達も全て失ったあと。尼将軍になった後の様子を知りたかったけど、この小説は実朝暗殺までしか書かれていばい。残念!続きを読む

    投稿日:2023.07.11

  • 海と青硝子

    海と青硝子

    政子は、ただ愛して生きただけなのかもしれません。炎のように激しく熱すぎただけなのかもしれません。娘たちも息子たちも、孫たちまで、若すぎる非業の死を見なければならなかったなんて…。
    物語は公暁の死で終わっていますが、「尼将軍」としての多難と重責と凄絶な孤独を甘んじて受ける覚悟ができていたような感じです。続きを読む

    投稿日:2023.05.23

  • ゆう

    ゆう

    大河ドラマでこの時代と北条政子に興味を持って手に取った。頼朝との出会いから実朝暗殺まで、文庫本で約600頁、ボリュームのある作品だった。

    昨年の大河が「マンガ日本の歴史」なら、こちらは少女漫画「北条政子」のようだったが、解説にも史実に基づいての歴史解釈がしっかりしているとあるように、改めてこの時代の出来事を少し理解できたように思う。

    これまで北条政子は自分の子供を殺す冷酷な悪女だと思っていたが、現代とは価値観も死生観も異なる激動の時代を一生懸命生き抜いた聡明な女性というイメージも加わった。
    続きを読む

    投稿日:2023.04.02

  • うえけん

    うえけん

    大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で鎌倉時代に興味を持った。ドラマは北条義時視点だったが、本書は姉の政子視点で描かれている。
    登場人物が多く、背景についての解説も少ないため、ドラマを見ていなかったら途中で脱落していたと思う。ドラマ視聴後の読書のため、登場人物の顔とキャラクターが生き生きと思い出されて楽しく読めた。

    時系列としては、鎌楽幕府の成立が軸になっているが、小説のイベントは女の政子の視点なので、家族の出来事を軸に描かれている。そしてそれが面白い。よくある歴史小説とは異なり歴史上の人物が血のつながる家族であり、欲に振り回される人間であり、良かれと思った行動が地獄に続いている皮肉であり、渦中の人間の視野狭窄が体験できる小説だった。
    物語というメディアは他者の人生を追体験するための装置なのだと思い知らされた。
    続きを読む

    投稿日:2023.02.22

  • chiakihirano

    chiakihirano

    『鎌倉殿』ロスに供えて読み始めました。
    1979年の大河ドラマ『草燃える』は、この『北条政子』(1969年刊行)と『炎環』(1964年刊行)が原作。

    中学生の頃に一度読んでいるんですが、嵐の中、政子が頼朝の元へ走っていくのが冒頭と記憶していたらちょっと違いました。

    そのほか、実朝が造らせた船が海辺で朽ちてゆき、泣き声が聞こえると人々が怯えるんですが、実は公暁と駒若がイチャつく声だったという場面が印象に残っています。
    (竹宮惠子が少年愛というジャンルは確立していましたが、BLシーンはまだめずらしく、中学生だったので衝撃的でした。)

    あとはほとんど覚えておらず、行き遅れの政子が「体をもてあます」とか、頼朝との逢瀬とか、あー、そうかこのへんが苦手で、その後、時代小説へと向かわなかったんだと思い出しました。
    (時代小説ってなぜお色気場面がお約束なの?)

    全体的に政子は気が強いけれど、悪女ではなく、時代の中で政治に巻き込まれてしまった孤独な女性として描かれています。
    比企討伐が息子頼家を若狭局に取られた政子の嫉妬を契機としているように、女を強調しすぎてる感はありますが、書かれた時代的にはしょうがないのかも。

    宗時兄にブラコン気味だったり、四郎義時は無口で愛想がないと書かれていたり、『鎌倉殿』とのキャラクターの違いとか、事件をどう描くのか比較しながら読むのがおもしろかったです。
    実朝暗殺の黒幕が三浦義村となっているのは当時としてはわりと斬新な解釈だったのではないでしょうか。

    承久の乱の政子の演説ではなく、実朝暗殺までで終わっているので、政子の孤独が際立つラストだなと思います。

    続きを読む

    投稿日:2022.12.20

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