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佐伯泰英 / 文春文庫 (1件のレビュー)
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Sachi
「居眠り磐音」32巻、『更衣ノ鷹』下巻。 ついに来てしまった、それを読むときが。 第五章を読んでいる間、胃の奥の方がずぅんと重かった。 今、私の胸中は、嘆きの大嵐です。 読み進めるのが怖くて嫌で、…でもここを乗り越えないと、この先に待っているはずの、きっと和やかで楽しい(よね⁉︎)33巻以降の物語を読めないから、必死に耐えて我慢して、ずっと涙目で読んでいた。 あぁ目尻がピリピリする。 どの本でもそうなのだが、読んでいる間はその世界に埋没してしまい、本の中で起こるすべてを、ほぼ私の現実として体験しているので、今回のショックは大きすぎて、まだ受けとめきれていない。 大好きな場所や人々が、一瞬で消えてしまった。 磐音の「慟哭」は、私のそれだった。 読後しばらく動けなかったけど、巻末付録の「江戸よもやま話」(前巻から続く「鷹狩り」)を読んでいくうちに少しずつ落ち着いてきて、それも読み終える頃には、なんとか本来の現実に浮上することができた。 巻末付録に救われた気分です。 備忘録として書いておくと、この32巻では、高知にいる重富利次郎からの文にほっこりし、金兵衛の人間としての大きさに打たれポイントが急上昇、玲圓のあまりの潔さに尊敬しつつも悲しくなり、井筒遼次郎の成長ぶりに坂崎家の将来が楽しみに、奈緒の懐妊の知らせにホッとしつつもちょっぴり複雑……、磐音の行動を訝しむものの追及しないおこんは妻の鑑、ここで久しぶりに中川淳庵と会えてちょっとうれしくホッとした、な一冊でした。 ところで、磐音が玲圓に連れられて行った料理茶屋谷戸の淵のお京お婆から聞いた、佐野善左衛門なる御仁。 これは今後のキーパーソンなのでは。 きっと磐音は会うことになる! 今はとりあえずそのときを楽しみにしていよう。 あと、白山のゆくえが気になるんですけど! 早く33巻を読みたい。 物語が先に進まないと、重くて苦しいままでつらい。 柳次郎&武左衛門、笹塚孫一&木下一郎太に会いたいな。 続きを読む
投稿日:2020.07.03
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