【感想】さらに悩ましい国語辞典

神永曉 / 角川ソフィア文庫
(1件のレビュー)

総合評価:

平均 5.0
1
0
0
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • Kazu

    Kazu

    本書は月2回くらいのコラム「日本語、どうでしょう?」をまとめたものだそうです。
    https://japanknowledge.com/articles/blognihongo/index.html

    「味わう」の活用形、「味あわない」「味わわない」。江戸時代は「味あう」とも言っていた。
    「あぶらあげ[油揚]」が「あぶらげ」に変化するのは江戸中期。「たいいく[体育]」→「たいく」と同じ理屈。
    「アベック」が「カップル」に変わったのはいつ?「アベックホテル」によって、「アベック」がいやらしい言葉に堕落した頃のようだ。
    「ありがとうございます。」と「ありがとうございました。」の違い。「ございました」は、今後はもういいよという感じ。
    「アンケート」は「する」のか「とる」のか。「する」が正しいが、「統計をとる」に引かれて変化したようだ。
    「アンケート」の数え方を、私も最近読んだ『数え方の辞典』で調べていて、楽しい辞典だと言っている。

    ア行のアだけでこんな感じです。

    他にチョコッとメモに残した箇所を(自身の覚えも兼ねて)紹介しておきます。

    『袖振り合うも多生の縁』という慣用句は、複雑に揺れている。
    「袖すり合うも」「袖触れ合うも」「他生」「多少」と取り違えられている。
    「袖すり合うも多少の縁」と言われても誤用だと気付かない。

    「忖度」は難読漢字で読めない人が多かった。
    本来、配慮するという意味はなかったし、マイナスイメージの言葉でもなかった。 

    「博士」は「はか・せ」「はく・し」、読み方で意味が変わる?

    「大型」と「大形」の使い分け方は?

    「東日本」と「西日本」の境界はどこ?

    「魚介類」と「魚貝類」、「貝」を使うとイカやタコは入らない?

    「すっぴん[素面]」と「べっぴん[別品/別嬪]」の「ぴん」になにか繋がりはあるの?

    「早急」は「さっきゅう」でも「そうきゅう」でもよい。
    「早速」は「さっそく」になった。今は「そうそく」と言わない。

    一匹・二匹・三匹 「匹」という字はどう読みますか。

    「世論」は「よろん」「せろん」?「世論調査」は?

    「辞書」と「辞典」に意味の違いはない。

    「初老」は古くは40歳の異称だった。今は60歳くらいか? 老年、中年、青年、高齢者、それぞれ何歳くらい?

    「長い目で見る」は、今後の成長を期待を持って見守ることだった。現在は、ただ「長期的に見る」という意味でも使われる。

    「濡れ手で粟」は「濡れ手に泡」との誤用が増えている。

    「頁」に「ページ」という読み方はない。

    「ほぼほぼ」は、ほぼ「ほぼ」。
    「そもそも」も昔は「そも」といっていたらしい。

    「負けず嫌い」も不思議な言い方。負けないことが嫌いみたい。

    「まだるっこい」は「まどろっこしい」こと?

    「めどが○○」、「たつ」か「つく」か?

    「メリケン粉」と「うどん粉」は今の若者には通じない?

    「やむを得ない」は「やもうえない」と読む?

    「了解」「了承」「承知」の違いは?
    続きを読む

    投稿日:2022.06.18

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。