【感想】妻は忘れない(新潮文庫)

矢樹純 / 新潮文庫
(26件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
2
9
11
2
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • kimikokumiken

    kimikokumiken

    5話からなる短編集。
    「妻は忘れない」
    最初から離婚話に進んで行くのかと、詠み出した。
    夫の不可思議な行動から義父の隠し子問題……
    でも、最後は、夫婦仲の良さを表す言葉で、一安心だった終わり方であった
    次の「無垢なる手」
    幼稚園や保育園のPTAの役員決めには、今の時代 共稼ぎが当たり前だから、大変だろうと思いながら読む進む。
    役員通し、仲が良くなり、子供達も一緒に遊ぶようになって来るのは良いのだけど……
    余り深入りしたくない人もいるだろう。
    主人公は、この人としか付き合いをしていないのだろうか?
    小さい時の子供達の仲良しで、将来の結婚話をまともに取らなくても良いと思うけど……
    「裂けた繭」
    読んでいて、少し怖い感じ!
    精神的に崩れて行った青年。
    自分だけの殻に入り込み、空想の人物を作り上げる。
    現実世界と空想世界が、理解出来なくなった人間の怖さに、おぞましさを感じてしまった。
    「百舌鳥の家」
    姉妹の二人。
    親の介護で、相続問題。
    最後は、姉が、祖父母達の養女に戸籍上なっていた事も、衝撃的。
    家族の在り方を考えてしまった。
    昔の人は、良かれと思って、戸籍制度に合わせたのだろうけど、良かったのだろうか?
    「戻り梅雨」
    シングルマザーで2人の子を育て、大学生の息子に恋人が出来た!
    喜ぶべきなのだけど、年上で子供もいる女性!
    その息子に、殺人未遂の疑いがかかる。
    被疑者となった家族の辛さ!
    しかし、最後は、家族が寄り添う事になり一安心したけど、その後の風潮はどうなるのだろうか?

    ホラー的話もあり、一つずつ、読みごたえのあった本であった。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.17

  • ハルめめ

    ハルめめ

    平凡な日常に突然訪れる不穏。どれも先が気になり一気読みです。一緒に居ても気づかなかった家庭の秘密が浮かび上がっていく。終わり方の余韻もそれぞれ5通りで楽しかったです。「無垢なる手」にイライラさせられた。特に好みだったのは「裂けた繭」です。続きを読む

    投稿日:2023.10.30

  • uchineko

    uchineko

    私はいずれ、夫に殺されるかもしれない-。義父の弔問に訪れた前妻の佑香。妻の千紘は、夫が彼女とよりを戻したのではないかと疑い…。表題作をはじめ、全5篇を収録。

    いわゆるイヤミスが5篇。日本推理作家協会賞作がよかったので読んでみたけれど、やや極端な描写で「たぶんミスリードしているのだろうな」と途中で気づいてしまうことがあったのは興醒めだった。
    (D)
    続きを読む

    投稿日:2023.07.01

  • ベル

    ベル

    久しぶりにとてもおもしろい小説に出会えました。人物描写が的確なため、「こういう人ならそういうことはしないだろうな」「こういう人ってそういうことしちゃいそうだよね」というイメージが湧き、物語に入り込めました。どの言葉にも無駄がなく、実際の文字数以上の世界に引き込まれていきました。あっという間に読めるのに、長編小説を何冊も読み終えた感覚になりました。続きを読む

    投稿日:2023.05.06

  • よつば

    よつば

    ざわざわと胸に不安が広がっていく。

    「妻は忘れない」「無垢なる手」「裂けた繭」「百舌鳥の家」「戻り梅雨」
    毛色の異なる5話収録の短編集。

    前作『夫の骨』で騙される快感を味わい期待して待った本作にもしてやられた。

    ごく身近な日常の中でふと感じる違和感、不安、猜疑心、嫌悪、自省、それらの感情が複雑に絡み合いながら終盤まで二転三転する展開にざわつきが止まらない。

    5話それぞれに趣があって面白いが、中でも不穏でイヤな感じが延々と続くママ友の行動を描いた「無垢なる手」はその心理描写が秀逸。

    ホラー要素を含んだリアルミステリー。
    続きを読む

    投稿日:2023.02.16

  • 馬南神空

    馬南神空

    イヤミスの系統だと思っていると、所謂胸糞な展開はあまりなく、結末でカタルシスのある話がほとんど。オチのインパクトもほぼ想定内と言ったところ。読みどころはそうした部分より、キャラクターの細密な心理描写だろう。リアルとはもしかしたら少し違うのかも知れないが、異様な説得力があって、表題作や「無垢なる手」での、自分で自分を追い込んでいくような、一人称は読んでいて息が詰まる。続きを読む

    投稿日:2022.11.25

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。