【感想】少女願うに、この世界は壊すべき2 ~輪廻転生の神髄~

小林湖底, ろるあ / 電撃文庫
(1件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • タカツテム

    タカツテム

    第1巻の舞台が地獄のような榮凜島であったなら、第2巻の舞台となるのは一転して天国のような盈水院。まあ、そもそも日本全体が地獄に落ちた作品世界なのだから盈水院の在り様もきちんと裏があったりするのだけど
    今回はその裏へ迫っていく様子が刺激的に描かれているね


    地獄のような世界の中に展開される幸福世界
    第1巻においては世界を味方に出来た者が世界を壊す権利を手にする、といったような内容であったけど、この第2巻では新たに登場する倶舎奈が世界を作り上げた主として君臨している
    味方どころか製作者なのだから、世界のルールそのものが彼女の自由自在。いわば彩紀達は敵地のど真ん中に無警戒で入り込んでしまったようなもの
    倶舎奈の術中から逃れられなくなるのも仕方ないというもの

    ただ、ここで倶舎奈の手中に囚われたのは何も彩紀達だけではないという点が第1巻と同じく救世主を求める世界構造となっているね
    盈水院の外に出たいと願う凪、倶舎奈に歯向かう仏滅魔教団も
    一方でこの幸福世界を作り上げた倶舎奈自身も救いを求めていたという点は面白いね

    遠い昔に彩紀に救われた過去を持つ倶舎奈。だから自分を幸せにしてくれた彩紀を幸せにしたいと願う。その願いが発端となって地獄のような天国を作り上げてしまった彼女の執念には驚嘆させられる
    でも、執念を持って現世を無視して別世界を作り上げてしまった時点でその行動は彩紀の信念から外れてしまうんだよね
    彩紀と再会したい一念で奮闘してきたのに、その行為が彩紀から拒絶される一因となるという破綻……

    こうなれば、かつての友であろうと倶舎奈は彩紀にとって敵。討滅することに何の間違いも無いだろうに、ここに来てかがみが色々な意味で敵である倶舎奈に情けを見せるとは思わなかった
    いや、情けというよりは彩紀の為に頑張り続けた倶舎奈の想いを無碍にしたくないとの感覚か……?


    正直、地獄を作り上げた倶舎奈が平然と彩紀陣営に入ってくる展開に思うものが無いわけではないけれど、これで彩紀の味方となる者は更に増えた
    こういった事を繰り返していけば彩紀の遠大な野望が叶う日も来るのだろうか?
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    投稿日:2021.08.09

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