【感想】モヤモヤそうだんクリニック

池谷裕二, ヨシタケシンスケ / NHK出版
(37件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
8
12
9
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ブクログレビュー

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  • nooob0216

    nooob0216

    脳科学者の著者が小学生の素朴な質問に、脳科学や心理学の実験を例に出しながら、わかりやすく答えてくれる本。挿絵がヨシタケシンスケさんなのも◎。
    例えば、やってきたことが身につくまでの時間ってどのくらいですか?/記憶力をよくするためにはどうしたらよいですか?/ぼくの「やる気のスイッチ」はどこにあるんでしょう?/どうしたら自分に自信がもてますか?/心って人間のどこにあるんですか?/
    などなど。
    子どもたちの純粋な疑問も興味深いと同時に、しっかりエビデンスを持った回答をしてくれているので自分にも参考になるし、いつか子どもたちに聞かれた時にアドバイスにも繋がるかもしれない。
    まだ3年生の息子には専門用語も多くて難しかったみたいだけど、また大きくなった時に読んでみたら感じるものが違うかも。「おもしろそう」と思って借りてみた気持ちに拍手。
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    投稿日:2024.03.26

  • のんすけ

    のんすけ

    ヨシタケシンスケさん大好きな息子が小学校の図書注文で欲しいと言い購入。

    脳研究者、池谷裕二さんが子どもたちから寄せれた疑問に答えていく。そこにクスッと笑えるようなヨシタケシンスケさんのイラストがいい味をだしてます。

    目次に質問が書いてあるから気になるのだけ読むのもいいし、1つ1つが短いのですき間時間にもいい。

    小5の息子は3日くらいで読んだかな…?
    わたしが入浴中にまで、ここの話が面白い!と話してきました(笑)
    子どもにもお勧めです。
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    投稿日:2024.02.10

  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    このレビューはネタバレを含みます

    256名の小学生から寄せられた「なぜ?」「どうして?」に、脳研究の第一人者・池谷裕二先生と人気絵本作家・ヨシタケシンスケさんが‟科学”と‟ユーモア”で向き合います!

    もくじ
    (「→」は私が読んで心に残ったところを抜粋したメモです。人によって感じ方や心に残る箇所は違うと思います、自分用メモです。)

    <モヤモヤそうだんⅠ 勉強や学校のこと>
    ・頭がよくなる薬はありますか?
    →あります(アルツハイマー病等記憶に関係する病気の新たな治療法につながると期待されている。)でも、科学の進歩によって変化する未来を想像し、新たな可能性や問題の解決方法を見つけていく。それが出来る人こそ、「最高に頭がいい人」ではないだろうか。

    ・やってきたことが身につくまでの時間ってどのくらいですか?
    →両耳の奥にある器官、「海馬(かいば)」が空間学習能力に関わってくる。脳に入ってきた情報が自分にとって必要か必要でないかを判断するので、海馬に情報が残っている1カ月以内に何度か復讐する(①学習した翌日に復習②その1週間後に復習③2回目の復習から2週間後に復習④3回目の復習から1カ月後に復習すると、3カ月後に定着しやすい。)
    (海馬はタツノオトシゴ(SEAHORSE)のしっぽに形が似ているからこの名前がついている(へぇ!))

    ・勉強に集中するにはどうしたらいいですか?
    →自然界では集中しすぎると生き残れない(敵から逃げられない)。人間を含めて動物たちは、集中しすぎない能力を発達させることで生き残ってきた。また、同じ体制でじっとしていると脳が退屈してくる。ちょこちょこ移動し(環境を替え)、ストレッチも取り入れながらちょこちょこ集中が◎

    ・AIが発達したら計算とかやってくれるのに、なんで勉強なんかやらなくてはならないんですか?
    →AIは便利だが、決して万能ではない。大切なことを大切な人に伝える時には、人間の表情や声が必要になる。

    ・勉強で何回も同じまちがいをしていまいます。どうすればいいですか?→テストは、できたことを確認するよりも、苦手なポイントやひっかかる場所を発見するためのもの。間違えたらその原因をさぐり、失敗の原因を知ることが、次の成功につながる。

    ・簡単に覚える方法はありますか?
    →ない。なぜなら、人間の脳は他の動物に比べて「ゆっくりとあいまいに覚える」性質を持っている。→みたそのままを記憶する動物よりも、表面に見えている情報だけでなくその奥にあるさまざまな情報をつなぎ合わせながら、状況をとらえようとする。そのために時間がかかる。算数、数学なら、「公式がどのように生まれたのか」という理屈(背景)を知ると覚えやすいよ。インプットだけでなくアウトプットするといいよ。そして繰り返しとくと脳が覚えるよ。

    ・記憶力をよくするためにはどうしたらよいですか?
    →感情たっぷりに覚える(「うわぁ!黒船が来た!あの軍服きた外国人はだれ!?」)、声に出して耳で覚える、歩きながら覚える、基礎となる知識を上げる、おもしろがって学習する。

    ・勉強のとき、本当はとける問題をまちがえると勝手に心のなかで暴走してしまいます。どうしたらいいですか?
    →たくさん失敗する方が、のちに学習効果は上がる(学から)。「間違えてラッキー!」と思い、たくさん間違えながら進もう。

    ・学校のルールになっとくがいかない。
    →立ち上がり、先生たちを説得してOK、なぜなら学校という場所は、もやもやしたことであふれている社会に適応していく力をつけるところだから。でも、よく考えてね。学校が許可した時に生まれるデメリットをなくすための新たな提案が必要。

    <モヤモヤそうだんⅡ 自分や友だちのこと>
    ・ぼくの「やる気のスイッチ」はどこにあるんでしょう?
    →脳の中にある(淡蒼球たんそうきゅう。自分の意志でオンにすることはできず、脳の別の場所を刺激することでオンになる)。①運動野(うんどうや)という脳の部分を働かせる。行動を起こすと後からやる気がわいてくる。机に向かい、ガッツポーズをつくる、口角を上げるとかからでもOK②海馬を活発にする。場所を変える、違う問題集を解くなど③報酬系→〇分やったらご褒美!自分をほめる。④前頭葉→理想の自分の姿を思い浮かべる。

    ・いつまでも恐怖心をなくすことができません。新しいことをするときもチャレンジをする気が起きず、こわがってしまいます。なぜですか?
    →恐怖心は賢さ。新しいこと=先が見えないことなので、恐怖心を感じてあたりまえ。紙に具体的にどう怖いのかを書き出すと◎「ここが苦手」「こうなることが怖い」→書き出して見える化する。「書いた内容ほど悪い結果にはならなかった」という経験で不安は小さくなっていく。

    ・どうしたらあまり緊張しないか?
    →緊張するのは、ストレス反応といって、命を守る反応。敵に襲われた時に逃げる準備、闘う準備をしている、本能。そのうえで、①深呼吸②ひとつのことに集中しすぎないよう気をそらす③書き出す④出力シミュレーション(鍵盤を見なくても手は動く、頭真っ白になっても口が覚えている というところまで練習しておく)

    ・朝なかなか起きられません。なぜですか?
    ・友だちがとってもしっとぶかいです。どうしたらその友だちの性格は直りますか?
    →人と比べて、自分が他者より優れていると感じるのが「優越感」、その反対を「劣等感」という。自分と他者を比較するときに生まれる嫉妬や劣等感といった感情は、不安や苦痛に近いものであるという研究結果がある。友達は不安なのかも。

    ・どうしても本を好きになれません。どうしたら好きになれますか?
    ・どうしたら自分に自信がもてますか?
    →ちいさなちいさな「できた」を積み重ねていく・自分の能力が低いこと、足りないものがあることを自覚する。そして、経験を積む(経験がなければ未熟なのはあたりまえ)。
    「自信がないからいろいろ工夫したり頑張ったりしている人間の方が応援したくなる」(ヨシタケさん)

    ・どうしたらリーダーになれますか?
    自分の行動によって仲間に被害がおよんだとしても、その時は自分が責任をとる!と潔く行動できる人がリーダーに向いている。口ばかりでなく、プランを立て、どうフォローしたらよいか先のことをよく考えて決断できることも大切。

    ・毎日死ぬときはどんな感じか、想像してしまいます。どうすれば?
    →悪いことではない。メメント・モリというラテン語のことばがあり、「自分がいつか死ぬ運命にあることを意識して生きよ」とある。死について考えられるからこそ、生をより大切にできる。人間の生死について考えることを、「死生学(しせいがく)」という。死を意識して、毎日を自分らしく生きることで、楽しいこと、面白いことは見つかる。

    <モヤモヤそうだんⅢ ふしぎすぎること>
    ・夢ってなんで見るんですか?
    ・なぜゲームはやらないほうがいいのですか?
    ・ゲームがやめられない! どうすればいい?
    →著者は子どもがやりたいと思ったら止めない。ただ、「宿題をやってから」「一日一時間まで」などのルールは決める。理由は、子どものときから自分をコントロール出来る力を自分でやしなってほしいから。いつか大人になって社会に出た時に必ず役に立つ。

    ・いじめがなくならないのはなぜですか?
    →メモ 「自分が属さない相手のチームは同じような人たちの集まりだ」と思うクセが人間にはあり、「外集団同質性効果」と呼ぶ。隣のクラスは個性がない、他のグループはつまらない集団だ、あの国の国民は自分の国より劣っている と見下したり差別することにつながる。
    「人のクセとして、いじめがおきてしまうことはなくならないかもしれない。でも、そのいじめを「すぐにやめさせる方法」や「いやなきもちを減らす方法」は新しくつくることはできるはず。人の病気はなくならないけど、直す方法はどんどんできてくる、みたいなことじゃないかな。」(ヨシタケさん)

    ・心って人間のどこにあるんですか?
    ・お父さんやお母さんの頭のよさによって子どもの頭のよさが決まるんですか?
    ・遊んでいる時間はとても短く感じるのに、勉強の時間はとても長く感じます。なぜですか?
    ・AIが発達すると人間の仕事はどうなりますか?
    ・科学は進歩しているけど、進歩しすぎるとどうなってしまうのですか?
    →科学の進歩とは、社会に求められてはじめて力を発揮するもの。600年前の室町時代に飛行機なるものを考え出した人がいても、それを実現させる技術や財力は存在しなかっただろうし、そもそも人々が生活に飛行機を必要していたとは思えない。ガリレオ・ガリレイも地動説を証明しようとしたが、社会にすんなりとは受入れられなかった。科学の進歩と社会の熟成の関係性があって進歩する。
    ・いま目で見ているのは本当の世界じゃないかもしれないと本で読んだのですが、本当ですか?

    あとがき(ヨシタケシンスケ):p182
    「池谷先生の話を聞くまでは、「脳が全てを決めている」というイメージがありましたが、「体の状態が脳のありかたを決めている」時がたくさんあるんですね。」
    「子どものころに感じていた「どうしてだろう」という疑問や「なんか変だな」という気持ちは結構正しかったんだな。子どもの頃感じるモヤモヤをたくさん集めて卓さん育てて、世界の秘密をさがしていこう、新しい発見につながるかも。ボクもやる!」

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    投稿日:2023.03.18

  • root3

    root3

    ゲームが好きな研究者が出てきて子供たちには良かったわ~ゲームばかりしていちゃいけない理由は・・・楽しくてやめられないように工夫して作られているからで、中毒症状を起こしてしまうからぁ~ヨシタケシンスケさんのものの見方が好き。猫の絵は下手だったぁ続きを読む

    投稿日:2023.02.26

  • sugarpf

    sugarpf

    子ども向けの本と侮るなかれ。
    大人の複雑なようにみえる悩みはほぐしていくと、子どものときの素朴なギモンにたどり着くのです。
    その素朴なギモンの解決のヒントを得ることによって、いま抱えてる悩みも解決するかも!
    手元に置いておきたい一冊。
    続きを読む

    投稿日:2022.02.21

  • :)

    :)

    小学生の頃のモヤモヤ議論って、大人になると「しょうがない、そういうものだよなぁ」って忘れちゃうものがほとんどだから、新鮮で面白かったよ。素直な議論書き出してみようかな面白そうだし。

    投稿日:2022.02.10

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