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浅野りん / 角川コミックス・エース (1件のレビュー)
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タカツテム
前巻ラストの引きから雪平巴の正体に迫る話が描かれるかも…と期待していたけど、想像以上のジェットコースターストーリーに驚愕してしまったよ 雪と共に去った巴。それが雪と共に再び現れたわけだ 本作のサブタ…イトルって和菓子ネタや時候に沿った諸々が設定される事が多い。だから47~49話のサブタイトルはいつもの流れから大きく逸れているわけではない けれど、葛湯を「クズ」と表現し、その後に「鬼」が続くタイトルはいつにない不吉さを感じるものでしたよ…… 真理が遭遇した初老の男性、回想の中で描かれる巴と父。それらは雪と共に徐々に不吉さを増していき、それがピークに入るのは巴の父が一果に接触した瞬間。本作を読んでいて、あのページほど肝が冷えた瞬間はない 大人が守ってやれない道端での数瞬。ここで一果が素直に助けを求めず誤魔化した姿勢には和と出会ったばかりの頃のような頑なさが見えたね。つまり、一果はあの数瞬でそこまで追い詰められたわけだ そして次なるピークが和と巴の再会シーンですよ!いや、まさかあんなあっさり再会してしまうとは思わなんだ 巴としては父の事を注意したかっただけ。和としては空模様を見に出ただけ。二人にとって思いも掛けない再会。和にとっては嬉しさがこみ上げるような時間、それを一果の呼び掛けから一転して、あのような行為に及ぶとは…… 和は一果の為に巴を殴った。そして一果の為に殴るのを止めた。それは和なりの父親代わりの集大成であるように思えたよ 遂に語られる巴の過去と雪の日の真実 居場所を持たない過去の彼にとって、何も知らずに懐いてきた和や受け容れてくれた緑松はどれだけ暖かい居場所となったのだろう…。緑松を守るために行方をくらまし、一果を守るために緑松に預けて…… 平伍が言うように巴の選んだ道は正しいものではない。けど、自分だけの居場所を持たず、なのに大切なものを持ってしまった彼が考えた精一杯の選択だったのだろうとも思えるよ… 50話のタイトルが良いね。冬籠りしていた虫が土の下から外へ出てくる様を示す言葉。それをなぞるように隠れ生きてきた巴が一果と思う存分に一緒に居る様子が描かれると共に、ここで一果も普段の大人ぶろうとする態度を捨てた年相応の子供っぽさが見えるね 本来在るべき場所に物事が収まった印象。巴自身も母との和解に繋がっていくかもしれない再会が有った、父との事は難しさがまだまだ有ってもこれからの彼の人生は明るい方へ進んでいくのかもしれないと思えたエピソードだったよ ただ、そうなると気になってくるのは一果がこれから緑松とどうなっていくかなのだろうけど…… 小学校卒業、一果の傍には二つの道が並んでいる。果たして一果は父と緑松のどちらを選ぶのだろうね…続きを読む
投稿日:2022.08.14
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