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江上 剛 / 朝日文庫 (2件のレビュー)
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某大手電機メーカー(帯にも後付にも「東芝」とはっきり書いているが...)の不祥事を題材にしたフィクションであるが、他書と同様、江上氏の文章は巧く、一気に読み通せる。 この件は連日のように報道されたの…だが、日経新聞の記事を読むたびに「まるっきし粉飾じゃないか」と思ったものだ。確かあの時は監査法人が意見差し控えを匂わせたようだが、意見差し控えは不適正意見に等しい(と、大学学部時代に監査論の授業で習った)。 フィクションなので少々オーバーに書いてはいるが、これじゃあコーポレート・ガバナンスも何もあったもんじゃないだろうというのが率直な感想(だからモデルの某社は特設注意市場銘柄となって、その後東証2部に降格したわけだが)。 実際、日本の伝統的な大手メーカーのガバナンスは、実態はどうなんだろうと考えさせられた。続きを読む
投稿日:2020.12.30
aki4155
このレビューはネタバレを含みます
希望を持って入社した瀬川大輔。夢を持ってミャンマーで見積した案件が上層部のライバル会社への対抗心からありえない金額で受注が決まり納得が行かない。それどころか会計処理も社内ルールが守られない。「間違ってる」と発言した事で監査部へ左遷させられるがそこで同じ思いの人と会話し、間違いは氷山の一角と知るが会社と戦う勇気がなく自らの命と引き換えに瀬川に託す。会社を愛してる人が居続けられない会社はおかしい。誰か1人でも芽の小さいうちに間違いと止めめらればここまでの惨事にならなかったと思う。 瀬川の事を心配した同僚が協力し秘密裏に行動を起こす。最後は協力者にも助けられ再生へのスタートをきる。協力者が経営者に啖呵(たんか)を切るところが痛快だった。
投稿日:2020.10.28
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