【感想】ほの暗い永久から出でて 生と死を巡る対話

上橋菜穂子, 津田篤太郎 / 文春文庫
(18件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
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ブクログレビュー

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  • Lilly

    Lilly

    単行本で読んで良かったので再読。
    一番初めに上橋さんが、
    「生物は命をつなぐために生きているから、生まれてきたことの意味を問うても仕方ない」
    というようなことを言っておられ、
    私もずっとそう思って生きてきたから共感したんだけど、その続きに、
    「でも、人はどうしてそのような問いを生む脳を持って生まれたのか、そこになんらかの意味があるように思えて仕方ない」
    というような文章が続いていて、
    そんなふうには考えたことがなく、
    目から鱗が落ちる思いがした。
    しかも単行本を読んだのに忘れてたんだけど、
    最後に津田さんがこの問いに答えていて驚いた。
    深すぎる…
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    投稿日:2023.12.20

  • 花の宴

    花の宴

    上橋菜穂子さんが好きで手に取ったもの。医師の津田篤太郎さんとの往復書簡本。
    作家と医師という正反対の立場から、生と死、性などのテーマを、小難しい説明ではなく経験や知識などから解釈して語り合っているのが面白かった。
    結局、遺伝子の乗り物に過ぎない私たちが、そうシステムされているはずが、なぜ生きるのか。
    人間は生も性も、生殖以外の価値を見出すようになってしまったのだろう。そして、何のために生きるのか常に考え続けるのかもしれない。
    話の中では、ミノガの話、AIの話、予測誤差の話が印象的だった。
    図書館で借りたのだけど、買いたいと思った。
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    投稿日:2023.03.17

  • もいち

    もいち

    このレビューはネタバレを含みます

    164ページの「私は身体が喚起してくる感情をコントロールできないのだ」と言う言葉が深く印象に残りました。自然に、生物学的なレベルで生じる反応は本当に生々しくて扱いづらいけれど、それを含めて自分だと、コントロールしようとしすぎずに受け入れていくことは大切だなあ、と感じ入りました。

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    投稿日:2023.03.17

  • こうき

    こうき

    副題に「生と死をめぐる対話」とあるが、対談ではなく往復書簡という形式になっている。テーマは重いが、エッセイとして読むこともできる。
    上橋氏が他界されたお母様を心から愛しておられることが文章、行間から伝わってきた。
    無論悲しい話なのだが「これほど親を愛せるのか」という点では羨ましいとさえ思った。
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    投稿日:2022.06.25

  • Pupu Honza

    Pupu Honza

    文庫本化にあたってパンデミックにまつわる往復書簡が加えられたと知って即購入。
    でも、これまで手につきませんでした。
    新刊書の場合、作家たちの描くことは、時代先取りのことが多く、読み手として追いつかない、理解するのが難儀なことが多いから。もちろん、購入してすぐ読み始めたのですが、ちょっと熟成させました。この作品の最後の稿が認められてから一年半以上が経ち、改めて手にとって一気読み。それぞれのご専門のことを例に挙げながら、また、視野や守備範囲、人との交流の広さから知り得たことも、縦横に伝えて下さっています。一読者としては、やはり途中で迷子になり、また、時を置いて読み直すと気づくこと、感ずることも増えてくるのではないかと思っています。

    生と性と死を巡る対話、でしょうか。
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    投稿日:2022.02.08

  • ayaka

    ayaka

    お二人の言葉の選び方が美しく、とても気持ち良く読み進められました。時節の挨拶ひとつにしても、なんて鮮やかな表現なんだろうと感動の連続。
    生と死という、一番身近でありながらどこか考えることを避けてしまうことについて、様々なお話を交えながら対話されています。興味深い話がたくさん出てきて、一気に読み進めてしまいました。続きを読む

    投稿日:2022.02.03

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