【感想】80's エイティーズ ある80年代の物語

橘玲 / 幻冬舎文庫
(10件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
3
5
2
0
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ブクログレビュー

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  • 裏竹秋

    裏竹秋

    ☆3.5 少女雑誌
     柳澤健の『2016年の週刊文春』みたいな編集者本だが、異るのは後で著者が転身すること。
     著者がブラック就労のなかでつくった不良少女向け雑誌(暇で、セックスや家出を渇望する80年代)が中曽根内閣時代の国会で取り上げられ、廃刊になるといふエピソードがすさまじい。
     明晰なかたで、高校時に読みふけったドストイェーフスキーが、高尚な世界文学ではなく、大衆向けの娯楽読み物と喝破するあたりに、只者ではない感じがする。
    続きを読む

    投稿日:2024.05.05

  • もなオレオ

    もなオレオ

    70,80年代の音楽やファッション、人を好む傾向があるのでこの時代を深堀たいと常々思ってた。図書館で偶然見つけて読んだら良書でした。
    文明開花と同じくらい激動だったのがこの時代なのではなかろうか、(知らんけど)。
    最後の数ページが私にとっては、警告というか恐ろしさを感じたページだったので何にせよ、日課や情勢に左右されず日々を積み重ねだと思いながら生きることが大事だと思いました。
    地下鉄サリンや、ポモ、ドストエフスキーなど新たに深掘りたいものも見つかりました!
    なんとなくクリスタル、は必読だナ
    続きを読む

    投稿日:2024.02.29

  • プーさん

    プーさん

    橘玲の言ってはいけないがかなり辛辣だった印象があるので、身構えて読み始めた。すると、思ってたものと違い、面白かった。僕が橘より近い世代(少し下の世代)ということもあるだろう。たまに何となく80年代って何だったんだろう?と考えることがある。本書に答えが記されている訳ではないし、橘の過ごした個人的な80年代が書かれているに過ぎない。でも、80年代の空気感がリアルに感じることができ、新たな発見もあった。続きを読む

    投稿日:2022.03.09

  • テルヲ

    テルヲ

    80年代~90年代に、出版·編集として働いた作者による自伝。
    その時代の世相や風俗を知ることができて面白い。
    一方で、バブルを中心とした世相描写やその思想については、生まれてから不況ばかりの若い読者にとっては、興ざめしてしまうようにも感じた。続きを読む

    投稿日:2021.09.02

  • kofsan

    kofsan

    不良少女雑誌作り
    雑誌発行差止事件
    士農工商は部落差別語か
    オウムの取材
    海外宝くじ購入代行会社

    投稿日:2021.04.17

  • tsukasa26

    tsukasa26

    当時は活版から写植への切り替えの時期で 巷に溢れる自薦他薦のプロレス評論家ほど コロシウムの時代より連綿と受け継がれた格闘技の基本である 力道山の空手チョップによる反撃などは、この様式美のもっとも完成されたドラマであろう。人々はそこに、宗教的な解放すら感じたのである。 自己の存在を顕示していこうとするタイプ それでも国民の間に凄まじい力道山幻想を巻き起こした 技を日本語として表現するだけの思想がないのだ プロレスにカタルシスを求めている 宗教儀礼のクライマックスが教祖と信者の接触であることによって 堤清二率いるセゾングループの全盛期で 寡婦控除ならぬ寡夫控除 父子家庭 「共同体主義者(コミュニタリアン)」の人達とはまったく話が合わないだろう エビデンス(証拠)のある元気結果から目を背けるのではなく 「屠殺」と「屠る」の語用が多かった 凡ゆるタブーを俎上に載せて笑いのネタにしてしまおうというのだ 漂泊への抗い難い憧憬がある ファンダメンタリズム(原理主義)がテロの理論に変容する過程が分析される 世俗の暮らし 「私が愛した『爆弾娘』」 悔恨 カルト教団の引き起こした異常な事件と、「ウィンドウズ95」が予告する光り輝く未来との間には、気の遠くなるような距離があった きそん毀損 為替手数料を上乗せした価格で海外宝籤を販売するのだから レゾンデートル(存在理由) それは確かにある種の慧眼ではあった 社会の周縁でビジネスをしていると 外套がいとう 礎いしずえ さんぴん茶で郷土料理を食べていたのだ 豪奢ごうしゃ 知悉ちしつ 「差別表現」を巡って「糾弾」された一部始終を回顧する件 開陳かいちん 眺望ちょうぼう この時代を活写した回想記ならば 論客ろんかく それまでの近代の思想が奉っていた意識とか主体とかを疑い 雑駁ざつばく 意識や感情を脳内物質の作用であるとばっさりやって人気を博していた 凡ゆる綺麗事、理想、正義、道徳、価値が、偶々そういう事とされたお約束に過ぎぬと見定められた時、氏の言うように、「『自分こそが『真理』を独占している」という「ものすごく気分がいい」優越感に浸れる。そうして、「自分が何者でもない」惨めさを、一時であれ、忘れることができるのだ。では、そんなポストモダン思想によって、正義や理想を否定したとき、後に何が残るだろうか。それは、ポストモダンの大先達とされるニーチェがいう「力」とか「生」とか「無意識の衝動」、そのバージョンである「欲望」とか「快楽」とかだった。 矜情続きを読む

    投稿日:2020.12.23

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