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冨山和彦 / 文春e-book (35件のレビュー)
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rafmon
著者、冨山和彦の父がカナダで生まれた日系移民二世である事を本書で知った。切れ味抜群で視野も専門領域も広い著者の切り口は非常に参考になる。本書では特に、日本的経営とは何かについて歴史を辿りながら紐解いて…いく。その上で、何が必要か。思考そのものをトランスフォームしていく。日本を鳥瞰するメタ認知は、もしかすると、著者の生い立ちも関係しているか、と思ったというのが冒頭の話だ。 終身雇用、年功制、企業別組合という言葉は、日本人の発明ではなく、日本の企業と経済社会システムについて研究したジェームズアベグレン氏が生み出した言葉である。同氏は、太平洋戦争において海兵隊員としてガダルカナル島、硫黄島で日本軍と戦い、終戦直後は広島に滞在した。 戦前は、こうした日本式の仕組みではなかった。明治から大正の日本の産業組織における欠陥として、当時の多くの経済学者が指摘していたのは、労働者の定着率の低さ。それ故の技術の継承や生産性の向上における妨げ。つまり、従業員の職業人生と家庭人生がシンクロするのは、終身雇用制と年功制が一般化していったのは1950年代半ばから。それが一時もてはやされた。 しかし、今時のマネジメントの仕事はどんどん難しく、厳しくなっていて、単に年功で歳を取り、経験を積んだだけで勝負ができるような仕事ではなくなってきている。 将来投資、新領域の探索投資というのはR&Dであれ、設備投資であれ、M&Aであれ、ほとんどがイノベーション的要素を含んだハイリスク投資である。成功と失敗の幅が大きいために、持続的に探索から需要化のサイクルを確保するためには多くのM&AやR&Dプロジェクトを走らせなくてはならない。これを借金でやっていたら大変なことになる。基本的には自分の会社の本業が生み出す営業キャッシュフロー、財務的に言えば、内部調達のエクイティ性の資金でやるべきだ。 この辺は、著者が出版に関わった『両利きの経営』の主張をなぞる。 タフアサインメントでリーダーをやらせてみて、その様子から本当の姿を見る。若手にチャレンジを。事業にもチャレンジを。本業で生み出すお金を挑戦に向ける事が肝要だ。続きを読む
投稿日:2024.01.30
rinreo DAD
非常に読みやすく、人口減少を踏まえた経済環境に対応する新たな企業のあり方の提言がなされている。 出資先と対峙する際の拠り所になっている。 特に、大企業病に侵食された人、プロダクトアウト型の思考のおじさ…んなどなどには是非とも読んでほしい。そんな人は読んでも自分とは思わないか。。 富山さんの明快な論理展開が素晴らく、物言いも堪らない。続きを読む
投稿日:2024.01.24
うち
• P272 地方→低生産性、低賃金。それが都心へ。しかし、家賃や物価高い→共働き、出生率低下。 • P279 みちのりグループ、ローカルデジタルトランスフォーメーション • P295 IGPI流 ロ…ーカル企業復活のリアル・ノウハウ • 伴走支援型 成功報酬45% • • スマイルカーブ 続きを読む
投稿日:2023.06.02
ブクヨム
ニッポンのカイシャがこのVUCAの時代に生き残るために、再生のプロである著者が状況認識、叱咤激励およびアクションプランを提言した一冊。難しい理論を用いず、わかりやすい語り口。 表紙には「JAPAN: …CX for DX」とあり、DXによる変化を意識したCXとも読める。 キーワードは「両利きの経営」、つまり既存事業の深化によりキャッシュを生み出し、それを新規事業の探索に投資することで、サステナブル経営を実現しようというもの。カイシャの仕組みや慣習を憲法に見立てて、それを改憲せよと、具体的項目を列挙している。 大企業向けだけでなく中小企業向けもあり、ニッポンのカイシャ変革への熱い想いがよく伝わってくる。 中期経営計画の策定前に、心構えとして心に留め置きたい。続きを読む
投稿日:2023.02.23
K.A.Z1001
DXを推進していくには、そもそもそれを推進していける組織としての体制を変えなければいけない、というのがCXという考え方である。 日本の会社では、終身雇用や年功序列という制度、高度経済成長期での大量生産…、販売にあった体制はそれはそれで合理的であった。ただ、現在は破壊的イノベーションにより業界によってのビジネスモデルは変わり、新しい時代のデジタル型のビジネスモデルの領域ではこれまでのようなモデルでの成長はできない業界が増えている、今の時代に合わせて会社の体制に変革をしなければならないということである。例えると、ある程度定型的にゲーム展開ができる野球と、常に連続的に状況が変化していく中でゲーム展開するサッカーと、やる競技が変わるくらい違う。 学びメモ ・スマイルカーブ現象 バリューチェーンの川上と川下のレイヤーは付加価値を生み、付加価値率が高いが、その間に挟まるレイヤーは付加価値率が低くなる ・EMS 付加価値の低い工程を複数社からまとめて引き受けて規模効果を出し人件費の安いところでローコストで請け負うというビジネスモデル ・ファブレス 生産工程を外注して自らはデザインやマーケティングに集中する、等 スマオルカーブの右側の領域を抑える産業アーキテクチャを構築できるかが重要。 イノベーションの時代を戦うには、既存事業を深化して収益力、競争力を強固にする経営と、イノベーションによる新たな成長機会を探索し、ビジネスとしてものにしていく経営の、両効きの経営が求められる。その両方ができるような組織能力を身につけ、アーキテクチャを変容するのがCX経営である。 戦略と組織密接不可分である。 その他 日本企業のこれまでの成長過程と、その中で破壊的イノベーションを起こした企業、変革に対応して回復した企業の事例がいくつか載っているのが参考になる。 また、求められる人事組織管理、組織体制、財務体質などもまとまっている。 続きを読む
投稿日:2022.08.31
ヘンリー
両利き経営をする為のCX。会社の組織、機能、ガバナンスもさることながら、それを担う人の重要性について改めて認識できた。
投稿日:2021.10.10
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