【感想】古関裕而の昭和史 国民を背負った作曲家

辻田真佐憲 / 文春新書
(10件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • すいか

    すいか

    朝ドラ「エール」を観て興味を持った。

    昭和の時代ほぼすべてにかけて活躍した作曲家。
    戦前のヒット曲からはじまり、戦時中の軍歌、戦後の「長崎の歌」などが生まれた秘話。戦後が駆け足だったかな。

    奥さんが株に夢中だったとか、ドラマには描かれていなかったので、面白かった。

    ドラマに描かれているとおり、人柄も素晴らしかったことが分かった。
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    投稿日:2021.02.25

  • tomoelog

    tomoelog

    朝ドラ「エール」が面白かったので昭和歌謡に興味がわいたのもあって購入。時代に合う音楽、ヒット曲とはどういう要因でできるのか、などの話を戦前・戦中・戦後を通じて描かれていて面白い。特に当時の社会情勢と関連付けて論じているところは読み応えあった続きを読む

    投稿日:2020.12.16

  • さよなら!僕のマクガフィンたち

    さよなら!僕のマクガフィンたち

    ラジオ番組アフターシックスジャンクションで特集されて購入したものの、積読状態でしたが、かろうじて朝ドラ完結前に読了しました。

    彼の楽曲は、戦前も戦後も日本大衆の世論を掴んできたため、彼の人生を語ることは、日本大衆世論のフォレストガンプ的な歴史物語となる。

    クラッシックへの憧れや軍歌の制作に従事したことへの後悔は、朝ドラでも描かれていましたが、この本では、時代の波に上手く乗れたこと、彼自身がノンポリであったこと、また妻の金子が株にのめり込んでいく様など、なかなか描かれないエピソードや著者の人物描写も面白い。

    レコード製造枚数からレコードの売上枚数を割り出し、その数字の凄さを説明されてたりと、独自の数字根拠が掲載されているのも魅力だし、僕のようなCD 世代ではわかりにくいレコードの説明もとてもわかりやすかった。
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    投稿日:2020.11.23

  • kaze229

    kaze229

    「東京オリンピックマーチ」
    高校野球甲子園の「栄冠は君に輝く」
    プロ野球球団阪神タイガースの「六甲おろし」
    映画ゴジラの「モスラの歌」
    NHKのお昼の定番曲「ひるのいこい」

    そのぐらいしか 知らなかった
    ただ それだけでも
    十二分に天才作曲家だと思う

    本書では
    それらの歌の背景を実に丁寧に
    語られると同時に その時代が語られる
    戦争前~戦時中~戦争後を
    作曲という表現で生き抜かれた
    古関裕而さんを
    興味深いエピソードとともに
    語られていく

    歌は世につれ
    世は歌につられ
    まさに そのままの
    昭和史の一冊です
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    投稿日:2020.06.09

  • qingxiu

    qingxiu

    朝ドラが始まるとそれにちなんだ本を読むのが習慣になっている。今回は古関裕而ということで、奥さんの金子さんが豊橋出身ということもあり、興味をもって見ている。古関の本はいくつかあったが、このほど辻田さんの本が出たのでこれを読むことにした。辻田さんは軍歌やレコードに関する本も書いていて、きっと他の本とは違いがあるだろうと思ったからである。辻田さんの本書はまずよみやすい。スラスラと最後まで読ませる筆力がある。古関の人生は、ヨーロッパの作曲コンクールに応募したのが一つのエポックで、戦中戦後と続く。古関はこのコンクールで二等になり、ヨーロッパ留学というおまけまでついていたのだが、実際には行かなかった。いや、行けなかった。それがなぜかは別にその謎を追いかけた本がある。行ったらどうなっただろう。しかし、古関は行かなくても昭和を通し5000曲もの歌をつくった。しかも、かれの特徴は歌謡曲から軍歌、校歌、社歌等々幅広くつくっていることである。それも、苦もなくつくる。これはかれの中に曲のイメージがつぎつぎと湧いてくるのだろうが、凡人にはとても想像できないことである。
     その古関はヨーロッパに行かなかったあと、コロンビアに入社し、そこで曲がつくれなかったスランプ時代はあったものの、つぎつぎと曲を生み出した。辻田さんは、それらがどのくらい売れ、どのくらいの印税になったかというデータを探し出したことである。これはとてもわかりやすいし、当時売れるということがどの程度の量を超えるかまで示したことである。
     ぼくが驚くのは古関が、ぼくにもわかる軍歌をつぎつぎと作りだしたことである。なんだあの曲も古関だったのかというものが少なくない。当時は作家も大陸や南方へ送られ、戦意発揚の作品を書いたのだから不思議ではないが、そこには国や軍を疑うという発想がまるでない。そんなものなのだろう。もっとも彼のつくる軍歌は短調が中心で、いさましさの中に哀愁もただよわせる。それが長く歌い続けられた理由だろう。ぼくも軍歌はもの悲しいと思う。そして、戦争が終わると今度はラジオドラマを中心に活躍する。「とんがり帽子」の歌はぼくの耳にも残っている。『長崎の鐘』はときおりカラオケでも歌う。さらに、「君の名は」といっても昔のそれだが、その主題歌を始め、ザ・ピーナッツが歌ったモスラの歌もかれだった。そして最後はオリンピックマーチ。かれはまさに昭和の歌の歴史を代表する作曲家である。一つ不満を言えば、本書では金子のことがあまり出てこないことである。戦後株に夢中になった時代があったとかあるが、それ以上のことは語られていない。これは本書が『古関裕而の昭和史』である以上仕方のないことか。
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    投稿日:2020.05.03

  • bukurose

    bukurose

    朝ドラ「エール」がおもしろくて古関裕而?知らないなあと思いちょっと検索してみると、早稲田の応援歌「紺碧の空」「東京オリンピックマーチ」高校野球甲子園の「栄冠は君に輝く」はては「モスラの歌」おうおうみんな知ってるなあ、はてさて「イヨマンテの夜」メロディは思い出せないけど昭和40年代あたりNHKのど自慢でよく出場者が歌っていたなあ、さらに調べるとNHKのスポーツ番組の導入歌、「ひるのいこい」の開始の歌ときた。さらに「露営の歌」「若鷲の歌」示された歌詞をみると、”勝ってくるぞと勇ましく”、”若き血潮の予科練の” 戦争映画などでよく歌われている。俄然興味がわきこの本を読んでみた。

    「イヨマンテの夜」をyoutubeで聴いてみると、なるほど歌自慢の人が歌いたがる歌かもと思った。伊藤久男という歌手はかなりな声量がある。伴奏はそのまま「モスラ」を歌ってもいけるか、とも感じた。

    著者の辻田真佐憲氏、1984年生まれながら軍歌の研究者らしい。軍歌にかたよった内容なのかと危惧したが、題名のとおり、古関裕而の一生と曲が、昭和史の流れと共に分かるようになっていた。分かる、というより、平易な文章で小説的な手法で古関氏の曲と一生が流れ込んできた。そして巻末の参考文献をみると新聞、会報、など細かい多くの資料を参考にし、もちろん遺族やコロムビアなどへのインタビューもしたようで、真実性もあると見た。4時間で一気に読み終えた。

    1909年(明治42年)生まれ。1929(昭和4年)~1939(昭和14年)が20代、1945年が36歳である。軍歌をたくさん作曲しているが、その時代を生きた者としては、「その時代にいたから」というしかないのではないか。ほとんどすべてが新聞社やNHKなどからの依頼だ。

    曲は身近にあったのに、名前を知らななかったのはどうしてなのかなあ。服部良一などは歌とともに名前もよく知っていいたが。

    ドラマでは弟がちょっと父にないがしろにされているようで、このあとどうなるのかなあ。本では5歳下の弟がいたとあり、戦争中は弟は福島市で所帯を持っていたとあったが。

    2020.3.20発行
    2020.4.25購入 
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    投稿日:2020.04.25

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