【感想】いいたいことがあります!

魚住直子, 西村ツチカ / 偕成社
(30件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
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11
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ブクログレビュー

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  • うみうし

    うみうし

    良著だった〜泣いちゃった。過酷な環境から生まれた才能を賞賛はしても、過酷な環境を意図的に作っちゃなんねえよな。

    これをそっと渡してあげたい目下母親と格闘中の女子はいるけどその子の親にバレたら喧嘩売ってるみたいになるから渡せねえぜ!下手したら首が飛ぶからな!だから自分で見つけてくれェ…!!頼む…ッ!!目につくところには置いておくから…!!見つけてくれェ…!!続きを読む

    投稿日:2024.02.20

  • norita

    norita

    小6との息子とのぶつかり合いを重ねながら読んだ。親の期待を押しつけていないか、子どもの気持ちを理解しているか、自問自答することも多かったけれど、この本は母が子どもの時に感じた思いを思い出してはっとしたのかもしれない。とても気持ちがわかるし、子ども目線の視点に気づきを感じた。続きを読む

    投稿日:2024.02.19

  • asai

    asai

    タイトルが気になって読んでみた。小学4年生陽菜子ちゃんのお話。子どもの時の記憶や気持ちはどんどん忘れてしまうからこういう本を読んでちゃんと思い出さなきゃなと思った。おもしろかった。

    投稿日:2023.09.12

  • はむ

    はむ

    母親と娘、歯に絹着せぬ物言いは信頼があってこそ…というのは言いたいこと言う大人の言い訳。配慮のない言葉は肉親であっても、いやだからこそズバズバ子供を切り裂くのだ、というのは全編を通して感じました。
    場が違えば見え方がぐんと変わる互いの主張。男、女、親、子供…この本のタイトルに、歩み寄りの大切さを考えさせられました続きを読む

    投稿日:2023.06.26

  • ajiantamsong

    ajiantamsong

    良かった。魚住さんの作品は、どれも小学校高学年くらいから読めそうなやさしい文体。でもこの本の内容は、大人の女性になってこそ分かるのではないかと思った。
    特に、主人公の母親の気持ち。

    主人公は中学受験のための塾が嫌になってきている。理由は友だちと遊べないから。また、女である自分だけ家事の手伝いがあるのに、中学生の兄はほとんど何も言われないこと。

    それについてを母親に文句を言うと、きまって
    「お母さんの子供のときはもっとたくさんの家事をやって、勉強もやってた。」と言われてしまう。

    でもこのお母さんも、成績がよく一流の会社に入ったのに、夫の転勤についていくために泣く泣く退職した過去があった。

    子供といる時間を優先するのか、仕事なのか、私も悩んだことがあるから分かる。

    また、主人公の理不尽な気持ちも分かる。家事に関しては、最後母親が理解してくれて、兄にもやらせることになったけど。

    手帳を開くと出てくるスージーという女の子。彼女に話を聞いてもらううちに、主人公は変わっていく。

    塾をさぼったりもしたけど、最終的には自分がどうしたいか考えられるようになった。

    よい読後感だった。
    続きを読む

    投稿日:2023.03.24

  • kalsj

    kalsj

    このレビューはネタバレを含みます


    2023/2/24-25

    半年くらい前に『考えたことなかった』を読んでいて、その前作にあたる本作をようやく読めた。
    前巻の記憶がだいぶ薄れているためかもしれないが、こっちのほうが面白かったかな~~。

    女性に家事労働を押し付ける差別的なジェンダー規範がメインテーマかと思っていたが、「親(母)の抑圧に対する子ども(娘)の反発」が主題だった。
    主人公の陽菜子は小6で、中学受験(のための塾通い)が大きく取り上げられる。いちおう自分も中受経験者ではあるが、塾に通わなかったのもあって、ほぼ他人事として「中学受験を親の意向で強制させられて塾にいやいや行かされる子どもたちはなんて可哀そうなんだ……やはり中受は害悪……」という安直な想いを抱いてしまった。(こんな素人の片手間の感想ではなく、真面目に、中学受験の問題点に関しては専門家によって研究・議論されるべきだと思う)

    母親への反発を見事に綴った手帳の持ち主・スージーの正体に関しては、予想通りなのはどうでもよくて、母親の抑圧に対する反感に同意してくれた心強い逃避先までもが「母親(の子ども時代)」というのは、ある意味ではとても絶望的な袋小路であると思う。とはいえ、スージーと陽菜子がふたりで得手勝手舞踊をするくだりなんかはとても好きでした。得手勝手舞踊がもともと好きなので、それにこうして軽やかに名前を与えてくれたことが嬉しい!

    自分には優しかった快活なお祖母ちゃんが、実は小さい頃のお母さん(=娘)に対しては厳しく抑圧的だった……というような単純な二面性による人物造形は正直呆れた。しかし、陽菜子を遊びに誘ってくれる学校の友だちが、実は地元の中学へ進学する知り合いを増やすための「塾辞めさせキャンペーン」で動いていた……という展開は、単純な二面性であるとは簡単に割り切れないもので、良かった。

    本作への最大の不満点は、「父親」の存在が希薄であったこと。学業優秀で大企業に入ってバリバリ働いていた「お母さん」が、妊娠出産育児と夫の転勤のためにキャリアを諦めて専業主婦になり、娘に抑圧的な言動を取るようになった……という一連の流れで、もっとも責任があるのはまず、「育児=母親の仕事」という規範を滅ぼせておらず、キャリアを続けながら出産育児をするための制度が不十分な社会そのものである。そして次に責任があるのが夫=父親だろう。母親当人の責任はあくまでその次の筈なのに、母親の自己反省のみに終始してしまうきらいがあったのは非常に残念だった。 母親への文句を愚痴って相談するために陽菜子が初めて父親に電話をするシーンがあるが、そのとき父は会社の飲み会/カラオケの最中で酔っぱらっていて、全然まともに取り合ってくれなかったトホホ……という描写で「夫=父親=男性の至らなさ」をコメディ的に描くに留まってしまったのは明確な瑕疵だろう。むろん、本作のメインは母娘関係であり、社会構造とか父親/男性にまで話を広げるのは難しく、「有害な男性性」は次巻の主題であるからある程度は仕方ないのかもしれないが、もう少し求めたい。(次作『考えたことなかった』でも、父親はたしかほとんど登場せず、糾弾されるのはお祖父ちゃんであった。)

    批判が多くなってしまったが、この作品をわたしが楽しめたのは、思想/テーマ面というよりは、ストーリーである。とくに終盤、模試をサボって、神奈川・三浦半島の海辺の町にある、亡くなったお祖母ちゃんの家(お母さんの実家)へと忍び込むところなんかは、ファンタジックではない冒険モノとしてのスリルがあって良い。そもそも、母親の口調を騙って塾に電話をして塾をサボって友だちと遊んだり、塾用に母が作ってくれたお弁当を自分の部屋で食べて味を感じられなかったり、サボりがバレて怒られたりと、親・大人によって敷設された〈日常〉から一歩〈非日常〉へと自分の意志で踏み出していくさまが生き生きと描かれているのが本書のいちばんの読みどころだと思う。小学時代から、「塾をサボって好きなことをして過ごしてバレて怒られる」という経験ができる点で(のみ)、やっぱり中学受験にも価値があるのかもしれない・・・。(いや、そんなもん中高に上がってからでええんやで。小学生は何も気にせんと遊び回ればええんよ……)

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    投稿日:2023.02.25

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