【感想】魂でもいいから、そばにいて―3・11後の霊体験を聞く―(新潮文庫)

奥野修司 / 新潮文庫
(23件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
6
10
3
1
0

ブクログレビュー

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  • のんさん

    のんさん

    このレビューはネタバレを含みます

    東日本大震災で、家族を亡くされた方の遺族が体験した不思議な霊的な話。夢であらわれたり、おもちゃのスイッチがかってについたり、遺体が見つかった場所に行くたびに、遺品が見つかったり不思議な体験がたくさん乗っていました。私が一番驚いたのは、津波で家族をたくさん亡くした人が避けられたり、たくさん保証金がでたんだろと噂されたり、同じ被害者の中で、人間不振になるような行為があるんだと思いました。天皇陛下が訪れて、お声掛けしてもらい立ち直ったというエピソードもありました。

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    投稿日:2024.04.12

  • Tacty

    Tacty

    震災から年月が経ち復興が少し進んでも、生まれ育った街や失ってしまった人は元には戻らない。
    あの日、一緒に逃げられなかった後悔にいまだ苦しむ残された人の夢に現れる今は亡きその人達。
    もう触れる事も話す事も出来ないのに感じる。
    想像でも妄想でも良い。そばにいる。
    続きを読む

    投稿日:2024.03.15

  • のんちゃん☺︎☺︎☺︎

    のんちゃん☺︎☺︎☺︎

    生死の境目対して抱いてた境界線、漠然とした恐怖が曖昧になった。
    3.11で被災こそしていないものの、被災地で民泊をした経験から就職先を選ぶほどターニングポイント。大切な人を失った後の人生を過ごすのは「他の大切な人を傷つけないため」って人を間近でみて、話を聞くことができて本当によかった。続きを読む

    投稿日:2024.02.22

  • つー

    つー

    正直なところ、震災当時は九州に住んでおり、関東の様な余震すら感じられなかった事、さらに10年以上の月日が経過し、記憶からはだいぶ薄れてきていた。勤めていた会社は本社が東京にあったし、同僚の親族や社員自身も数名が行方不明となり、家族も関東に暮らしていたから聴き伝わってくる情報はある程度はあった。しかし自身が直接的に経験していないことが、何処か遠い世界の様にも感じられた。仙台始め東北地方を周遊したりと若い頃は何度か訪れた地が津波の映像で流されていく様は、そんな外側の人間から見ても恐怖と悲しみに渦巻いていた様に思う。当然被害に遭われた方々や家族を亡くした多くの方々にとっては、私などでは想像も出来ない苦しみがあったと思う。
    本書を読む前にも、情報として触れてきた被災者の不思議な体験は衝撃的だったし涙なしには見る事もできない様な体験話が多かった。だがやはり時が経過すると記憶も薄れる。そんな私が何気なく本屋で手に取ったのが本書だ。時間が経つにつれ、歳をとるにつれ同じ国で起こったこの大きな悲劇を記憶に残さなければと急に思った。誰かが「忘れないで」と言っているかのように。
    普段霊的なものを信じるとも信じないともどちらの立場とも言えない。幼い頃や若気の至りで「危ない」場所で体験した事も、当時は事実と信じていたが今となっては詳細は忘れたし、偶々とか見違えたとか酔ってたと言われれば確かにそうだったのかもしれない。とは言え人のその様な経験も心理的なものか非科学的な何かあっても、特段おかしくはないと思う。よく見てる夢だって実際の体験とは違うから、私の記憶や考え方が、眠りによって外界から遮断され、頭が一番フラットな状態で意識を映像化しただけだと思う。それが強い願望、深い悲しみなど通常とは違う精神状態にある時に、眠っていない状況で見える事もあろう。また同時に複数人で体験する事も科学的に証明できない以上は「ない事も証明できない」と考えれば否定はできないと考える。
    その様な考えであっても、本書を読み進めるのはかなり辛い。筆者が言うとおりノンフィクション作家が扱って良い内容かという葛藤もわかる。あまりにリアルであまりに悲しく、そしてあまりに切ない。読書が追体験であればあるほど胸が苦しくなる。人目も憚らず涙が溢れて止まらない。
    なぜあの時、なぜ言わずに、なぜ救えなかった、この様な心の叫びがインタビューの描写と文章から滲み出てくる。また、それを抱えながらも強く生きようとする人々。失った大切な人と一緒にいるから救われている。それを否定できる人間などいないだろう。
    感受性の高い方は読む場所や時間は選んだほうが良い。また本書を読む事で強く生きる糧として欲しい。
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    投稿日:2023.04.23

  • 諒(りょう)

    諒(りょう)

    最初はタイトルに惹かれて、興味半分の購入でした。

    最初は怖いかなと思ったのですが、読んでいくうちに鳥肌が立ったり、相手に対する愛する思いみたいなので泣いたりとしました。
    私は、被災者ではないので、当時のこともニュースで見たぐらいで詳しくは知らなかったです。
    ただ、この本を読んでみると、体験したことないはずなのにその現場にいるような気持ちになる、みたいな、言葉で説明するのが難しいですが、そのような気持ちになっていました。

    また、本にも書かれていたように、この様な霊体体験をしたというのは、科学的には説明も再現もできないため、本人の気の所為や幻覚せん妄、偶然と言われてしまえばそれまでです。
    ただ、この本を読むと、世の中には科学では説明できないことはたくさんあり、私が知らないだけで多くの人がその様な体験をしていたことがあるのではと思いました。
    続きを読む

    投稿日:2023.04.01

  • saga-ref

    saga-ref

    12年目の3.11が到来する。本書は知ってはいたものの、購入には躊躇していた。文庫化されたのを機に読了。前段の躊躇は思い過ごしだった。自分も、大好きな祖母が亡くなった時に、霊でも良いから会いたいと思った。それが、大震災のために近しい人を亡くした遺族には、もっと切実な願いなのだ。第1話は妻を失った話だが、涙しながら読んだ。それ以降は、覚悟を決めながら少しずつ読み進めた。すると、ここで語られる不思議な体験は、生き残った人々が生き続けるための切っ掛けになったという結果につながったことを嬉しく思う自分がいた。続きを読む

    投稿日:2023.02.15

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