【感想】夜長姫と耳男(乙女の本棚)

坂口 安吾, 夜汽車 / 立東舎
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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ブクログレビュー

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  • ひまわりめろん

    ひまわりめろん

    素晴らしい!

    というわけで、23おネエは坂口安吾プラス夜汽車さんの『夜長姫と耳男』です

    いやぁ、面白かった
    やっぱ坂口安吾いいよね
    残酷過ぎる夜長姫、彼女がなんのメタファーなのかってところよね
    こをどう捉えるかでこの作品の印象というか感じ方が変わってくると思うんですよね

    いやメタファーも何も無いただのソシオパスじゃん?ってのもありだと思う
    わいはなんだろう?それこそ「死」そのものちゃうかな?と思いました
    解説とか読んだらぜんぜん違くて恥ずかしいことになるかもしれんけど、それでいいのだ!
    どう受け取るかはこっちの勝手だ!w

    で、坂口安吾もすんばらしい
    夜汽車さんのイラストもすんばらしい

    なのに、なぜ★2?っていうね

    いやだってどう考えても耳男って醜男じゃん!こんな二枚目の描写、作中に一個もないよ?馬面って書いてあるよ?
    本気の馬面書いちゃったら『乙女の本棚』のコンセプトから外れちゃうのかもしれんけど、そしたらこれを題材に選ばなきゃいいじゃんって思うのね
    まぁまぁの中編(107ページ)でイラストの割合が少ないのも、だったらポイント

    乙女の本棚に合ってると思えないこの作品を選んだ立東舎に★2です!
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    投稿日:2024.04.14

  • しまだぬき

    しまだぬき

    恥ずかしながら、この年になるまで坂口安吾のことをよく知らなかった。数年前に『堕落論』を読んで興味は持っていたが。
    で、この話。なんか一周回って愛の話なんじゃないかと思った。相当いびつだし、登場人物の誰一人として思い入れはできないけど。ヒメの最期の言葉が呪いのように残っていて、そのせいかもしれない。
    『桜の森の満開の下』でも思ったけれど、絵本のようにうつくしいイラストが、作品をいい意味で読みやすく、イメージしやすくしていると思う。読む人を選ぶとは思うけれど、夜汽車さんのイラストも一見の価値ありなのでぜひ読んで!
    …落ち着いたら坂口安吾の他の作品にも手を出したい…。
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    投稿日:2024.03.07

  • おびのり

    おびのり

    坂口安吾 安吾忌
    こちらは初読、1952「夜長姫と耳男」
    飛騨の匠の弟子の仏師、耳男。
    乙女の本棚になるまで、知らなかった作品です。

    耳男の語りの説話体。
    長者に乞われて夜長姫の護身仏を彫る。
    耳男は、夜長姫の何かが秘そむ無邪気な笑顔に囚われて、化け物を彫る決心をする。
    蛇の生き血を飲みその死骸を吊るす。
    それさえ美しいと思う夜長姫。
    好きなものは、呪うか殺すか争うか。
    なかなかの狂気と幻想の世界観。
    飛騨という土地への坂口安吾の思い、飛騨の匠への敬意。命惜しまぬ作品へのリスペクト。

    夜汽車さんの作品は、可愛さもあり、まるで乙女の童話に擬態しているけど、ストーリーは鳥肌もの。
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    投稿日:2024.02.17

  • ふわり

    ふわり

    痛い痛い痛い。
    『桜の森の満開の下』も女が狂ってたけど、『夜長姫と耳男』も負けず劣らず狂ってる。
    予想外の展開にちょっと引きました。。。
    イラストが綺麗で読みやすいので『乙女の本棚』シリーズはオススメです!続きを読む

    投稿日:2024.02.08

  • 紫月

    紫月

    「乙女の本棚」シリーズ、私の5冊目。このシリーズで大好きになってしまった夜汽車さんのイラストと、少し前に読んだ「桜の森の満開の下」で有名な坂口安吾のコラボであり、どんな作品なのか興味津々で読み進めていったが、正直、恐ろしすぎて、このイラスト無しではかなりキツかった。イラストが恐ろしさを妖しさという美しさに変換してくれて本当によかった。この作品も「桜の森の満開の下」も、残酷さと、魔性の女に魅入られるところが似ていて、坂口安吾の作風はこのようなものが多いのか気になった。決してもう一度読みたいと思えるわけではないのだが、心が凍っていく恐怖感は、他の作品ではまだ味わったことのないものであり、印象に残る作品だった。続きを読む

    投稿日:2023.12.07

  • チーニャ、ピーナッツが好き

    チーニャ、ピーナッツが好き

    坂口安吾 × 夜汽車さんコラボ作品
    「夜長姫と耳男」を読みました

    二十歳の耳男(みみお)は長い耳を持ち馬のような顔立ちの青年で、飛騨随一と言われる匠の弟子であった。
    ある時、長者の姫である夜長姫の、護身仏を造る為に長者の邸に行く。
    長者は姫の気に入る仏像をつくれたら褒美として、美しい奴隷の江名子(えなこ)を与えると言う。
    だが江名子は耳男の容姿を馬鹿にして、ふいに左耳を切り落としてしまう。
    そしてそれを見ていた姫はもう片方の耳まで切るように笑顔で命じる。
    耳男はその時の姫の笑顔を常に思い出しながら、
    三年かけて恐ろしい化け物の像を造り完成させるのだが……
    というお話がまだ、続きます…。

    この作品。
    とてもとても恐ろしいお話でした。
    美しく可愛らしい夜長姫は十三歳のあどけない少女。
    そのサイコパスたるや、もう〜恐ろしすぎて読みにくかったー!!!!
    耳男の耳を江名子に切らせて微笑み、その後には江名子も殺してその着物を仕立て直して耳男に着させようとしたり…。
    異常性が半端ないのです。
    成長して十六歳になった姫は、村人たちが疫病で死んでいく様を楽しそうに毎日眺めたり、もっと村人が死ぬようにと、恐ろしいことをするのですが…それがまた、気持ち悪い、気持ち悪い!!
    蛇が嫌いでたまらない人は、耐えられないかもしれませんね…。
    私だって、蛇は大嫌いですが、なんとか読みました…

    そんな風にめちゃくちゃ嫌〜な描写がかなり、続くのですが、
    何故か、なぜだか、ラストシーンだけ良かったのです…
    やっぱり怖いシーンではあるのですが……
    切なくて綺麗な感じにブワーッと襲われて
    不思議な切なさで…読み終わりましたー




    続きを読む

    投稿日:2023.08.05

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