【感想】山県有朋 明治日本の象徴

岡義武 / 岩波新書
(2件のレビュー)

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    元・東京大学法学部教授(日本政治史)の岡義武の手による山県有朋の古典的な評伝。

     近代日本政治史において、山県有朋が最重要人物であることは疑いが無い。「山県閥」と呼ばれる陸軍、枢密院、貴族院、官庁に張り巡らされた強固な組織基盤に立脚し、藩閥政府の中枢を約半世紀にわたって掌握し続けた彼に比肩できるような人物と言えば、伊藤博文ぐらいしかいないのではないか?

     山県こそは「陸軍」「藩閥」「非立憲」といったまさに明治の象徴的存在であり、帝国議会開院以来、民党から打破すべき対象とされた独裁的存在である。山県と民党との対立関係は、その前半期においては山県(+桂)vs伊藤政友会となり、伊藤の死後に政友会会長となった原敬が山県と部分的に協調しながら、大隈重信・加藤高明の憲政会を牽制するという鼎立関係が築かれていった。

     政党政治家と山県有朋という「水と油」を描くことで、山県が求めた国家像が浮かびあがってくる。
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    投稿日:2011.06.20

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    このレビューはネタバレを含みます

    [ 内容 ]
    幕末の尊攘派志士、日本陸軍の建設者・大御所として、また総理大臣・元老として政界に君臨した山県の姿こそ、戦前における天皇制的な「政治的人間」の一典型である。
    「閥族・官僚・軍国主義の権化」として憎まれ、怖れられたこの軍人政治家の生涯の照し出す日本近代史の過程と構造は、現代政治の課題に今なお深くつながるものである。

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    投稿日:2011.04.25

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