【感想】決算! 忠臣蔵(新潮文庫)

中村義洋, 山本博文 / 新潮文庫
(6件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • yappinkun

    yappinkun

    面白い。蕎麦一杯16文を480円として、元禄当時の金額を現代の金額に換算して忠臣蔵を再現したコメディ。ある意味本質をついていて、一気読みしました。

    投稿日:2021.05.24

  • 亮



    山本博文氏の『「忠臣蔵」の決算書』を映画化したノベライズ本。
    古今東西、忠臣蔵を題材にした作品は多い。その殆どが、忠義に主眼が当てられ、何度見ても読んでもなくという中高年は多いのではなかろうか。
    本作は内匠頭刃傷沙汰が起きてから討ち入りまでの期間が描かれる。御家再興にしても、討ち入りにしても先立つものは金。本物の戦から100年近く遠ざかっていた番方と、財政諸々を取り仕切っていた役方。予算を取り巻く、各人の振る舞いが面白い。
    討ち入りの名場面はないが、忠臣蔵、赤穂浪士をパロディ化した本作はあっという間に読み進めてしまいました。
    しかしながら、江戸の物価は現代より高いよね。
    『元禄御畳奉行』あたりも映画化しないかな。
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    投稿日:2021.01.29

  • ぽんきち

    ぽんきち

    赤穂四十七士が討ち入りを決行したのは、元禄15年12月14日(旧暦)のことである。
    ことの発端は、彼らの主君、浅野内匠頭が江戸城松之大廊下で吉良上野介に斬りかかる刃傷事件を起こしたこと。殿中で刀を抜いたのだから、何らかの沙汰が下されるのは当然のこととしても、幕府が命じた処分は、内匠頭は切腹、一方の吉良にはまったくお咎めなしという、いささか平等性を欠くものであった。
    喧嘩両成敗ではないのか。浅野家家臣は怒った。どうすべきか、家中でも議論が噴出した。だが、ひとまず、内匠頭の弟を主君としたお家再興を目して、赤穂藩士らは城を明け渡すことにする。
    だが、結局のところ、浅野家再興はならなかった。さらには、上野介はお役を返上して隠居すると決まった。もし実子のいる米沢・上杉家に引き取られるようなことになれば、一切手出しはできなくなる。浪士たちは決意した。
    吉良を討つ。
    決行は茶会の開かれる12月14日と決まった。
    浪士たちは黒小袖に身を包み、揃って吉良邸へと向かう。
    見事、吉良を討ち、本懐遂げた赤穂浪士は、亡君の墓にその首を供えた。
    その後、幕府の命により、志士らは切腹、亡骸は内匠頭と同じ泉岳寺に葬られた。

    この、いわゆる「赤穂事件」は、江戸の人々の心をとらえた。『仮名手本忠臣蔵』に代表されるような芝居や浄瑠璃が作られ、多くの人が熱中した。江戸の人々だけではない、現代にいたるまで忠臣蔵ものは少しずつ形を変え、多くの創作物として世に送り出されている。

    これもそんな忠臣蔵物の1つ。
    だが少々毛色が違う。
    元になっているのは山本博文『「忠臣蔵」の決算書』(新潮選書)。
    討ち入りだ何だと言っても、先立つものは金なわけである。
    お取り潰しにあたって、藩札(藩独自の通貨)の取り扱いも決めねばならないし、財産の処理もある。藩士たちに退職金にあたるものを支払う。奥方様の「化粧料」はどうする。仏事にかかる費用。お家再興のための政治費用。上方と江戸の往復旅費。江戸で生活する者の生活費。そして討ち入りが決まった暁には武具購入。
    とにかく何をするにも金がかかる。
    そのあたりのことを、歴史学者である山本が、大石が遺した一級史料(『預置候金銀請払帳』)から探っていくものである。

    そしてもうひとひねり。
    『「忠臣蔵」の決算書』を元に映画が作成されることになり、「コメディで」という注文が出される。監督を打診されたのが本書の著者、中村義洋。この作品以前にも新感覚時代劇といった趣の映画を撮っている。
    しかし忠臣蔵といえば皆がよく知る一大悲劇である。これを喜劇仕立てにするにはどうしたらよいのか。悩む監督の心のうちは本書のあとがきに詳しい。
    キーパーソン、大石内蔵助。泰然自若とし、先の先まで見据えている人物として描かれがちだが、実はどうしようか決めかねているうちに周りが突っ走ってしまったのだったら。あっちを収め、こっちをなだめようとしながら、結果的に討ち入りになだれこんでしまったのだとしたら。
    そんな「もしも」の内蔵助が動き出す。

    本書は映画「決算! 忠臣蔵」のノベライズ版である。映画は未視聴なのだが、映画では描き切れなかった裏話も収められているそうだ。
    金銭の話であるので、江戸時代と現代の物価を比較せねばならない。本書では、蕎麦1杯の値段を元に換算される。各人物は初登場時に必ず括弧内に年収が記される。
    もう1つ特筆すべき点は、内蔵助はじめ、赤穂浪士の面々が関西弁でしゃべり倒すことだろう。これがまた妙にはまっていて可笑しい。
    右往左往しながら討ち入りへと向かっていく浪士たち。
    全体としては確かにコメディ仕立てなのだが、要所要所で史実を外していないのもすごい。特に、金銭面に関して、前述の『金銀請払帳』に則った金が動くことになっている。

    いわゆる「正統派」の忠臣蔵ではなく、大石の実像としては果たしてどうなのかと思わないでもない。が、金銭出納から見る忠臣蔵という視点はなかなかにおもしろく、これはこれでありなのかもしれない。
    なお、原作者にあたる山本博文は本書にも解説を寄せているが、病気のため、映画公開後数ヶ月で逝去。ご存命ならまだまだ歴史の新たな切り口を提示されたのだろうに、残念なことである。
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    投稿日:2020.12.14

  • yama-pen

    yama-pen

    お金の面を絡めながらの忠臣蔵ストーリー。内匠頭刃傷沙汰からお家取り潰し、浪人となった赤穂浪士たちが討ち入りまでどのようにお金を消費していったか、を想像力豊かに描いていて大石蔵之介の表情はこんな感じだったんじゃかろうか?と思いながら読み進めた。映画化されているのを知らずに読んだけれど、映画も観てみようかな。続きを読む

    投稿日:2020.02.15

  • kawaakami

    kawaakami

    岡村ちゃんよかった。娘と二子玉川まで娘の運転で行ってみました。オラキオとかね。吉原への憧れが募る映画だったね。

    投稿日:2019.12.02

  • hajimessage

    hajimessage

    映画を観る前にあらすじだけは知っておきたいと思い手に取った一冊。
    コメディタッチとなっているので、とても楽しく読めると思います。

    投稿日:2019.10.12

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