【感想】子どもの宇宙

河合隼雄 / 岩波新書
(48件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
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3
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ブクログレビュー

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  • kaido

    kaido

    臨床心理学者の著書にしては親しみやすいというかファンタジックなタイトルだなと思って買って読んでみたら、出だしから児童文学全開で交えながら子どもの可能性が語られていて、私にとっては好みに合っていて興味深かった。

    人間が興味の対象である点で、心理学も教育学も文学も同じ人文学の中でボーダレスに共存しているのだなということが感じられた。

    また、まさに子どもの宇宙みたいな、子どもの純粋さとか、秘めてる可能性とか、いい意味での未成熟さとか弱さとかを認識することは自分のことを考える上でも大事なことだなと思った。子どもと自分との差分を考えることが、何を得て何を失ってしまっているのか認識するきっかけになると思った。
    自分のことだけではなく子どもとの関わりにおいても当然意義が大きい。子どもを尊敬する気持ちとか愛おしく思う気持ちが強くなった。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.21

  • naofumi_t

    naofumi_t

    学生の頃読んだものを再読。

    子どもの心や頭にある(そして大人である我々が手放してしまった)広い宇宙に想いを馳せながら、その宇宙を汚すことなく子どもと向き合うための指南書。

    教育や福祉で子どもに関わる人にはぜひ読んでほしい。続きを読む

    投稿日:2023.07.31

  • rururu-rururu

    rururu-rururu

    かつて子どもだった時の、あの、言葉では言い表すことができなかった様々な思いとこの本の中で再会することができた。あの時はとてつもなく重要なことだったのに、いつの頃からか段々と考えることをやめてしまったなぁ…

    子どもには子どもなりの道理がある…そのことを忘れずに子どもの話に耳を傾けることができる大人でありたい。
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    投稿日:2023.01.19

  • ミッフィー

    ミッフィー

    子を持つ親として大変勉強になった。
    約35年前に書かれた本だが、今の子供にも変わらず宇宙はあるはず。
    児童文学の深さにも驚き。大人こそ読むべきなのかもしれない。

    子供の秘密や自立などの「時」が来たときに、親の言動が子供の魂を殺していないか、また思い出して読みたい本。続きを読む

    投稿日:2022.11.22

  • 下山はじむ

    下山はじむ

    20年ほど前に読んだ本の再読です。
    主に、以下の本を元に話が進行しています(詳しく調べれば、この倍の参照本がこの本の中で紹介されているはずです・・河合さんの読書量は凄すぎる)

    ベバリー・クリアリー ラモーナとお母さん
    カニグズバーグ クローディアの秘密
    ケストナー ふたりのロッテ
    バーネット(小公子が有名)秘密の花園
    キャサリン・ストー マリアンヌの夢
    王様の耳はロバの耳
    ボーマルシェ フィガロの結婚
    フィリパ・ピアス まぼろしの小さい犬
    フィリパ・ピアス トムは真夜中の庭で
    アリストン・アトリー 時の旅人
    ルイス・キャロル 不思議の国のアリス
    ミハエル・エンデ モモ
    石井桃子 ノンちゃん雲に乗る
    今江 祥智 ぼんぼん
    グリム童話集 忠臣ヨハネス
    カニグズバーグ ジョコンダ夫人の肖像
    阪田寛夫 野原の声「飛ぶ教室 NO.8」
    灰谷健次郎 子どもの隣「灰谷健次郎 NO.8」
    映画 禁じられた遊び
    山中康裕 少年期の心
    ハンス・ペーター・リヒター あのころはフリードリッヒがいた
    佐野洋子 私が妹だったとき
    ボーゲル さよならわたしのおにいちゃん
    ササン・テクジュペリ 星の王子さま
    コルシュノウ だれが君を殺したのか

    記憶に残った言葉は
    p78 登校拒否の話で「薬を飲んでいる人に健康な人はいない、だから薬を飲んではだめだ」・・薬を飲まなければ健康になれる?本末転倒の例文として。
    p118 「日常性を超えた「時」へ至る導き手として、亀が現れるのは、おそらく亀が忙しい生き方と無縁の存在だからであろう」・・なるほど。
    p159 「死は真剣に取り上げられる限り、生に深みを与えてくれる。」・・なるほど。
    p162『子どもたちをよく観察していると、「性」の衝動が動きはじめ、それと取り組むことによって大きい変化が生じる以前に、子どもとしての「完成」に達するように思われるときがある。子どもとしては、高い完成感と、早晩それが壊される、あるいは、汚されるだろうという予感が生じてきて、その完成を守るために自殺をするなどということもあるのではなかと思われる。』・・同感。
    p168 「お経」が、魂との接触を防ぐための「知らんぷり語」のようにさえ感じられてくるのである。・・鋭い指摘だ。
    p202 「権威とぶつかる勇気もなくて、異性と出会おうとするのは虫がよすぎるのである。」・・そうかもしれない。
    p204 「一人の人間の成長の軌跡には、多くの死と埋葬、喪の仕事が満ちており、そのどのひとつも抜きにすることはできないのである。一歩一歩踏みしめて前進することなく、異性に接近することは不可能なのである。・・そうかもしれない。
    p205 「性的関係をもつという点だけで言えば、どの動物も行っていることで、別に特別のことでも何でもない。そこに意味を見出すことに、人間としての特徴がある。」・・なるほどね。
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    投稿日:2022.10.02

  • しん

    しん

    教育や心理学で、これまでの中で一番いい本に出会えたと思った。

    やさしい時代があった。親が子を変えるのではなく、子が親を整える。現代では身体性を見失って、妄想がコレクトネス化して来ているように感じる。子供を教育するのは一定の人間と考えるようになってしまっている。自分達は、自然や環境から影響を受けるという説に従うクセに。

    児童文学が心を打つことを思い出せた。また文学も青年期の心を整えることを感じられた。ルールルールで人情味が失せた時代に、子供だけでなく、人はどうしたらいいか、感じられた。
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    投稿日:2022.07.23

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