【感想】ベルサイユのゆり―マリー・アントワネットの花籠―(新潮文庫nex)

吉川トリコ / 新潮文庫nex
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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ブクログレビュー

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  • ちゃろちゃす

    ちゃろちゃす

    「マリー・アントワネットの日記」の続編。

    革命のさなか、九月虐殺の犠牲になったランバル公妃が幽霊となり、マリーアントワネットゆかりの女性の元を訪れ、話を聞く。

    アントワネットって、時代を超えても不思議な魅力を持ち続け、人々を魅了し続けていると思う。
    その非業の死はもちろん、真偽が疑わしい言動も、全てアントワネットを引き立てているみたい。

    世界史やフランスに詳しくなくても、面白くて一気に読める本。
    この一冊で興味がわく人もいるかもしれない。

    登場人物や事件を調べながら読んだので、この時代のことをもっと知りたくなった。

    歴史好きも、プリンセス好きも、フランス好きも。
    読む人みんなが、アントワネットや周りの女性たちが残酷な歴史の渦に飲み込まれる様子にドキドキするはず。
    続きを読む

    投稿日:2022.10.19

  • かな

    かな

    マリーアントワネットの日記のスピンオフ‥マリーアントワネットの日記よりは、読みやすかったのが第一の感想。でもやっぱり順番としては、マリーアントワネットの日記を読んでからの方が断然いいと思います!やっぱり、マリーアントワネットって天真爛漫でありながら王妃としての自尊心もあって、誰からも愛される‥やっぱりその人柄に惹きつけられます。私も百合にハマっちゃったかな(笑)続きを読む

    投稿日:2022.07.13

  • quatorze

    quatorze

    このレビューはネタバレを含みます

    あの人のことを語らせて。

    パリ旅行者に話しかけてきた幽霊は、マリー・アントワネットの女官長だったランバル公妃。彼女はマリー・アントワネットの近くにいた人々から話を聞き、慕っていた王妃に再び会う時の土産話にしようと考えたのだ。そして彷徨うこと幾星霜。2018年のパリで、ランバル公妃の口から語られる、マリー・アントワネットという人のこと。

    様々に王妃と関わり、王妃を愛した人たちから語られる王妃の姿。それはその人が命を終える時にランバル公妃が聴いたからか、語るその人自身についての語りでもある。あの時代を、革命を、どのように生き抜いたのか。女性として、自分として、何を求めて生きたのか。18世紀の人の感覚というよりは現代女性的な自己認識に感じるが(18世紀のジェンダー論には明るくないので)だからこそ、王妃と一緒にあのベルサイユにいた人のことが身近に感じられる。

    フェルゼンからは話を聞けなかったと言うランバル公妃。彼の心のうちは、想像に任せるのが一番美しいのかもしれない。マリー・アントワネットは、愛されて、また愛した人だった。その愛のすべてが等しく、友情も恋愛も区別なく、ただの愛だったのなら、どれほど心慰められ、また寂しくなるだろう。

    オタク気質のランバル公妃、話しかけた相手もガチ勢で、よい話し相手を見つけたオタクほど幸せなものはないよね、そりゃあ語るよね、と思いました。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.12.11

  • カマボコ

    カマボコ

    「マリーアントワネットの日記」スピンオフ。脳裏にトワネット節の余韻が残っている。今作は幽霊となったランバル公妃が、革命時に翻弄された主立った面々のもとへ世界各地を訪問。マリーアントワネットを話題にぶっちゃけトークした内容を、フランスを訪れた旅人に夜を通して語りつくす短編集。発想が面白いし、はっちゃけた文章は変わらず。マリー・テレーズの章が良かったなぁ、吉川トリコさんこれが一番描きたかったんじゃないかなぁ。今度別作品も読んでみよー。続きを読む

    投稿日:2021.05.10

  • himawari-himawari

    himawari-himawari

    これもおもしろかった~。
    「Rose」と「Bleu」のようなギャル口調のおもしろさとは違うけど、当時アントワネットのそばにいた人たちが思ってたことを語ってくれてる。
    読み終わってすぐに再読。
    そして今「Rose」と「Bleu」を再読中。
    とっても興味深いし、ある意味アントワネットのファン。
    続きを読む

    投稿日:2020.11.15

  • gaaco

    gaaco

    『マリー・アントワネットの日記』の姉妹編。
    アントワネットの周囲の人々の、革命後の人生を辿る。

    革命のさなかで惨殺されたランバル公妃。
    幽霊となった彼女が、アントワネットゆかりの人々を訪ね、「その後」を語らせる。
    ジャンヌ・ヴァロア、デュバリー夫人、ポリニャック夫人、髪結いのレオナール、モード商のベルタン嬢などなど。
    そして「大トリ」は、娘のマリー・テレーズ。

    こうした後に残った人々が、苦難の人生を送りながら、語る。
    この語りが、「マリー・アントワネット現象」とでもいうべきものを生み出していく力学のようなものが透けて見えるのが面白かった。
    続きを読む

    投稿日:2020.09.20

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