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原田マハ / 集英社文庫 (95件のレビュー)
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総合評価:
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mgm
民藝と時代の流れを知るのに非常に良い。 歴史上の人物としか捉えてこなかった芸術家たちのエネルギーや熱い想いがふつふつと伝わってくる。フィクションとはいえ、こんな会話があったのかなぁと思いを巡らせてほの…ぼのした。続きを読む
投稿日:2024.03.29
miholanta
前に前に進んでいく清々しさ。 普段のマハさんのミステリテイストが少なく、現代においては巨匠とも呼ばれる、当時の名もなき若者たちの熱い想いにじんとくる。 民藝のなんたるかが少しわかった気がする。 数…年前に訪ねた世田谷美術館で見た北大路魯山人の茶器(湯呑み)、ガラスケースの中に展示されていたものの一つが気に入り、「これでお茶が飲みたい」と思ったことを思い出す。 ガラスケースに入ったら最後、二度とお湯を注がれ、人の手に包まれ、唇に触れることなんてないであろう。 その器は、果たして幸せなんだろうか? 芸術、生活に根ざした器、どちらが上ということはないんだけれどね。続きを読む
投稿日:2024.03.02
猿田彦
小鹿田焼の里を昨年訪ねて資料館でバーナードリーチがこの里を訪れた事を知ったのだが、まさか数ヶ月先にこの本と出逢う事があるとは… この小説はまさにリーチ先生との数々の出逢いを 繋ぎ合わせて綴られた小説だ…と思った、ただひたすら「好い」である、 是非NHKの朝ドラでやってもらいたいなと思った その時は配役が楽しみである続きを読む
投稿日:2024.01.21
ますたぁ
イギリス人陶芸家バーナード・リーチの他者視点による伝記フィクション 以下公式のあらすじ ---------------------- 1954年、イギリス人陶芸家バーナード・リーチが大分の焼き物の里…・小鹿田を訪れる。その世話係を命ぜられた高市は、亡父・亀乃介がかつてリーチに師事していたことを知らされる。 時は遡り1909年。横浜の洋食屋で働きながら芸術の世界に憧れを抱いていた亀乃介は、日本の美を学び、西洋と東洋の架け橋になろうと単身渡航した青年リーチと出会う。その人柄に魅せられた亀乃介は助手となり、彼の志をひたむきに支えていく。 柳宗悦や武者小路実篤ら白樺派の面々や、のちに陶芸家として偉大な足跡を残す富本憲吉、濱田庄司、河井寛次郎らと熱い友情を交わし、陶芸の才能を開花させていくリーチ。 やがて彼はさらなる成長を求めて、亀乃介や濱田を伴い帰国。イギリスの西端、セント・アイヴスに工房を開く。敬愛する「リーチ先生」の傍らで陶芸を究め続けたい。その想いを胸に遠い異国の地で懸命に働く亀乃介だったが、別れの時が訪れて――。著者渾身のアート小説、誕生! ---------------------- バーナード・リーチにまつわる、近代日本の陶芸のあれこれ ヨーロッパでの、アーツ・アンド・クラフツ運動 日本における民藝運動 陶芸は美しい上に、実用的なものだという「用の美」 柳宗悦の「好いものは好い」という信念 イギリスに留学していた高村光太郎との出会いから日本への再訪 そして高村光雲の元に身を寄せて亀之介との知己を得る 柳宗悦との出会い 武者小路実篤、志賀直哉など白樺派との交流 富本憲吉による陶芸との邂逅 六代目 尾形乾山への弟子入りと七代目乾山の襲名 濱田庄司の来訪と陶芸技術の助成 イギリスへの帰国 そしてセント・アイヴスで「リーチ・ポタリー」の開設 バーナード・リーチという存在がなければ、日本の陶芸はどうなっていたのでしょうね? 浮世絵と同じく廃れていった可能性がある 柳宗悦による民藝運動 芸術は一部の芸術作品のみで成立するものではない 一番好きな場面は、関東大震災の後に亀乃介が日本に帰るべきか迷っている時のリーチ先生の一言のところ 「守破離」という概念は教えを請う弟子の立場の言葉ではあるけど 師匠の立場としても弟子離れが必要だという事なのでしょうね 親離れ子離れと同じように、どちらか一方で成立するものではないのだと初めて認識した それにしても、ここまで詳細にバーナード・リーチという人物を描きながら 語り手の沖亀乃介が架空の存在というのに一番驚いた 開設によるとモデルはいないとの事だけど、ちょっと検索したらそれっぽい人はいるようで 松林靏之助、森亀之助、森田亀之助 あたりが混在して物語に組み込まれているようだ 原田マハさんは他の芸術系小説も含めて、史実とフィクションの境目がわからねぇ……続きを読む
投稿日:2023.11.02
あるふれっと
受賞作品だけあって、すごい。何がすごいって、何にも捻りもドラマもない平穏なストーリー展開なのに、想像を遥か凌駕する読後の爽快感。先生の笑顔が想像できる。
投稿日:2023.08.23
baytown2016
このレビューはネタバレを含みます
原田マハ先生の作品には毎回フィクションかノンフィクションかの区別がつかなくなるほど没頭させられるけれでも、今回もそんな作品です。 作品に登場するリーチ先生も高村光太郎も柳宗悦らも実在した人物だけれでも、彼らの功績といったものを、実在しない亀乃介、高市という親子を通じて知るという巧妙なストーリーで、読後はまた少し美術史に明るくなったような気にさせられるのでした。 それは「陶芸」という名の「冒険」だった、とリーチは言った。・・・・あの日々を、冒険と呼ばずしてなんと呼ぼうか。(作品から一部抜粋)
投稿日:2023.08.14
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