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エディス・シェファー, 山田美明 / 光文社 (4件のレビュー)
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seasideorange
このレビューはネタバレを含みます
・カナーもアスペルガーもオーストリア出身。 ・自閉症の発見の先駆として、医師ゲオルグ・フランクルと心理学者アンニ・ヴァイスが、カナーとアスペルガーの両者に関わりを持っていた。 ・アスペルガーは敬虔なカトリック。 精神分析をあまりに合理的なものとしてさげすむ反面、問題のある子供たちを冷徹に観察した。 ・ローナ・ウィングはアスペルガーを”発見”したが後年後悔している。 ・アスペルガーは本格的な自閉の女性は見たことがないと述べている。 ・ナチ親衛隊の14パーセントがオーストリア人。 ・シュピーゲングルントの生還者への補償は1990年代以降。
投稿日:2020.01.30
kouhei0210
アスペルガー氏の半生の話。 医者・医学の功罪がいろいろあること。 ナチスの狂気。排除の理論。 発達障害の子供を持つ親としては、いろいろ考えさせられる内容です。
投稿日:2019.12.05
おかにゃん
アスペルガー症候群の元となる症例を発見したアスペルガー医師によって自閉症が「見出されていく」過程を、丁寧に説明していてとても面白かった!発達障害とかの本を読むほど(結局自閉症の定義ってなんやねん…)となってしまう理由の一端が、見えた気がした。 日本でも最近大人の発達障害がよく取沙汰されるけど、ある種の特質を、差別とは言わないまでも区別する“自閉”という概念が、「個人は共同体に参加しなければならい」というナチスのイデオロギーから発生しているというのは、なんだか怖い。 「自閉症と診断された子どもは、そのような診断のために、その行動が常に自閉症特有の行動なのだと見なされ、その子の個人としての独自性が考慮されなくなってしまう」ということを危惧する筆者のエピローグがよい。
投稿日:2019.11.22
dm8774
アスペルガーはあの「アスペルガー症候群」の報告者。名付け親は違いますが。シルバースタインの「自閉症の世界」を読むと、自閉症の最初の報告者レオ・カナーが権威主義的で、自閉の本質を必ずしもわかっていたとは…言えず、一方でアスペルガーは、第二次大戦当時オーストリアでナチスの障害者迫害にも抵抗した善意の人みたいな印象を抱く。本書はそういった見方に真っ向対立、アスペルガーはナチス党員ではなかったけれども、ナチスの方策に逆らったようなことはなく、むしろ加担側であったこと、自閉系の人たち全てに愛を注いだのではなく、「社会にとって有用」な形質のみに興味を抱いたことなどを数々の証拠から論じている。正直ショックな内容であり、あぁアスペルガーもそうだったのか...と思ってしまうが、とはいえ、やや厳しい目が過ぎる印象も。ただね、あの時代ドイツの障害者にとっての悲惨さは読むだに辛い。アスペルガーは積極加担とまで言わずとも体制側で出世していったわけで、収容所に送られた方々から見れば本書の言うように、今の広まっている見方は虚像なのだろうなと。続きを読む
投稿日:2019.08.27
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