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坂口幸弘 / 光文社新書 (6件のレビュー)
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masaaki.oyabu
〜〜 死は突然にやって来る。思いがけない時にやって来る。いや、むしろ、死は、突然にしかやって来ないといってもよい。いつ来ても、その当事者は、突然に来たとしか感じないのである。生きることに安心しきって…いる心には、死に対する用意が、なにもできていないからである。 しかも、死というものは、ひとたび来るとなると、実に、あっけなく来る。 〜〜 私の妻の死に直面して新たに抱いた『死』への認識と同じ表現だ。 男という者は妻に先立たれると実に情けない存在に成り下がることが多く、数年のうちに妻を追うようにして死ぬ者も多い。それは女性の場合に比べて圧倒的に多い。それは、何故だろうか。生活力といった具体的なことではない。 私の今の心境から推測すると、それは生きることの役割の無さを、連れ合いの死によって気づいてしまうこと。そしてもう一つは、根本のところで心的に生きることを自分以外のもの(会社、妻)に依存してしまっているからなのだ。 子どもの発達過程における親と子の親密で情緒的な絆は、親は子どもにとって外界へ探索に出かける際の安全基地であるが、いつのまにか家庭のなかの男もその安全地帯にしがみついてしまうようになっていくのだ。 悲しみの捉えかたの良い言葉が載っていました。 臨床心理学者の山本力氏の言葉です。 『仮に真実を星に喩えるなら、明るい昼間、星々は見えない。夜のとばりがおりて、真っ暗になればなるほど無数の星が見えてくる。悲しみは心に夜の闇をもたらす。そして、明るいときに気づかなかった星々が見えてくる』 私が最近感じるようになったことに、“深い悲しみ”を経験することは、その人を大人へと引き上げてくれるということ。 もう60歳を越えた私ですが、まだまだ自分を子どものように思えてならないけど、その子どもなりに、この経験が世の中の、特に人との関わりかたにおいて大きく成長させてくれたことを実感している。 そしてこの本のなかにも同様の体験をした人の話や、言葉が出てするのでそれを再確認することになった。 なんかね、世の中が少し低く小さくなった感じがするんだ。 自分があの世に近づいているのだろうかと思っちゃうんだ。 続きを読む
投稿日:2021.06.11
ペネストローネ
自分が考えてきたことが言語化されて本になっていた。やっぱりそうだったんだ。この考え方でよかったんだと思わせてくれた。 人生を本に例えて、その本の重要な登場人物を急に失ったらその物語が続かないように思…う。続けられないと感じるけれどそれでも人生は終わることなく続いていくことは冷酷なように思えるけど事実で、失ってから当分は自分1人のストーリーが続いていることにさえ気づけないような気がする。 私は喪失体験に対し、心に穴が開いた状態だと例え、その穴はその人でしか埋められないことを悟った。その人とは2度と関係性が戻ることはないので埋められない。じゃあどうしたら辛くなくなるんだろう、自分が大きくなろうと考え本を読んだりさまざまな映画を視聴した。気がつけば2年半経っていてあの頃のように涙が溢れることはなくなった。時々泣けてもそれに対しての涙が枯れたのか少し泣いても前を向けるようになった。それどころか、喪失体験に対してではないけれど、その人に対して罪悪感や後悔の念しか持っていなかったのが感謝の気持ちを持つことができるようにもなっている。 喪失体験をしてすぐ、失った人に感謝を持てるようになると〜というものを感謝できることを探しては感謝と後悔が結びついていた。 今も後悔することはあるけど当時の自分にはどうしようもなかったことであることがわかる。 私の人生はこれからも続き、また大切な人ができたとしても急に失ってしまうかもしれない。 あの時も急に失うかもしれないというのは頭の中にあって、いつそうなってもいいように行動してきた。少しその気持ちがやわらんで当たり前のように続くと思っていた時に喪失体験をした。 2度とそうならないように私はもっともっと考えて、自分に自信をつけてまずは自分の人生を生きていかなければならない。 きれいなお水が喪失体験によってにごり、時がたって濁りが沈殿しまるで辛くないように過ごせても、環境や関わる人によって沈殿は攪拌されまたあの苦しみがいつでもやってくる。 喪失体験は濁りをさらに濃くしてくる。 だけど喪失体験を2度としたくないからといって人と関わることをやめてしまったり、人を信じなくなる人生を歩みたくはない。 私は自分の人生についてどのように歩んでいけばいいのかわからなくなっている。 物語は続くので未来はあるのだけれど、それを信じることも夢見ることもできなくなってしまった。 グリーフケア、愛する人を失った時あなたに起こることという本を1年前に読み、今回この本に図書館でふと出会った。 出会うべき時に出会うべき本と出会えるのだと、この本との出会いを運命に感じている。 もう一度読み、また新たに人生を続けていく勇気を持とう。 喪失体験は誰もが経験することだとわかってはいたけれど、じぶんと同じような考えや苦しみを自分が思っていたような言葉で表されているのを見たおかげでより一層感じられた。みんな喪失体験を経験している。それでも生きている。私はそれがはやかっただけだ。生きていこう。 日本語も構成めちゃめちゃな感想になった。心の声だだ漏れだ。 続きを読む
投稿日:2021.03.21
ブルーツ・リー
・死は先のことではなく常に隣り合わせである ・後知恵バイアス →過去の後悔、起こってしまったことを、その時にまるで正確に予測して回避できるものと思ってしまうこと。事後的に予測可能であったと考える心理を…後知恵バイアス。 ・人間は喪失感のなかでも適応できる能力が備わっている。今はつらくても、これから人生が良くなっていく。 ・喪失は人生の一部である。喪失があるから不幸ではない続きを読む
投稿日:2021.02.26
ikki1982
10年以上に渡り応援していた俳優が逝去され、立ち直るためにこの本を手にしました。 亡くなった方が自分よりも若かったのもあり、身内の喪失と同じくらい辛かったです。 帯にある通り、「喪失のある人生は必ずし…も不幸ではない」と納得しました。 喪失感があるのは、自分と故人の間に何かが存在していた証なんです。 死の受け止め方、悲しみ方は人それぞれだということがよくわかっている方が書いたのも好印象でしたし、無理に早く立ち直らせようとしないところも共感できます。続きを読む
投稿日:2020.07.30
リカ
喪失は人の心身をダウンさせる大きな衝撃。そのショックを和らげる術はありません。 そこからどう気持ちを入れ替えて立ち直るか。 新しい内容が期待できるトピックではないながら、著者はよくこの難しく重いテー…マに向き合ったと思います。 人は、人生で大切なことは「何を得るか」だと思っていると、著者は言います。 それよりも大切なことは「何を喪うか」だと。 斬新な視点に、はっとしました。確かに私も、そうした意識なく、「得る」ことの方にばかり注目していたことに気づかされます。 「失うこと」は誰もが避けられない痛み。恐れていてもどうしようもないため、しっかりと考える方が建設的。 何も失わない日というのはなく、たとえば一日過ごすのも、自分の一生の一日が失われていっていることになります。 そのことに絶望しても、仕方がありません。 耐えられない喪失を経験した時、どうすればよいのか。 前もって知っておくだけで、辛さが和らぐこともあり得るのです。 また、「失うこと」がゼロになるわけではないと心得るべきですね。 愛する人を失った時も、その人が残したことはしっかりと自分の中に残されます。 それと同じく、自分が死んだ後も、残された人に何かを残すことができるということです。 物理的な喪失だけでなく、残されるものがあることにも意識を向けると、前向きに人生を捉えて行ける気持ちになりました。続きを読む
投稿日:2019.11.28
123456qaz
☆R010923 YouTube 大愚和尚 分かってくれた人が隣にいない・自分の一部が欠けたような気持ち・ Daigo 失恋の落ち込みは10週間しか継続しない(10月28日まで・あと10日か…R011…017) 野村監督「サッチーが先に亡くなる想定はしていなかった。野球では最悪の状況を常に想定しろって言ってきたのにね」 序章 人生は失うことばかり 大切なものを失わなければ、学ぶことや成長は出来ないのだろうか?「失ってはじめて、なくしたものの大きさに気づいた」他者の経験を知ることにより、自分が実際に直面しなくてもその因果関係を学び取り、対処方法を学習することができる。つまり、自分では失わずとも、他者の喪失体験から学び、成長することもできるはずである。 あなたはこれまでの人生で何を失い、その体験からあなたの何が変わっただろうか? 今現在、あなたがまだ失っていないもの、絶対に失いたくないものは何だろうか? 私たちは自分のことをわかっているようで、実はあまりわかっていないかもしれない。 過去の喪失を糧に生きる・どのように向き合うか→人間としての深み 失恋 恋愛の行きつく先は結婚か別離→別離が圧倒的に多い☆この本で失恋は19行の記載のみ・人生で大した問題ではないから? がん治療 女性にとって乳房切除の深刻さ→女性性・アイデンティティが歪むような苦悩☆安易に死ぬよりましとアドバイスしないこと! 南海トラフ地震30年以内に70~80% 中年期以降の人は重大な喪失に直面することになる→その前提で喪失とは何かを理解し、想定される喪失とどう向き合っていくかを考える。 第1章 喪失とは何か ①人物 ②所有物 ③環境→両親がなくなり実家を処分したとき ④身体の一部分 ⑤目標や自己イメージ→夢・目標が破れたとき 生殖心理カウンセラー 不妊治療 期待が失望へ 母親としてのアイデンティティ 精神的な疲弊 子どもの死 親としてのアイデンティティ、役割の喪失/自分の一部を失ってしまったようだ… 子どもの成長・自立 空の巣症候群 子供が死の理解をするために→生ある者は死ぬ=普遍性、不可逆性=最終性の理解 父親をがんで亡くした小6→正確な情報を教えずにいたら「騙された」と感じた→ごまかさずに闘病中にも十分なお別れができる配慮が必要 第2章 喪失がもたらす影響 事故で子どもを亡くした親「まるで他人事みたい・いつの間にか葬式が終わっていた」→感情が麻痺した感覚、意外なほどに涙が出ない 日にち薬→時間が心を癒す 2年以上経過「夫との思い出は悲しいことではなく楽しい思い出」 予期悲嘆 anticipatory grief がんで死が近いことを意識し悲しむ→奇跡的な回復への希望を抱きつつ死にゆくことへの恐れ 人間的成長 心的外傷後成長 posttraumatic growth 暗くなれば明るいときに気づかなかった星々が見える 文学、絵画、音楽、芸術の領域で多くの創造物が生まれてきた。 第3章 喪失と向き合うために必要なこと 大事な人との別れ→初めての体験 苦しみが一生続く感覚 身体を休める 呼吸法 ①鼻からゆっくり3カウント②口から吐く・3カウント 5回繰り返す 日記やノートへ気持ちを記録→気持ちを軽くする効果・気持ちの整理 ヘンリー・スコット・ホランド「さよならのあとで」 …けれど私たちは思い出すことができます。その人のいた場所や、いつも座っていた椅子、読んでいた本、ずっと履いていた靴、微笑み、くしゃみ、声、指の先。 その人がどれだけ私のことを愛してくれていたのか。 グリーフケア くまとやまねこ 熊、仲良しの小鳥→小鳥が死に熊が死体を入れた箱とともに行動→みんな困った顔→山猫が寄り添い→埋葬後、一緒に旅へ 第4章 「そのあと」をどう生きるか? 喪失への適応 夜と霧 オーストリア精神科医ヴィクトールEフランクル「我々が人生の意味を問うのではなく、我々自身が問われた者として体験されるのである。」 体験を分かち合う 子供と死別後の胸中を絵にしてもらうと→水の濁り、欠けたボール→表現は様々 第5章 喪失に備える 夫婦でよく外出した女性→夫婦で一緒にいる人を見ると羨ましい・夫のいることの有難さに気づかなかった。 第6章 自分の喪失を振り返る 88歳認知症の母・22年前に死んだ弟の質問「死んだはずがない!」→当時は余裕すら感じたが胸の奥底にしまっていたことに気づく 喪失体験に関する10のQ☆R011022時点では大した喪失なし?〇〇さんのみか? ①人生の中で失った大切なものは? 幼少期…祖母への過度依存(結局、晩年は変な関係) 中学以降…兄バッド 高校…兄手紙(高1~25年以上心から笑っていない?) ②大きな影響のあった喪失は? 〇〇さんプロポーズ ③どう影響したか? 高校、大学…対人恐怖症 軽自動車・出会いなし・30になる直前の悩み☆今も同じ→その話題に触れられることがイヤ・避けてしまう。 ④影響は時間と共にどう変化したか? ⑤どう対応したか?→耐えている今の自分、この状況が一生続く不安、結婚できないかも… ⑥失った対象が何を与えたか?考え方・価値観の変化は? ⑦何を学んだか? ⑧いつかは失うかもしれないが、まだ失っていないものは?→大切な人を得ていないから失っていない! ⑨絶対に失いたくないものは? ⑩今できることは? グリーフケア論☆誰かが大学で勉強するきっかけとして震災・コロナ・重大事件…があったから?続きを読む
投稿日:2019.09.24
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