【感想】朗読者(新潮文庫)

ベルンハルト・シュリンク, 松永美穂 / 新潮文庫
(375件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
89
126
109
14
5

ブクログレビュー

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  • のの

    のの

    ハンナが隠し通したかったことを知った時は、そんなこと?と唖然とした。そんなことと思ってしまう自分は、ハンナの思いへの想像力が足りないのかもしれない。

    ハンナは、十分な教育が受けられなかった生活背景があって、字が読めないせいで、ジーメンスや車掌の仕事にもつけなかった。ハンナが気の毒だと思ったし、強制収容所の看守にならなかったかもしれない。
    高等教育を受けているミヒャエルと、状況が全く違っている。生まれた時代や環境が違っただけなのに。

    図書館で借りた本は日焼けしてて古くて、読みにくい文体なのかなあと思ってたけど、読みやすい文章でびっくりした。

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    投稿日:2024.05.18

  • flounder532002

    flounder532002

    ナチ強制収容所の看守であり、同じドイツ人から有罪の判決を受ける。文盲であることが結果的に重罪となったが、育った環境、好んで看守になったわけではないことは想像できる。頑なにそれを弁明にしなかったことは、恥辱を受けることを避けること、表面的にわかっても深くは理解してもらえないであろう諦めも交じったものに感じる。主人公は、付き合っているうちにそうした彼女に気づく。主人公の苦悩は、戦犯者を身内に持ったとしたらどう考えるかと読者は投げかけられる。戦争はなぜ起こるのか、過去の歴史をどう活かすのか、の問いでもある。2024.5.12続きを読む

    投稿日:2024.05.12

  • しあす

    しあす

    映画は台詞も少なく多くを語らず難しく感じたが、ドイツの負の遺産にどう向き合えばよいかぼくの葛藤が小説の方が分かりやすかった。愛した人が戦犯だったら。親世代が犯したナチズムを糾弾することについて。親に対して自分は責めることが出来るだろうか。
    ドイツ人がドイツ人を裁く、恐らくアウシュビッツ裁判の場面、私が言いたいのは…あなただったらどうしますか。というハンナの言葉がやっぱり印象的。
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    投稿日:2024.03.02

  • KantaNé

    KantaNé

    是非オススメしたい本です。(私の1番大好きな本)

    ◆ホロコースト時代の「ドイツ人」と「ユダヤ人」の禁断の悲劇の恋愛物語  

    【あらすじ】
    15歳のドイツ人少年のミハイルが帰宅途中嘔吐してしまい、そこに現れたユダヤ人ハンナが助けたことで、2人が出会った。最初は、お礼の挨拶をするためにお家に行くが、訪問回数を重ねるごとに恋愛へ発展する。ハンナには誰にも言えない『秘密』があり、その『秘密』が2人の関係、人生を大きく動かすことになる。

    【ポイント】
    1.なぜ、ハンナはミハイルに『本を読んでほしかったのか』
    2.なぜ『秘密』を打ち明かすことが出来なかったのか
    3.もしあなたがハンナなら/ミハイルなら、どのようなアクションを起こすか。
    (是非考えて頂きたいポイントです)

    【映画】
    「愛を読むひと」の題名で映画化されています。
    本の内容を忠実に再現されており、映画を最初に見てこの本を読むのもありです。

    【問】
    ・もしあなたが社会的弱者(ホロコースト時代のユダヤ人)だとしたら、どのような行動ができますか?
    ・もし愛する人が社会的弱者(他人の批判の的)だとしたら、助けることができますか?

    悲劇の恋愛物語です。是非一読を。


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    投稿日:2023.11.25

  • Bright child

    Bright child

    あまりにも唐突過ぎた。
    15歳の少年と36歳の女性との恋愛から、恋愛というのだろうか。
    肉欲に塗れた淫らな関係。
    愛情で繋がった関係というより、肉体で繋がった空虚な関係。
    そんなしょうもない話を長々と読ませた挙句、唐突にナチ戦犯として裁かれる。その中でネタバレがあるから書かないが。
    戦争を生きた人ではないな、戦中生まれだが、あの戦争は親の世代。物心つくの人が書いたと思われる内容。

    正直、無駄な時間だった。
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    投稿日:2023.11.15

  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    「15歳のぼくは、母親といってもおかしくないほど年上の女性と恋に落ちた。「なにか朗読してよ、坊や!」-ハンナは、なぜかいつも本を朗読して聞かせて欲しいと求める。人知れず逢瀬を重ねる二人。だが、ハンナは突然失踪してしまう。彼女の隠していた秘密とは何か。二人の愛に、終わったはずの戦争が影を落していた。現代ドイツ文学の旗手による、世界中を感動させた大ベストセラー。」

    「戦争犯罪人となった女性と、その女性を好きになった過去を引きずる男性の物語。女性は自らの罪を見つめて苦しみ、男性は女性を理解しようともがく。
     だれかを本当に理解し、受け入れることなどできないのかもしれない。しかし、そうしようともがくこと自体が愛なのだと気付かされる。」
    (『いつか君に出会ってほしい本』田村文著 の紹介より)
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    投稿日:2023.11.01

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