【感想】明治日本写生帖

フェリックス・レガメ, 林久美子, 稲賀繁美 / 角川ソフィア文庫
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  • inarix

    inarix

    1854年の鎖国政策終焉後、多くの外国人が日本を訪れ、西洋とも東洋とも違うその風俗や特質を紀行文や回想録のなかに書き残した。

    フェリックス・レガメとその著書も、そのなかのひとり、そのなかの一冊である

    明治9年・32年、二度の来日時の記録をまとめ、「国土と国民」から「芸術と芸術家」まで、9つの章に分けて日本を紹介している。
    文化人類学や民族学の専門家ではなく、職業的な旅行家でも軍人でもない、しかも滞在期間は短期間でしかなかったレガメの日本についての情報の正確性は甚だあやしいものだが、彼の本領は画家であり、各種芸術学校の教師である。
    彼の手による数々のスケッチ、挿画が上手い。高い観察力と洞察力、完璧なパースやデッサン力!

    対象物や風景、人物を短い時間で素早く観察し写し取るデッサン、スケッチ、クロッキーは、だからこそ混じりけのない最初の鮮烈な印象を紙の上に再現する。
    妹や弟を背負って往来で遊ぶ子供たち。人力車を牽く車夫。小鳥のように笑いさざめく女学生。洋装の政治家、軍人、楽屋でくつろぐ往年の歌舞伎役者……。
    明治時代の人々の暮らしや彼らを取り巻く服飾や小道具までを、詳細かつ正確に今に伝える。

    ぶっちゃけ参考資料や実物をふんだんに見て描いているはずの現代の日本人アニメーターや漫画家などよりも「よく描けている」という点、それだけで私としては見ていてとても楽しい!

    KADOKAWAさんの文芸情報サイト『カドブン(https://kadobun.jp/)』にて、書評を書かせていただきました。
    https://kadobun.jp/reviews/722/e89be618
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    投稿日:2019.05.26

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