【感想】謎の毒親(新潮文庫)

姫野カオルコ / 新潮文庫
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
5
2
2
1
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • kaorukaeru

    kaorukaeru

    著者の実体験による相談小説
    ホラーです
    なんという親だ
    おそろしい
    それが感想です
    主人公が子供時代の経験を相談という形で
    語っているのだが、そのいずれもが常軌を逸している
    そしてそれが実際にあったという話であるのだから
    おそろしくまた信じられないくらい
    こわい
    続きを読む

    投稿日:2022.11.27

  • 粒谷@読者垢

    粒谷@読者垢

    私も毒親とカテゴライズされる両親の下育ちました。両親の生い立ちなどで彼らの毒親の「素」がわかるのですが(父は恐らく発達障害、母は自身のコンプレックス)、この両親においては全く不明。まさに「謎」。伴侶や我が子に対する愛情を全然感じません。気まぐれに娘をいじめてるとしか思えない。
    特に娘に女としての幸せを拒絶してるのがなんとも…
    本当に不気味で気持ちが悪かったです。


    姫野先生のご両親に比べたら、うちの両親はかなりまともなのかもしれませんが、やはり毒親ってタイプがあれど、どこかしら共通点がある気がします。

    父親が高齢というだけで「お父さん、あなたの事が可愛くてしかたがないでしょう」と言われて頭を捻った話を読んで、「私も私も!」と言いたくなりましたし、「も~ママったら何やってるのよ~」なんて言える親子関係に憧れる気持ちもわかります。


    ただ、めちゃくちゃ読みづらい。読み進めるのが少し、いやかなり苦痛でした…
    主人公の愚鈍さが目に浮かぶほどに…「こりゃ同級生に嫌われるな」なんて酷い事も思いました。
    恐らく作風に合わせての事だとは思いますが、姫野先生の本はしばらく読めそうにありません。


    続きを読む

    投稿日:2022.05.27

  • まっしべ

    まっしべ

    本書で最も驚愕し度肝を抜かれたのはあとがきのp418「著者の実体験」というサラッとしたカミングアウトと、p420「本書の『投稿』はすべて事実に基づいています」の但し書き。

    はっきり言って内容的には、言葉は悪いが胸糞悪い。反吐が出る。
    登場する「毒親」は率直に狂っているとしか思えないし、主人公・光世も事あるごとに「私はむかしからのろまでした」(p27)、「頭の回転が遅く、反応が鈍い」(p182)、「私はのろまですし、頭も悪いしカンも鈍い」(p388)…etc.と連呼する訳だが、あまりにしつこく書かれるのでいい加減うんざりする。

    私自身、母子家庭の一人っ子で育ち母親は掃除や料理が苦手でどちらかと言えば貧困だった。
    家の中は蠅が飛び交い食事は母の職場の同僚と聞かされていた知らないおじさんに面倒を見てもらい教材も中々買ってもらえなかった。

    何度振り返っても決して平凡ではなかったと思う。

    光世と比較してどうこう言うつもりではないが、「私は平凡な境遇に生まれ、平凡に暮らして」(p9)とまとめる彼女の姿勢には同意しかねる。
    まだストレートに憤ったり、笑い話として披露してもらえたなら理解もできるが、この体験を「平凡」とされるのならばいったい、本作を通じて何を読者に伝えたいのかがさっぱり見えてこない。

    実体験というのは明かさずあくまで’相談小説’という体で有ればこんなに反感も持たなかったと思うのだが。

    相談の謎について明確なオチがつかないのも実話ベースであれば納得。



    1刷
    2021.11.13
    続きを読む

    投稿日:2021.11.13

  • 如月 はるか

    如月 はるか

    わかりすぎて辛い部分もある本でした。

    我が家のフツーを、語ってもわかってもらえない。奇妙過ぎて。親が外で見せているものと内の顔が違いすぎて。
    語ってみても、上手く言葉にならない。変だから。
    そんな、言葉にならないもやもやを、形にしてもらえて少しすっきりできました。

    本のなかで語られた言葉に、刺さりすぎて痛い部分もあったけど、自分とはこういうものだとちゃんと受け止められるようになりたい。

    自分にとってしんどいものなら、親だろうが捨てていい。
    救われていいんだ、私だって。
    続きを読む

    投稿日:2021.01.30

  • cecil

    cecil

     こちらの作品に限っては、著者のあとがきを読んでからの方が、物語に入り込みやすいかもしれません。というのもかしこまった書簡形式(著者は相談小説と表現)という独特の文体故に、とても読みづらく感じたため、そのような構成に至った著者の意図とプロセスを理解した方が物語を理解しやすいだろうと思ったからです。さらにこの物語は不可解な出来事の羅列なのですが、なんと全て著者の実体験だそうです。本書では凄惨な暴力などの痛ましい事件などはほとんど書かれず本当に小さな不可解で理不尽な出来事しか起きないのですが、何も知らずに読んでいると正直「しょーもな」という気持ちが先行して内容がいまいち入ってきません。ですが、それらが実際に起こった実体験だと知った上で本書を読めば、確実に物語を理解しやすく、リアルに起こったことなのだという面白さを感じながら読み進められることと思います。
     私はあとがきは最後に読む派なので、なかなかストーリーが入ってこずいつになったら面白くなるんだろうと思ったまま本の1/3に到達。なかなかストーリーが進まない。最初の「名札張り替え事件」も意味不明だしどうでも良すぎて投げ出しそうになりました。(しかも真相は謎のまま)もう読むのやめようかな、私がそう思ってる矢先、主人公が自分の親をひとことで言うならなんだろう?と問い、それに対して回答者・長谷川達哉氏が「毒親」と回答します。この「毒親」という言葉が初めて出てきた時点で物語がついに動き出したと感じました。
     中でも一番理不尽だったと思われる「タクシー事件」もシーズン2(同じことがまた起きる)の時に思わず読んでるこちらが吹き出してしまいました。もーやだーこの親頭おかしい。そのあたりでようやく面白がりながら読んでましたが、現実でも毒親というものは常識や条理からかけ離れた発想をするものなのかもしれないとも思いました。
     最近、毒親関連の本をよく読みますが、毒親には色々なジャンルがあり、これが毒親と一言で言えません。ですが私が毒親を定義するとしたら「親が子を支配する」この一言かなと思います。これが私が感じる毒親の定義です。
     実は私はこれから二人目を出産するのですが、良い親になれるか不安を感じるばかりでした。絶対に毒親になりたくないから、毒親関連の本を読み漁っていました。そんな中で本書を読んで、毒親の仕打ちに対する回答者の言葉を読んで私も主人公同様、勇気づけられたり納得できたりしました。私は子供を支配するのではなく、子供と共に歩んで成長していけたらなと思いました。
     毒親は鬼をうちに入れて、福に豆をぶつける人生。鬼は内、福は外という人生を送ってきたのだと、本書に登場する回答者・児玉幸子が言った言葉が印象に残っています。私は、「鬼は外、福は内」と心がけて楽しい人生を送ります。
    続きを読む

    投稿日:2020.11.24

  • bukkubuku

    bukkubuku

    じっくり、じんわり読める。お手紙方式をとっているからか、余白があって、なおじんわり、とした読後。ひとことで表せない、家族というものについて。複雑な心境を、「謎」という言葉が置き換わって、ミステリーの様相も呈して進む。家族と他人、人間のつながり、感情の持って行き場、昇華のされ方。良かった。続きを読む

    投稿日:2020.11.21

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。