【感想】ニンジャスレイヤー第3部-8 ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ (下)

ブラッドレー・ボンド+フィリップ・N・モーゼズ, 本兌有+杉ライカ, わらいなく / KADOKAWA
(1件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • scaramouche

    scaramouche

    このレビューはネタバレを含みます

    ニンジャスレイヤー第3部第8巻。
    アマクダリ・セクトの陰謀を砕く連作エピソード「ロンゲスト・デイ・オブ・アマクダリ」の終幕と、その後に続くアマクダリ幹部〈十二人〉のひとり、スパルタカスの撃破までを描く。

    「ロンゲスト・デイ・オブアマクダリ」の最後のエピソードは「ネオサイタマ・プライド」だが、自らをひとりの復讐鬼であり、いわば“死人”であると規定していたニンジャスレイヤーが、「ネオサイタマに生きる一人の市民」としてアマクダリの圧政への怒りを持つことは許されるのか、と想うシーンは熱い。
    エピソード名はそもそも、ネオサイタマ市民をコントロールするために作られたテレビ番組の欺瞞に満ちたタイトルだが、それを真の意味でのネオサイタマ市民の誇りとして再定義する構成は圧巻。また、亡き子・トチノキの年齢に関する描写も、感情を抑えた筆致がむしろほろ苦く、涙を誘う。

    戦いの総決算である「ニチョーム・ウォー」は戦闘描写の面白さだけに留まらず、実験的な手法に驚かされる。紙面を二段、または三段に分割し、多方面で同時発生する戦いを、時間軸だけでなく、文字としても同じページに同時に現し、臨場感を演出している。
    同エピソードでは再びDJゼン・ストームの革命レディオが活躍する。戦いに散った息子・ニスイのシャウトがサンプリングされるトラックは悲しくも雄々しく、美しい。

    キョート共和国側では、シルバーキーやシャドウウィーヴの復活は喜ばしいものの、タカギ・ガンドーの行方が気にかかるところ。

    全体を通し、コメディめいた言葉回しの中に、隠れた熱と美、そして実験的かつ緻密な構成が垣間見え、いつもながらのニンジャスレイヤー節が謳いあげられている。

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    投稿日:2021.05.12

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