【感想】ファイフステル・サーガ3 再臨の魔王と草原の灰エルフ

師走トオル, 有坂あこ / 富士見ファンタジア文庫
(1件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • タカツテム

    タカツテム

    最近自分が非常に気に入っているシリーズの最新刊。
    後書きでは打ち切りを匂わせるような言葉が並んでいたけど、Twitterを見る限りどうやら無事続刊は出るようで

    今回は表紙にもなっている灰エルフのギルセリオンが割とメインになっている
    カレルとセシリアが見る夢のせいで灰エルフには凶悪なイメージしかなかったけど、この巻を読む限り外界と隔絶されながらも逞しくそして賑やかに生活しているのかな
    その中でギルセリオンは自分の部族の安寧を最優先に考えているが、最長老のファウンロールは人間への復讐を忘れていないと

    いわば灰エルフの中では異端に分類されるのがギルセリオンということになるのかな。だから今回のフライスラント侵略においても最長老の思惑とは異なった行動を取る
    そしてギルセリオンの戦いも幾つか描かれるのだけど……。その戦い方は見事の一言。飛んできた矢を手で掴んで放ち返すシーンは「火の国、風の国物語」のアレスを思い起こさせるね。
    弓術や剣術が相当な腕前で馬術の腕前もある。本作の他の主人公、カレルとヴェッセルが謀略メインであることを考えるとギルセリオンの圧倒的な戦い方は差別化が図られている印象
    だというのにギルセリオンが最も得意としていることが別にあったとは……

    第一巻ラストで登場した時からその才能は垣間見えていたけど、ギルセリオンの得意分野って房中術なのかよ!戦記物の主人公クラスがそんな特技があるなんて他に見たこと無いよ!
    この巻ではその特技が遺憾なく発揮されて、本当に領地獲得に役立っているし……。
    ギルセリオンと刺し違える覚悟で初夜を迎えた生娘をたった一晩で籠絡してしまうなんてどんな事をしたのさ……


    巻の後半ではカレルの活躍が描かれる。
    ギルセリオンの戦場を縦横無尽に駆け回るような戦い方と比べるとカレルの戦いは下準備が大半を締めているのも有って地味な印象を受けてしまう
    いや、カレルもカレルで常軌を逸したような戦いを繰り広げているんだけどね
    得体の知れない灰エルフの集団に単身潜り込み、信用をある程度勝ち取った上で罠の真上に布陣させてしまうんだものなぁ
    セシリアの未来視という反則技はあるものの、それを踏まえた上でもあり得ない戦法である。そりゃフィクトル総督だってそんなカレルの戦い方を目の前にしたら兜を脱ぐというもの

    次の巻では灰エルフの脅威を前にして司教領の内乱を収める感じになるのかな?
    本来なら政略結婚以外の意味を持たない重要人物との婚姻。だというのにそこにコルネリウスと少女というキーワードが並ぶだけで、何が起こるか全く想像できなくなるとは
    次巻の展開も今から楽しみで仕方ないな
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    投稿日:2019.04.25

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