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円城塔 / 新潮文庫 (49件のレビュー)
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りんご花
このレビューはネタバレを含みます
とてもとっつきにくいと感じてしまい、なかなか進みませんでした。手紙を読むのにこんなに苦労させられるなんて、主人公のように調べる意欲がかなり必要ですし、定期的に来るとなるとついていくのは難しいですね。
投稿日:2024.03.13
༺優斗 ༻
短編集あるある、表題作より併録されている方の作品の方が好きになる。 今回のもそれで、というかそもそもそっち目当てで9,8年振りに手に取った本書。小説のために書かれた小説(のために書かれた小説)。 自動…小説生成装置がもしもあるとするなら、それに反抗していきたいというのが著者のスタンスらしい。前半はそれこそAIが書いたかのような、文法だけ正しくて内容は支離滅裂な文章が続くが、終盤に至るにつれ比較的物語としてわかりやすい展開となっていき、コントラストで無理やり感動させられてる感、いや実際、謎にとても感動する。 著者のブログには小説の書き方のポイントがまとめられていておもしろい。曰く、「2人の登場人物が、時空的に離れた場所で、それぞれモノローグする(なんかわからんが泣ける)」、「特定のジャンルものとしてはじめ、ある地点でジャンル自体をひっくり返す(エロ漫画と思ってたらハードSFだった、みたいな?)」、「理詰めで押し続けるように見せて、限界に達したところで破綻させる(感情を喚起しやすい)」など。 まんまとハメ手にハメられた。続きを読む
投稿日:2024.01.26
MS(1763691)
第145回芥川賞候補。選考委員の石原慎太郎が全否定した作品。何故か自分は石原慎太郎が強くけなす作品を好きになる傾向がある。
投稿日:2023.07.29
まつん
時間をかけて読めばわかるような気もするし、わかっていないような気もする。 ・これはペンです 叔父=「書くこと」 「書く」とはどういうことなのかということを、あらゆる極端な方法を試すことで浮かび上がらせ…る話。 テーマを言ってしまえばそれまでだけれど、それを叔父という存在を通して描いたことに面白味というか発想の意味がある。 このことが、物語の中で描かれている、「書く手法は書くことに意味を与えるのか」という問いのひとつの答えになっているのかな?と思った。 大きな入れ子構造? 続きを読む
投稿日:2023.04.13
いゔどっと
「これはペンです」 5 始 叔父は文字だ。文字通り。 終 たとえそれが、あなたの目には文字なのだとしか映らなくても。 「良い夜を持っている」 4 始 目覚めると、今日もわたしだ。 終… いつから握っていたのだろうか、丸く赤いビー玉が夜の中へ走り出る。 続きを読む
投稿日:2022.04.18
サイリョウ
この本を端的に言うなら「亡くなった父は変わった人でした」という一言で説明できてしまう。でもこの本は、それを最初から最後まで延々説明していく。 超記憶を先天的に持っていた父が、頭の中で築き上げた言…葉の街。その中では事象の数だけ無限に住人が増えていく。 そんな風に表現される父親の話が、ずーっと続く。そして盛り上がること無く終わる。この本の評価が分かれるというのはとても納得できる。つまらないと言うには心の奥に何かがひっかかるし、面白いと絶賛するには魅力を説明しにくいし、そもそも伝わるかどうかも怪しい。 例えるなら、2年前に1度だけ使ったキュウリを綺麗に裁断出来るキッチングッズを捨てるかどうかで悩むことに似てる気がする。つまり、そういう類の本です。続きを読む
投稿日:2022.03.05
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