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天城ケイ, ニノモトニノ / 富士見ファンタジア文庫 (1件のレビュー)
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タカツテム
セルジュ=シクザールによる革命篇後編 正直、このエピソードについては始まりの前提部分にあまり納得出来ない要素があったので、個人的には何から何まで楽しめたとは言い難いのだけど、それでも革命が終盤に近づき…収まるべき所に収まっていく段になると、それなりの満足感を得られたように思う 仲間にも友人にも妹にも本心を明かすことなく計画を推し進めていたセルジュ 彼がそこまで破滅的な道を歩む原因となったのは乗り越えようがない運命にぶち当たってしまったからだね 彼やシクザール家は自身に掛かった呪い、シクザール家が欠けた後のフランドールの命運を乗り越えられないと考えてしまったから犠牲が出ても希望が残る破滅を選ぶしか無かった 対して、革命を阻止しようとする者達はセルジュとは逆に乗り越えられないだろうと思われた壁を幾つも打ち破る様子が描かれているね 味方を傷つけることを恐れていたロゼッティはエリーゼとの共闘の中で恐怖を乗り越え、紙一重の攻撃を何度も繰り返した 孤独に生きてきた暗殺教師クーファは暗殺対象であるセルジュを殺さないことで手に入るはずがなかった友人を手に入れた そして誰よりも大きな壁を乗り越えて雄々しく立ち上がって見せたのがサラシャだね 気弱でどこか頼りないところがあったサラシャ。何よりも学生で戦闘能力も未熟。 どう考えても一人前とは言えない彼女が兄の汚名を前にしてあれほど毅然とした決断をするとは…… 兄の腕を切り飛ばした鋭さ、そして愛する兄を大罪人として大衆の前に引きずり出す覚悟 短い間に誰よりも大きな成長を見せた彼女の強さは計り知れないね そしてクーファさんは盛大な勘違い……というか誤魔化しをしましたね。クーファについては第1巻の時点でメリダに魅了されていて、その昂りが抗いようもなく溢れてしまったのが7巻ラストのあのキスだったと解釈していたのだけど、まさかこれを師弟愛と解釈するとは! メリダにとっては傍迷惑、クーファにとっては自己満足。果てしないすれ違いはちょっとやそっとじゃ乗り越えられないように思うけれど、でもこれまでも幾つもの運命を乗り越えてきたメリダなら或いは……とも思ってしまうが続きを読む
投稿日:2020.09.05
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