【感想】旧約聖書 ヨブ記

関根正雄 / 岩波文庫
(18件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
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6
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ブクログレビュー

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  • 雷竜

    雷竜

     一神教のことが気になって読み返してみた。理解不能だった多くのことが少しわかるような気がするけど、でもわからない。「信じるものは救われ」、「信じないものは罰を与えられる」というのが宗教の根本原理なのだが、一神教の神様は厳しいので、「信じていても罰を受ける」のだ。
     なのになぜ信じるのか?これを読んで一神教を信じるようになるのだろうか?読んでもわからないのが聖書、信じても現世的なご利益がないのが宗教、ご利益がなくてもそれでも信じる立派な人がいるのだから、信じなさい、ということかもしれない。
     
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    投稿日:2024.05.26

  • よしだ

    よしだ

    私は信仰をもたないので、文学作品として読んだ。ヨブが次第に苦難を受け入れ、神に反抗していく姿勢が現れ出す。

    「わが論敵の書いた訴状、
     わたしはそれをわが肩に背負い
     冠としてわがかしらにむすび
     わが歩みの数を彼に語り
     君侯たる者のように彼に近づこう。」

    このヨブの、自分の苦しみが纏わり付きながら、苦しみを自分の体にむしろ纏わり付かせながら、神に向かって進んでいく姿。
    これと、以前読んだシモーヌヴェイユの本で描写されていた、救いをもとめて魂の暗夜をもがきながら進む姿とが、重なった。
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    投稿日:2023.09.23

  • 蓮子

    蓮子

    『ヨブ記』は旧約聖書の中では『諸書』の一つに属し、作者は不詳とされている。ヨブは篤い信仰を持ち、義しき人として暮らしていたが、神は彼に次々と過酷な試練を与えた。財産を失い、家族も失い、ヨブ自身も酷い病に見舞われる。ヨブの元を訪れた3人の友人達も決して彼に優しくはない。深く苦悩するヨブだが、神への信仰は揺るぎなかった。何かを絶対的に信じることの強さと高潔さを書き記した本書は格調高い文学作品としても楽しめる1冊。続きを読む

    投稿日:2022.07.30

  • Yu Kino

    Yu Kino

    読了
    新共同訳では読んでたので訳違いの再読
    古代オリエンタルなあらゆる世界は、旧約に影響してる、というか、影響の大きさからして、立地を思う
    新共同訳のがキャッチーなのは、偉いことだな、と、思いました
    サタンが固有名詞でなく、一般名詞だったころ
    内村鑑三とユングへ
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    投稿日:2018.11.24

  • mizutetsu

    mizutetsu

    救わない神様の話。

    ヨブが信仰を試される話だが、思考実験的な趣がある。

    シーンは神様と悪魔的なのが話してるところから。
    神「やーヨブ君はなかなかの信心者だよ」
    悪魔的「いいえ、彼は恵まれてるからですよ。災難に遭えば、神を呪いもするでしょうよ」
    神「ほー、そういうならやってみなよ」

    ヨブ君、かわいそう。

    大量の家畜は別の部族に奪われたり
    火事で燃えてしまい、
    使用人も同じく殺される。
    また、大嵐によって家は潰れて子供たちはほとんど死んでしまう。

    さらに本人も病気にさせられる。

    ここに至ってもヨブは神に恨み言を言うことはなかった。

    ただ、友達が来てくれるんだけど、こいつらがまたひどい。

    おおむね
    「君がこんなにひどい目に遭うのはなんかやましい事があるはずだ。」
    みたいなノリで割と血も涙もない。

    そいつらと討論するパートがあって、
    それが終わると後半は神との対話パート。
    よくもまぁぬけぬけと出てくるもんです。

    最終的に神様は名誉と財産の回復をしてくれますが、
    それならなおさら、あの最初の
    飲んだ勢いの賭け事みたいな仕打ちの理不尽さが際立ちます。

    ただ、ここにある傾向のいくつかは文化の基底にあるものとして興味深い。

    ・財産のうちに子孫が含まれるという発想。
    ・真実を話すということへの高い価値。
    ・絶望的な状況へ転落するイメージの近さ。社会の不安定さ。

    特に真実や善についての観念は
    全面的に主題化されていることもあって注意を引く。

    神と話す時でさえ正しく話す為なら堂々とすべきなのだ。
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    投稿日:2017.02.19

  • long2ago

    long2ago

    2015/3/13読了。
    元々旧約聖書に惹かれているので購入した。中身がなんとなく壮絶というか、何故ヨブさんはここまでされなきゃならないのか?そしてなぜヨブさんはここまでされて信仰を失うことがないのか

    ただ、自分が理不尽だと思うコトにはしっかり立ち向かっているところを見るとそういう部分を読み取れということなのか。

    なんにしても宗教モノは簡単ではない。
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    投稿日:2015.03.20

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