【感想】全世界史 上巻(新潮文庫)

出口治明 / 新潮文庫
(18件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • kakane

    kakane

    まさに全世界史。時代毎に横軸の出来事を紹介してくれる。知らなかったのか?忘れただけなのか?驚きのエピソードがたくさんあり、非常に楽しい通史だった。

    投稿日:2023.11.17

  • ginkan2

    ginkan2

    歴史もどんどん「発見」されてるんですね。イスラムとモンゴルの歴史。事実をきちんと抑えないといけませんね。誤ったイメージが浸透している気がします。

    投稿日:2023.02.21

  • nobby19710606

    nobby19710606

    わかりやすくて、トリビア的な情報も書かれている。ことがらをストーリー形式で述べてくれており、のちの時代にどのような影響があったのかが
    わかる記述が嬉しい。

    投稿日:2021.09.03

  • 猫サイダー

    猫サイダー

    世界史を分かりやすく、平易な文で解説。
    表面のみを軽く述べるだけで、人物や国の内情までのような、
    深い考察は無い。
    なので、軽く思い出すくらいの目的で読む人向きであろう。
    初心者はこれを元に、
    気になった各国の歴史を深く勉強するのが吉か。続きを読む

    投稿日:2021.01.01

  • saitoumkt

    saitoumkt

    学校の勉強だと、テストのために単語や西暦のみを暗記しがちだが、この本では、各事象のつながりが記載されているので、歴史は全てつながっているということを再認識させられた。

    投稿日:2020.11.22

  • ハイジ

    ハイジ


    この方の凄いところは「まえがき」にあるが…、
    〜僕は、歴史を専門として学んだわけではありません。この本は、一人の歴史好きの市民の趣味が高じたものに過ぎません…〜
    謙遜とはいえ、趣味で歴史本を出版できる出口氏はやはり只者ではない
    巻末の参考文献も興味深いのだが…
    しかし趣味でここまで読めますか⁉︎いう量である
    ライフネット生命を立ち上げた時から、注目してきたが、知れば知るほど出口氏の底力の凄さを実感
    また語り口も柔らかく具体性があり、わかりやすい
    好奇心と好感が持てる

    さてこの歴史本は約5000年に及ぶ文明の歴史を1000年(千年紀)に区分して記述されている
    歴史本を読むにあたって、毎度挫折するか、若しくは挫折しそうになる(泣)
    そのため、前もってどう読むかを意識することにしているのだが、今回は今までの認識と違っていたり、出口氏ならではの内容、個人的興味深い内容をピックアップしていこうと思う(そのため非常に偏っております)

    ※以下( )は独り言である

    ・「ドメスティケーション」…狩猟採集生活から農耕牧畜社会への転換のこと
    外界(自然)を支配したい 人間の脳内革命
    (誰しもが理解している人類の転換点である)


    ・史上初の帝国
    アッカド(メソポタミア)
    まずは共通語が必要
    アッカド語が人類初の共通語
    全ての人を支配→全ての生き物を支配(世界初の動物園)→過去も全て支配したい(文物の収集=図書館)
    (支配欲って人類のDNAに刻まれているのかしらん?強欲な人類の歴史の始まりだ)


    ・知の爆発の時代
    紀元前500年頃
    鉄器の普及と地球温暖化
    農業の生産性が上昇し、世界は高度成長期へ
    社会に芸術や知識人を養う余裕が生まれる
    (ギリシャ・ルネッサンス、インドでウパニシャッド、ギリシャ哲学、仏教、ジャイナ教、旧約聖書、孔子、墨子、老子など)
    (生活がある程度安定し、生きる余裕ができると人類は思考を増やすのだ ま、そうだわね)

    ・552年
    モンゴル高原
    突厥が覇者に
    突厥はトルコ系の遊牧民
    騎馬軍隊として、西方に展開してイスラム化した集団はトゥルクマーンと呼ばれる
    現在のトルコ共和国の建国記念日はこの突厥が建国した552年
    (「突厥とっけつ」が現在の「トルコ」という民族名の語源 へーへー!)


    ・610年ムハンマドがイスラム教の布教を始める
    ムハンマドは商人
    税金さえ払えば、今まで通りの宗教や習俗を認めた 
    商人がつくった宗教のため、合理性を重んじ無駄なことはしない
    このおかげでイスラム教が広く受け入れられた(この辺りからも、十字軍の虐殺振りはイスラムの人たちの理解を超える行為である)
    世界中のモスクの周辺は商店街
    もちろんマッカ(メッカ)も商業都市であった
    イスラム軍が他国を制圧したとき、略奪や宗教的軋轢を避けるため、イスラム軍は占領した都市郊外に「ミスル」を作りそこに駐屯し、占領地を支配した
    この「ミスル」がイラクのバサラやクーファ、エジプトのフスタート(カイロ)、チュニジアのカイラワーンなとで、後に大都市として発展した
    (寛容で合理的な「商人が作った」ということがイスラム発展の要 各国のモスク周辺がきになる!)


    ・隋唐世界帝国の成立
    秦の始皇帝がつくった骨組の上に漢が建国(国は違うが、国家グランドやデザイン、システムは同じ)というように、
    隋の文帝が国を興し→煬帝が引き継いだ
    李淵が唐を建国し→太宗が引き継いだ
    そして似たキャリアのため比較されがちの「隋の煬帝」と、「唐の太宗」
    二人とも兄を殺して帝位についた
    二人とも高句麗に敗れた
    異なる点は以下
     ■煬帝…黄河と長江をつなぐ大運河を開削、贅沢をして殺害された暴君
     ■太宗…素晴らしい時代を開いた名君、貞観政要にその名君ぶりがある
    煬帝を暴君にし、自分の価値を高める作戦か
    (貞観政要は内容が立派すぎる!政治的策略もそりゃあるよな…)
    太宗を始めとする唐の皇帝たちは、遊牧民の出身のため、万里の長城は作らなかった
    また太宗は唐の皇帝であると同時に遊牧民から「天可汗てんかがん」の称号を得る
    (チンギス・カアンのカアンですね この辺りの北方民族と中国の系統は別途しっかり学びたい)


    ・唐の高宗(上記の太宗の後継)は大人しく体も弱かったため、皇后である武則天が活躍
    この優秀な武則天をロールモデルにしたのが持統天皇である
    ※父が天智天皇、母は蘇我氏の直系
    ※天皇という称号の使用も武則天を倣った
    出口氏は天照大神のモデルは間違いなく持統天皇としている(まぁ、天孫降臨の背景は同じだから…
    意思ある賢い女性たちの登場だ)


    ・カノッサの屈辱の真実
    教皇と皇帝の叙任権争い
    ローマ教皇であるグレゴリウス7世は司教の叙任権は教皇にあると主張し、皇帝であるハインリヒ4世と対立
    教皇グレゴリウス7世はハインリヒ4世を破門
    ここで1077年有名な「カノッサの屈辱」事件が起こる
    しかし、一旦譲歩したハインリヒ4世だが、後に軍を率いてローマへ遠征し、グレゴリウス7世はローマを逃れサレルノで憤死
    (カノッサの出来事ばかりにフォーカスが当たっていたが、続きがあったのですね ここから十字軍に繋がっていくのでこの事実はきちんと認識しておかねば)


    ・モンゴル帝国
    モンゴル帝国の合理的発想
    ① 1人の人間が面倒を見ることのできる部下はせいぜい10人ぐらいが限界
    よって十進法の軍制ができ、広大な領土を支配する賢い方法
    ②遠方の子配置に長男を配置、末子を中央に置く遠方の子配置に長男を配置、末子を中央に置く未子相続
    長男は強い存在であり、父親に対し批判的になりがち
    そのため支配の難しい遠い土地に置くと言う危機管理政策があったのでは

    モンゴルは、ポルトガルの喜望峰到達の20年以上も前にアフリカ大陸の姿をほぼ正確に把握していたようだ
    モンゴルの戦争は常に周到な準備を行ってから進めていた模様
    そのため現地の情報、中でも精緻な世界地図が発達し、国家機密のような存在であったらしい
    またモンゴルの支配はイスラム帝国と同様に、帰願した人々に極めて寛容であった
    (猛々しいイメージしかなかったが、考え抜かれた戦略的な部分が多かったようだ
    また合理的な未子相続があった割に、親族同士の争いは多かった)

    クビライ・カァン
    (フビライハンと習いました)
    クーデターを起こし、五代カァンになる
    最初は欲で起こしたクーデターだが、最後は身内の争いを放棄し帝国全体の発展を考えるようになる
    自由貿易を促進し、近代的な交易システムを構築し、経済を発展させた
    また徹底した能力重視で、科挙を廃止した
    (他にもクビライの行った多くの政策は見事である 「元寇」くらいしか知識がなかったのだが、実に興味深い人物であることがわかった)

    モンゴルの歴史について
    我々が学んだモンゴル史は、中国(明)で書かれた資料が元
    異民族に対し快く思わない目線での歴史
    そのため、モンゴルは野蛮で文化の破壊者というイメージとなってしまっている
    現代、トルコ語やペルシャ語で書かれたモンゴル史が読まれ始め、違う事実などわかってきた模様
    (そう、今回この本のおかげで知らなかったモンゴルの一面を知った さらに掘り下げたみたい!)


    というわけで、さすがに全部は無理であるが、少し知識が膨らんだかなぁ
    興味を持てるように上手に書いてくださった出口氏には感謝である
    下巻もこんな調子で(ゆるゆる)進めていこう!
    続きを読む

    投稿日:2020.08.04

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